薬剤師の結婚事情とは?結婚のタイミングやポイントについて解説

薬剤師の結婚事情とは?結婚のタイミングやポイントについて解説

薬剤師の結婚事情とは?結婚のタイミングやポイントについて解説

6年間の学生生活と国家試験を乗り越え、社会人として働き始めた薬剤師の方が次に気になってくるのは、自身のキャリアやライフプランではないでしょうか?

特に、結婚の決断は人生における重要なターニングポイントです。結婚とキャリアアップはときに両立が難しいこともあり、仕事と家庭の両立に思い悩む方も少なくありません。

本記事では、仕事と家庭の両立に悩む薬剤師の方に向けて、薬剤師特有の結婚事情について解説します。

薬剤師の結婚事情とは?

まずは、薬剤師の結婚事情について、結婚率や結婚時期、結婚相手の職種について知っておきましょう。

日本では、未婚率の上昇や晩婚化がたびたび話題になりますが、薬剤師も例外ではありません。

結婚率

薬剤師単独の結婚率に関する公的データは見つかりませんでしたが、全国的な統計データを参考に、薬剤師の結婚率を推測してみましょう。

厚生労働省の人口動態統計によると、人口の影響を受けない結婚率(1,000人あたりの結婚数)は、昭和22年の12.0をピークに、令和3年には4.1まで減少しています。これは、単に結婚適齢期の人口が減少しているだけでなく、結婚そのものを選択する人の割合が低下していることを示しています。

このような背景を考えると、薬剤師についても結婚率が以前より低下しているのは間違いありません。また、薬剤師は特に結婚のタイミングを逃しやすい職種であるともいわれています。その理由としては、次のような点が考えられます。

まず、薬剤師が社会人として働き始めるのは、6年間の学生生活と国家試験を経てからとなるため、ほかの職業に比べてスタートが遅いのが特徴です。結婚適齢期直前の24~25歳でようやく働き始めることが多く、その結果、婚期を逃しやすいとされています。

さらに、薬剤師は出会いの機会が限られているという声も聞かれます。特に小規模な調剤薬局では、職場環境が閉鎖的なことも多く、異性と出会うチャンスが少ない現実があります。また、薬剤師には女性が多く男性が少ない傾向もあり、職場での自然な出会いが難しいケースもあるようです。

また、薬剤師は業務外でも学会や勉強会への参加や、自己研鑽の時間の確保が必要とされる場合も多く、薬剤師としてのキャリアを追求すればするほど、プライベートな時間を削らなければいけない現状があります。そのため、恋愛に割ける時間が少なくなり、結果として結婚が後回しになりやすい状況が生まれているようです。

加えて、薬剤師の仕事は、若い年齢でもひとりで十分に生活できるだけの収入を得られるケースが多く、独身でいることに不安を感じる必要が少ないかもしれません。これも、薬剤師が結婚のタイミングを逃しやすい要因となっているようです。

参考:厚生労働省|令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況|結果の概要
参考:厚生労働省|平成28年度 人口動態統計特殊報告「婚姻に関する統計」の概況|用語の解説

結婚時期

薬剤師の結婚時期に関する公的データは存在しないため、全体的な統計データをもとに推測してみましょう。

厚生労働省の人口動態調査によると、令和3年の日本全体での平均初婚年齢は、男性が31.0歳、女性が29.5歳となっています。この平均初婚年齢は、過去数十年間で徐々に上昇しており、晩婚化や未婚化が進んでいることが分かります。

日本で晩婚化や未婚化が進んでいる理由としては、女性の社会進出による男女間の格差が縮小したこと、独身生活を楽しむ人が増えていること、経済的な不安を抱えている人が増えていること、子育て支援制度が不十分であることなどが背景にあると推測されています。

これに加えて、薬剤師の場合、ほかの職業に比べて社会に出て働き始める時期が遅れます。一般的な4年制大学の卒業者と比べて2~4年遅れてキャリアをスタートさせることが多く、必然的に結婚のタイミングも遅くなることが予想されます。

この遅れを考慮すると、薬剤師の結婚時期は、日本全体の平均初婚年齢に2~4年をプラスするのが妥当です。つまり、男性では33~35歳、女性では31~33歳が薬剤師の平均的な結婚時期と推測できます。

参考:厚生労働省|令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況|結果の概要
参考:厚生労働省|平成28年度 人口動態統計特殊報告「婚姻に関する統計」の概況|用語の解説

結婚相手の職種

薬剤師の職場は出会いの機会が少ないことから、薬剤師同士の職場結婚が多い傾向にあります。ある調査によれば、薬剤師の31.7%が同じ職業の相手と結婚しているという結果が出ています。さらに、医師と結婚している割合は2.4%、看護師など薬剤師や医師以外の医療従事者と結婚している割合は14.1%で、全体として約半数の薬剤師が医療従事者と結婚しているとされています。

薬剤師同士で結婚するメリットとして、まず挙げられるのは、薬剤師という職業の安定性です。薬剤師は医療系の職業であり、景気の影響を受けにくい職種のひとつです。また、薬剤師資格は国家資格であり、一度取得すれば基本的に無効になることがないため、資格保有者同士で結婚することで、生活基盤が安定します。仮に今の職場を退職したとしても再就職が比較的容易なため、夫婦ともに薬剤師であれば、経済的な安定性が高まります。

薬剤師同士で結婚するもうひとつのメリットは、仕事の悩みを共有できることです。薬剤師の仕事は人の命や健康に関わるため、業務上の責任が重く、常にミスが許されないプレッシャーがあります。パートナーが同業者であれば、特有の職場環境を理解し合うことができるため、適切なアドバイスや共感し合うことができるでしょう。

ただし、結婚を視野に入れている薬剤師は、医療従事者以外の人との出会いも大切にしましょう。ほかの職業の人との結婚は、多様な価値観やライフスタイルを取り入れられるという点で大きなメリットがあります。相手の職種にこだわらず、さまざまな出会いを求めることが、幸せな結婚生活を築くためのひとつの選択肢といえるかもしれません。

参考:日経DI|日経DI読者倶楽部-薬剤師のホンネ-|結婚相手は3分の1が薬剤師

薬剤師が結婚するメリット

続いては、薬剤師が結婚するメリットについてご紹介します。薬剤師に限らず、結婚にはたくさんのメリットが存在します。

生活が安定する

薬剤師は安定した職業として知られていますが、失業のリスクが全くないわけではありません。結婚して夫婦で家計を支え合うことで、収入源が複数に分散され、将来的な生活の見通しが立ちやすくなります。また、家族ができることで、将来のために計画的に貯蓄を行うモチベーションが高まります。

さらに、家事の負担を夫婦で分担することにより、生活の質も向上します。お互いに協力して家事を進めることで、衣・食・住の質が向上し、暮らし全体が快適になるでしょう。

悩みを相談できる

薬剤師の仕事は、同僚やほかの医療従事者、患者などを相手にした特有の人間関係や、常に自己研鑽が必要とされる難易度の高さ、ミスが許されないプレッシャーもあり、強いストレスを感じることが少なくありません。そうした職場での悩みを、パートナーに相談できることは大きな心の支えとなります。

家族や友人には話しづらいようなプライベートの悩みも、信頼できるパートナーならであれば遠慮なく打ち明けられることが多いかもしれません。互いに気兼ねなく意見を交わし、精神的な負担を軽減できるのも、夫婦ならではの強みといえるでしょう。

子育てを経験できる

結婚すると、次は子育てと考える方も少なくありません。

子どもから与えられる無条件の愛や信頼は、親にとってかけがえのない喜びです。子どもは目まぐるしいスピードで成長し続けるため、その成長を間近で見守ることで、自分自身の成長のモチベーションにもつながります。また、子育てには、家族旅行や季節のイベント、遊びなど、自分が子どもだったころに経験したさまざまな体験を、今度は親として再び体験できるという楽しさもあります。

大人になり、毎日の生活が単調になりがちな中で、子どもが見せる予期せぬ行動や、驚くような成長の瞬間は、日常生活をより豊かで楽しいものにしてくれることでしょう。

薬剤師が結婚するデメリット

続いては、薬剤師が結婚するデメリットについてご紹介します。薬剤師に限らず、結婚には多くのメリットがある反面、デメリットも存在します。

自分の時間が減る

結婚によってパートナーと過ごす時間が増えるのは嬉しいことですが、それと引き換えに自分の時間が減ってしまう可能性もあります。

薬剤師業界は人手不足が慢性化している職場も多く、その業務量の多さや不規則な働き方から、結婚後は家庭との両立が課題となりやすいのが現状です。結婚によって、勉強の時間や趣味の時間が確保しにくくなり、ストレスを感じる人もいるかもしれません。

さらに、子どもが生まれると、育児に多くの時間を費やすことになります。自分の時間が急激に減少するため、仕事と育児の両立に悩む人も少なくありません。

自由に使えるお金が減る

結婚後は、独身時代のように自由にお金を使うことが難しくなります。

自分ひとりの収入を自分の好きなことに使えた独身生活とは違い、パートナーと一緒に将来のための貯蓄や支出のコントロールを計画的に行う必要があります。お金の使い方に対して、独身時代よりも慎重にならざるを得ないことも増えるでしょう。

また、家計の管理方法も、例えばお小遣い制を導入したり、大きな出費の際には事前にパートナーへ報告したりと、独身時代に比べて窮屈に感じることがあるかもしれません。

責任の重さ

結婚することで、独身時代の自由気ままな生活から一転、家族に対する責任が増すのは避けられません。

たとえば、無計画な退職や、収入の下がる転職は難しくなり、結果的に現在の職場で無理をしながら働かなければならないケースもあるかもしれません。特に、子どもがいると経済的な安定が不可欠なため、状況にかかわらず何らかの仕事を続けることが必須となる場合が多くあります。

また、薬剤師という職業自体が責任の重い仕事ということもあり、人によっては、家庭と仕事それぞれの責任の重さをプレッシャーに感じてしまうこともあるようです。

薬剤師が結婚するのにベストなタイミングとは?

結婚はいずれしたいけれど、なかなか踏ん切りがつかないと悩んでいる薬剤師の方も多いのではないでしょうか?

続いては、薬剤師が結婚するのに最適なタイミングについて考えてみましょう。

仕事に慣れたとき

社会人として働き始めたばかりの頃は、まずは仕事を覚え、職場に慣れることが最優先です。特に、薬剤師のような専門職の場合、通常の業務時間に加えて勉強時間も必要となり、プライベートの時間、特に恋愛に費やせる時間はどうしても限られてしまいます。

仕事に慣れてきて、徐々にワークライフバランスがうまく取れるようになった頃が、結婚を視野に入れるベストタイミングかもしれません。

ただし、職場が忙しすぎたり、職場内で人間関係の問題を抱えたりしていると、そのストレスが結婚生活と仕事の両立に悪影響を与える可能性があります。その場合は、結婚前に長く続けられそうな職場に転職できると、生活全体の安定に繋がるでしょう。

経済的に安定したとき

経済的に安定したタイミングでの結婚は、結婚生活の安定感を高めるためにも重要です。

豪華な結婚式を望まなくても、結婚生活を始める際には、住居や家具、家電の購入、引越し費用など、何かとお金がかかるものです。そのため、経済的に安定した時期、例えば目標としていた貯金額に到達した、昇給したなどのタイミングなどで結婚を決断する人が多いようです。

また、特に私立の薬学部出身の薬剤師の中には、高額な学費のために多額の奨学金を抱えている人も少なくありません。奨学金の返済に一定の目処が立った時期に結婚を決めるケースも良く見られます。

キャリアプランが定まったとき

自分のキャリアプランが明確になり、将来の目標と今の働き方が一致していると感じられる時期は、結婚を考えるうえで良いタイミングといえるでしょう。例えば、管理薬剤師に就いたり、専門的な資格を取得したりできた場合、たとえ転職を検討することになったとしても、それが強みとなり良い条件で転職が決まりやすくなります。

結婚後は、経済的な安定が非常に重要なポイントとなるため、特に年収が下がる可能性のある異業種への転職は慎重に考える必要があります。もしも異業種への転職を視野に入れている場合は、結婚前に決断したほうが良いかもしれません。

仕事と家庭を両立させるポイント

結婚後に、仕事と家庭の両立に悩む薬剤師も少なくありません。薬剤師が仕事と家庭を両立させるためのポイントについても確認しておきましょう。

夫婦で役割分担する

仕事と家庭を両立させるためには、夫婦の協力が不可欠です。

最近は共働きの家庭が増え、男女の家事時間の差が少しずつ縮まってきているものの、まだ「家事や育児は女性の役割」という認識を持つ人もいます。どちらか一方に過度な負担がかかる状況では、幸せな結婚生活を長く続けることは難しいかもしれません。結婚前にお互いの家事の得意・不得意を話し合い、分担に関する認識をすり合わせておくことも大切です。

結婚後は、家庭内での役割分担を明確にし、無理なく続けられるバランスを見つけることが重要です。ただ、完璧を目指すあまりに意気込みすぎると、かえって負担が大きくなることもあります。結婚したのだからと気負わずに、仕事と結婚生活のバランスをゆるく取っていくことが、仕事と家庭の両立を成功させる鍵といえるでしょう。

時間をお金で買う意識を持つ

夫婦間で家事や子育てを分担しようとしても、時間や体力には限界があるため、すべてをカバーするのは難しいこともあります。そんな状況では、時間をお金で買うという意識を持つことが大切です。

共働き世帯が増える中で、家事代行サービスや育児サポートサービスが充実してきており、これらを活用することで、家庭の負担を軽減することができます。すべてを家庭内で解決しようとするのではなく、必要に応じてこうした外部サービスを上手に利用することが、今後の共働き家庭には必要不可欠です。

さらに、家事の効率を上げるための便利な家電製品も多く登場しています。食洗機やドラム式洗濯乾燥機、ロボット掃除機や自動調理家電などは、日々の家事の負担を大幅に軽減してくれる強い味方です。積極的に導入を検討しましょう。

ひとりの時間を確保する

気の合う2人で過ごす結婚生活は幸せな時間ですが、それと同じくらい、ひとりの時間を大切にすることも大切です。

特に薬剤師は、業務時間外にも勉強などの自己研鑽が必要な職種ですので、プライベートな時間を仕事のために使うことも多々あります。ひとりの時間をうまく確保し、自己研鑽を続けることで、薬剤師としてのキャリアアップにもつながります。

特に子育て中は、子どもと一緒に過ごす時間がどうしても多くなりがちです。だからこそ、たまにはパートナーに子どもを任せて、ひとりで外出するなど、意識的にリフレッシュする時間を作ることが大切です。心身ともにリフレッシュした状態で家庭や仕事に向き合うことが、仕事と家庭を両立させるコツといえるでしょう。

まとめ

薬剤師としてのキャリアと結婚は、どちらも人生における重要な選択肢です。

薬剤師特有の職場環境や働き方は、結婚のタイミングや結婚後の生活に影響を与えることも少なくありません。仕事と家庭を両立しながら幸せな結婚生活を送るためには、事前にしっかりと計画を立て、キャリアや家庭のバランスを考えた上で、適切なタイミングで結婚を決断することが大切です。

結婚相手の職種にこだわらず、広い視野で出会いを大切にし、夫婦で協力し合いながら薬剤師としてのキャリアを築いていくことが、幸せな家庭生活を実現するための鍵といえるでしょう。

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