面接でどんな薬剤師になりたいか聞かれたらどう答える?回答例と面接時の注意点

新卒採用や、まだ経験年数の若い薬剤師の採用面接では、「どんな薬剤師になりたいですか?」とよく聞かれます。

即答できる方もいれば、そうでない方もいると思います。その場でパッと思いついたことを話しても、ある程度のことは伝えることができるでしょう。ですが、この質問は採用に大きく影響する重要なもの。

必ずと言っていいほど聞かれますので、スムーズに、かつ十分な受け答えをしたいです。自分がどんな薬剤師になりたいか、しっかり考えて、答えを準備しておきましょう。

今回は、「どんな薬剤師になりたいか」についての回答を用意する上で大切なポイントと、パターンごとの具体例をご紹介します。

面接でどんな薬剤師になりたいか聞かれたらどう答える?回答例と面接時の注意点

まずは、なぜ採用担当者が面接で「どんな薬剤師になりたいか?」を聞くのか、理由をご説明します。

採用担当者が求めているのは、なるべく長く働き、目標を持って活躍してくれる人材です。「定着性」「活躍性」「希少性」と言い換えることもできます。

定着性は、その職場に長く勤めてくれるという意味です。その職場でならなくてはならない「確固たる理由」があると定着率が高くなるため、企業の理念や職務内容をよく調べて、なりたい薬剤師像に組み込むとよいでしょう。

活躍性は、企業側の求める働きをしてくれるかどうか?という意味です。企業の求める人物像と、目指している薬剤師像に乖離があると、企業側は「必要な業務をやっていない」と捉えるかもしれません。一方で薬剤師としては「やりたい業務ができない」と感じてしまうでしょう。お互いにニーズの一致した就職をすることで、薬剤師として活躍できる可能性が高まります。

希少性については、主に中途採用の際に採用担当者が気にする事柄です。これまでに経験した業務内容はなにか、資格取得があるかなど、ほかの薬剤師と違う点・転職後にも活かせる点をアピールしましょう。採用後に任せる業務、役職などを決める参考にもなる、重要なポイントです。

1つ1つ掘り下げると、時間がかかってしまいます。何人も採用面接をするような企業であれば、「どんな薬剤師になりたいか」という質問に集約することも少なくありません。

この質問が来たら、「自分を売り込むチャンス!」と考えましょう。

【職場別】「どんな薬剤師になりたいか」と聞かれたときの回答例

では、「どんな薬剤師になりたいか」と聞かれたとき、どのように答えればよいでしょうか。イメージするため、具体的な回答例を、職場別にご紹介します。

目指すきっかけとなったエピソードがあれば、簡単に入れ込みましょう。嘘のエピソードを作る必要はありませんが、ストーリーがあると気持ちが伝わりやすいです。今回は、大学生の就職活動の場合で考えてみましょう。

新卒ですので希少性についてはあまり意識する必要はありません。

なぜこの企業を選んだのかがはっきりしていること
企業について調べたり見学したりして、職務内容を理解していること

この2点がどこに盛り込まれているかを確認しながら、回答例を参照してください。

調剤薬局へ就職希望の場合

訪問薬剤管理指導など、いわゆる「在宅」に力を入れている薬局への就職だと仮定してみます。

<回答例>
私は、薬を通して患者さんの人生をしっかりと支えられるような薬剤師になりたいと考えています。きっかけは実習でした。

実習を始めたばかりのころ、薬の説明をするということばかり意識していて、患者さんがどのように薬を管理し、飲むのかというところは考えることができていませんでした。

ですが、実習で担当させていただいた方は、薬の必要性は理解しているものの、数が多いことから飲み間違い・飲み忘れがありました。ご本人は主治医の先生には隠しておられたのですが、実際にお話を伺い、指導薬剤師の先生とも相談しながら、一包化と薬の整理をおこなったところ、服薬アドヒアランスの向上に寄与でき、患者さんから感謝の言葉をもらうことができたという経験をしました。

この経験をきっかけに、患者さんの暮らし・日常を考えて支えることのできる薬剤師になりたいと思い、在宅の業務に力を入れている貴薬局で働きたいと考えています。

ドラッグストアへ就職希望の場合

OTC販売もおこなっているドラッグストアへの就職例で考えてみましょう。

<回答例>
私は、ちょっとした体調不良や健康に関する相談ならなんでもどうぞと言えるような、お客さまの毎日をしっかりとサポートできる薬剤師になりたいです。

コロナ禍に入ったころ、自宅に常備薬を置こうと考えてドラッグストアへ行き、成分表を見ながら考えてみました。授業で習わない成分のものや、配合剤など種類がたくさんあり、自分では選ぶことができず、薬剤師の方に相談に乗ってもらいました。

私に同居家族はいるかなど、使用環境も考えた上での提案をしてもらい、市販薬にも精通した身近な相談相手としての薬剤師という仕事に感銘を受けました。

市販薬やサプリメントは、若い世代から高齢者までニーズがあると思います。見学の際、貴社ではプライベートブランドの市販薬も展開しており、力を入れていると聞きました。どんな背景のお客さまに対しても自信を持ってアドバイスできるように経験をつみ、身近で頼れる薬剤師になりたいです。

病院へ就職希望の場合

地域のがん治療の中核を担う病院への就職を希望している例を考えてみます。

<回答例>
私は、がん患者さんが副作用に苦しむことなく治療を続けられるよう、他職種と連携し、サポートできる薬剤師になりたいです。

薬剤師も、医師と同じように、最近ではスペシャリストが求められていると聞きました。がんの分野は、必要な知識が全身に及ぶので難しいと想像しますが、薬剤師として、患者さんだけでなく医師や看護師などの医療スタッフにも貢献できるやりがいのある分野だと感じています。治療も副作用の対応もトータルで関われる点も魅力的です。

さまざまな診療科があり、がん専門薬剤師もおられる貴院で経験を積み、患者さんのがん治療を支えられる薬剤師になりたいと思います。

企業へ就職希望の場合

製薬企業のMR職を希望している場合の例を考えてみましょう。

<回答例>
私は、薬の情報を多くの医療関係者へ届け、最善の治療を患者さんに提供するためのサポートができるMRになりたいです。

実習の際、新薬を使っている方を担当する機会がありました。その方は、それまでは日常生活に支障があって仕事を続けるのもつらかったそうですが、新薬のおかげでQOLが大きく改善し、楽になったと教えてくれました。

医学の進歩や患者さんの満足度向上のために、薬の進歩は欠かせないものなのだと実感しました。私もその一端を担いたいと感じ、希少疾患の新薬開発に力を入れている貴社で、アンメットニーズを満たすような活動ができるMRになりたいと思っています。

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面接時に「どんな薬剤師になりたいか」と聞かれたときの注意点

面接で「どんな薬剤師になりたいか」と聞かれたとき、回答するにあたって注意したいポイントを3つお伝えします。

ほかの質問の回答と矛盾しないように注意する

どんな薬剤師になりたいかについて答える中で、他に話したことや職務経歴書などに書いたことと矛盾しないように気をつけましょう。

とくに、複数の企業を受ける場合、企業に合わせて違った回答を用意していることもあるでしょう。すべての答えが矛盾しないよう、面接前に見直しが必要不可欠です。

矛盾したことを話してしまうと、「どこか別の企業と間違えたのかな」「さっきと言っていることが違うけど、どちらが本心なのかな」と悪い印象を与えてしまうかもしれません。

漠然とした内容は避ける

別の企業に言うべきことと間違えてはいけないからといって、どの企業にも当てはめられるような漠然としたことばかりではアピールになりません。

「一生懸命がんばりたい」「患者さんのためになるように努力します」など、どの面接でも使い回せるような抽象的な表現は避けましょう。面接のために何も準備していない、企業のことをまったく調べていないという印象を持たれてしまう可能性があります。

より具体的に、自分の熱意や将来的なビジョンを伝える表現を心がけてください。

自分本位の回答をしない

「どんな薬剤師になりたいか」という質問に対して、自分が将来的にどうなりたいか、どんな資格を取りたいかなどをアピールしたくなりますよね。

そういったビジョンを軸に答えるのは間違いではありませんが、採用面接は「採用側のニーズと求職者の希望がマッチするかを知るためのもの」ということを忘れてはいけません。

極端な例ですが、がん患者がそれほど多くない病院で「がん専門薬剤師になりたい」と伝えても、お互いのニーズが合わないので、面接でのアピールとしては逆効果ですよね。企業見学やホームページなどを通じてニーズをしっかりと把握し、そのニーズに関係したビジョンを考えましょう。

まとめ

今回は、新卒や若手薬剤師の面接でよく聞かれる「どんな薬剤師になりたいか?」という質問へ回答するポイントをお示しするとともに、実際の回答例を挙げました。

どんな薬剤師になりたいかという質問の裏には、採用担当者のさまざまな意図が隠されています。意図を理解して回答を考えておくことで、ご自身の魅力を余すことなくアピールすることが可能です。今回は新卒薬剤師の場合で回答例を挙げましたが、転職活動の場合にも参考になると思います。

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