転職するのは悪いことではありません。しかし何度も職場を変えてしまうと、採用で不利になることが多いうえに、年収アップの機会を逃すおそれがあるため注意が必要です。この記事では、薬剤師が転職を繰り返さないようにするポイントを解説します。
薬剤師が転職を繰り返すことによる4つの注意点
「給与が低い」「職場の雰囲気が合わない」といった理由で転職を考える人は多くいます。しかし、日本社会では一般的に「転職を多く繰り返すことは避けるべき」とする風潮があります。転職を考えている薬剤師は、ここで紹介する4つの注意点を押さえておきましょう。
選考に通りにくくなる
転職を多く繰り返すと「忍耐力がない」「協調性がない」など、採用者側が悪い印象をもつおそれがあります。採用する側は、より長く働いてくれる薬剤師を採用したいと考えます。
なぜなら、採用した後に早期退職されると、採用コストや教育コストが無駄になってしまうからです。転職回数がほかの応募者と比べて多い場合、書類選考の段階で落とされる可能性も高くなります。
年収アップのチャンスを逃してしまう
ひとつの職場を短期間で退職すると、その職場で得られるはずだった昇給や昇格の機会を逃すことになります。
一般的に同じ職場で働けば働くほど昇給の機会がありますし、実績や勤続歴をもとに役職がつくものです。しかし、転職すれば新たな職場で実績や信頼を一から積み上げなくてはいけません。給与条件のよい職場を選べば年収アップが見込めますが、入社後の昇給額が想定していたより少なかったというケースもあります。確実に年収を上げたい場合は、転職を多く繰り返さない方がよいでしょう。
キャリアに一貫性を持たせられなくなる
職場の雰囲気や待遇を理由とした転職を繰り返すと、職歴の一貫性を保つことが難しくなります。
採用する企業は応募者の今後のキャリア形成に関心があり、説得力のあるアピールが求められがちです。
過去の転職で何を得たのか、そしてこれから何を実現させたいのかを明確にし、今後のキャリアにおいて強みになりにくい安易な転職は避けましょう。
転職の癖がついてしまう
転職を繰り返すことで、「何か嫌なことがあれば転職すればいいや」と思うようになってしまいます。辞めることに抵抗がなくなり、ひとつの職場で長く働けなくなるのはデメリットといえるでしょう。
一度転職の癖がついてしまうと、柔軟性が身につかなくなります。前向きな気持ちで転職することは大事ですが、すぐに見切りをつけず、ある程度は置かれた環境に合わせて働いてみることも大切です。
何回から多い？薬剤師の平均的な転職回数
では、転職回数の平均はどの程度なのでしょうか。ここでは、年代ごとのおおよその転職回数を紹介します。
30代までの薬剤師の平均転職回数は2回
薬剤師は30代までに2回程度の転職を経験しています。40代で3〜4回、50代で4〜5回程度、職場を変えるのが一般的と考えられます。
30代までの転職は3回以上で多いと思われる
20〜30代の薬剤師で、転職回数が3回以上あると採用側から「転職回数が多い」と思われる可能性があります。
一方、40代は結婚や出産などライフステージが変わりやすい事情もあり、転職回数がかならずしもマイナスに働くわけではありません。
転職を重ねても、過去の転職理由や経験、保有資格によっては選考で不利にならないこともあります。
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転職回数の多い薬剤師が転職するためには
転職回数が多いと選考で不利になりがちです。しかし、ここで紹介するポイントを押さえれば、転職活動を有利に進められることでしょう。
前向きな転職理由を伝える
たとえ転職理由がネガティブな内容であっても、ポジティブな理由に変換して伝えることが大切です。
「職場の雰囲気が悪い」「労働条件や給与に不満がある」など、ネガティブな内容をそのまま伝えるのは禁物です。「採用してもすぐに辞めてしまうのではないか」など、マイナスな印象を与えてしまいます。
「新たな分野に挑戦したい」「評価制度の充実した企業へ転職したい」といった、できる限り前向きな姿勢をアピールしましょう。
向上心が伝わるように志望動機を伝える
「管理職を目指したい」「地域医療に貢献したい」といったように、入社後のビジョンを具体的に伝えることが大切です。採用する側にとっては、入社後の活躍がイメージしやすくなります。
また、志望動機が前向きで向上心が伝わる内容であれば、「長く働いてくれそう」と思ってもらえます。転職回数の多さが弱みから強みに変わるでしょう。
薬剤師の転職に強い転職エージェントを利用する
薬剤師の転職に強い転職エージェントを利用すれば、転職活動をスムーズに進められます。なぜなら薬剤師の転職に詳しいコーディネーターが、転職のアドバイスをはじめ、応募書類の添削や面接対策もサポートするからです。
転職活動に不安のある人や、どの転職エージェントを利用すればよいのか悩んでいる人は、薬剤師専門の転職エージェント「ヤクジョブ」へご相談ください。
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転職を繰り返さないためのポイント
転職回数はできる限り少ない方が選考では有利になりますが、転職癖がついてしまった人もいるでしょう。そのような人は、ここで紹介する3つのポイントを参考にすることをおすすめします。
職場環境の事前チェックを欠かさない
転職先に応募する前に、その職場の労働環境をよく調べることが大切です。転職を繰り返してしまう原因のひとつに、「入社後のミスマッチ」が挙げられます。これは、転職先のリサーチ不足で発生しやすい問題です。
それを防ぐためには、求人情報に記載された内容だけでなく、職場見学をしたり、口コミを調べたりするのがおすすめです。職場の雰囲気を把握した状態で転職すれば、リスクを大きく減らせます。
将来のキャリアを意識して転職先を探す
「将来、どのような薬剤師になりたいか」を見据えて転職先を探すことが大事です。目先の給料や労働時間だけを考えて転職先を決めてしまうと、方向性がブレやすくなります。
まだキャリアプランが明確でなければ、この機会に将来、薬剤師としてどのような立場、スキルを持っていたいかを練ることも大切です。将来像が明確になれば、目標を叶えられる職場を見つけるのが容易になります。そして将来の目標に向かって日々の仕事に取り組むことができ、長く働く理由にもなります。
色んな働き方を検討する
仕事が長続きしないのであれば、雇用形態を変えるのも方法のひとつです。派遣社員や紹介予定派遣など、まずはお試しに近い形で働くことで、職場の雰囲気や働きやすさを知ることができます。
派遣社員であれば、正社員として働くのと比べ、職場を変えることに対してマイナスな印象を抱かれないでしょう。職場が合うと感じれば、正社員への切り替えを目指すのもおすすめです。
まとめ
転職するのは悪いことではありませんが、何度も繰り返すと年収アップの機会を逃し、今後の転職で不利になることがあります。転職を繰り返さないためにも、将来のキャリアを明確にした上で、希望条件にマッチする職場を見つけましょう。
40代で薬剤師として転職を考えている人の中には、年齢が不安となっている方もいるかもしれません。難しいと感じている人も多い…
