薬剤師の残業はどれくらい?職場ごとの残業の原因と解決策

薬剤師の残業時間は比較的少ないといわれますが、職場や役職によっても異なります。残業が多く、ワークライフバランスが崩れていると感じる場合は、いくつかの対処法を試してみましょう。

本記事では、薬剤師の平均残業時間や残業を減らす方法などについて詳しく解説します。

薬剤師の平均残業時間は「9時間」

厚生労働省が公表している「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、薬剤師の平均残業時間は1ヶ月あたり9時間です。従業員1,000人以上の企業になると、平均残業時間は12時間に増えます。

また、役職によっては残業時間が多くなる傾向にあります。例えば、管理薬剤師や薬局長などは、一般薬剤師の業務以外にも従業員の管理や打ち合わせなどを対応する必要があるため、残業時間が多くなりがちです。

平均残業時間が9時間というデータはひとつの目安として見ておくと良いでしょう。

出典:「令和4年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)

【職場別】薬剤師の残業が多くなりやすい原因

薬剤師の残業が多くなる原因は、職場によってさまざまです。ここでは、職場別に残業が多くなる原因を見ていきましょう。

調剤薬局

調剤薬局は、主に2つの原因によって残業が多くなります。

1つ目の原因は、患者が多くなりやすい季節があることです。内科なら季節性の感染症が流行したタイミング、耳鼻科の場合は花粉症の季節になるタイミングで患者数が急激に増加します。患者の増加にともない、薬剤師の業務量も増えるため、残業時間が長くなりがちです。

2つ目の原因としては、閉局間際に来店した患者への対応があげられます。定時を過ぎてから服薬指導が始まれば、必然的に残業が発生してしまいます。

ほかにも、日中に忙しくて書けなかった薬歴を書いたり、患者の家に薬を届けたりするために残業が発生するケースもあるでしょう。

ドラッグストア

ドラッグストアで残業が発生する主な原因として、業務量が多いことや人手不足があげられます。

ドラッグストアでは、調剤業務のほか、レジ対応やPOP作成、売り場替え、品出しなど、さまざまな業務を任される場合もあります。業務時間内に仕事が終わらなければ、残業が長引くケースがあります。特に棚卸しの時期は、夜遅くまで作業することも珍しくありません。

なかには、慢性的な人手不足に陥っている店舗もあります。その場合、限られた人数で業務を進めることになり、残業時間が長くなってしまうことがあるのです。

病院

病院の場合、緊急入院の対応やカンファレンスなどによって、残業が発生しやすい傾向にあります。

特に急性期病院では、救急搬送されてくる患者がいるため、いつ残業が発生するかわからない状況で働くケースが多いです。

カンファレンスは、自分が中心となり患者の症例を集めてスライドを作成したり後片付けをしたりする必要もあるため、どうしても残業する必要性が出てきます。

また、病院では定時を過ぎてから院内で勉強会が行われることも少なくありません。病床数が多い病院では、勤務時間内に薬歴を書き終えられず、残業して書くこともあるでしょう。

なかには、薬歴を書く時間がなく、定時を過ぎてから書き始めることが常態化している病院も見られます。

製薬会社(MR)

MRは、残業が多くなりやすいことで知られています。常に薬に関する知識をアップデートできる姿勢が求められるため、勤務時間外に勉強会に参加することがあります。

勉強会を自分でセッティングすることもあり、準備のために残業することもあるでしょう。夜遅い時間に自社製品の紹介をすることもあります。

また、医療従事者へ医薬品の情報提供だけにとどまらず、セミナーの企画・開催や印刷物の制作といった広報業務も担っていることから、どうしても業務量が多くなりがちです。

医師や薬剤師の休日に合わせて勉強会やセミナーが行われることもあり、残業が増えるだけでなく休日まで削られてしまうこともあります。

残業が多い現状を解消するには?

ワークライフバランスを整えるためにも、必要以上の残業は避けたいものです。では、どうすれば残業時間の多さを解消できるのでしょうか。

残業を減らす方法としては、次の2つが挙げられます。

職場に掛け合って環境を改善する

まずは、残業を減らすための提案や相談をすることが大切です。

残業が慢性化している職場はほとんどの場合、業務量に対して人員が少ないことが課題としてあげられます。こうした状況を打破するためにも、従業員の採用計画を依頼したり、機械やAIの導入を提案したりして、業務の効率化を進めていきましょう。

また、業務量が多い場合は、タスクに優先順位をつけ、適切にスケジュール管理をすることによって、残業時間を減らせる可能性があります。

転職して環境を変える

現在働いている職場で残業を減らすことが難しい場合は、転職するのもひとつの手です。残業が常態化している環境を変えるのは決して簡単なことではありません。

一時的に残業が減っても、管理薬剤師や店長が変わることで店舗の運営スタイルが変わり、再び残業が多い職場に戻ってしまうこともあります。

どれくらい残業があるのか、どのような理由で残業が発生しているのかをよく確認し、納得できる環境の職場を見つけましょう。

薬剤師が残業の少ない職場を探すポイント

転職先を探す際、残業が少ない職場を見つけるためには、次の2つのポイントを押さえることが大切です。

給与が高すぎる求人や常に募集している求人情報は避ける

転職先を探す際、給与が高すぎる求人情報には注意しましょう。ほかの求人情報と比べて明らかに給与が高く待遇が良い場合は、慢性的な人手不足に悩まされている可能性があります。

人手不足になる原因はさまざまですが、残業が多いために薬剤師が離れていっている可能性も否定できません。

また、給与が高い求人情報はみなし残業代が含まれているケースもあるので注意しましょう。このほか、常に募集をかけている求人情報も要注意です。離職率が高く、その改善がおこなわれていないケースが考えられます。

転職エージェントを活用する

「残業が多く、プライベートの時間がなかなかとれない」「ワークライフバランスがとれた職場へ転職したい」という人は、転職エージェントの利用がおすすめです。担当のコーディネーターが残業の有無をしっかり調べて求人を紹介してくれるので、入社しないと分からないような職場の実態を把握することができます。自分一人で転職先探しをするよりも、希望条件に合った職場が見つかりやすくなるでしょう。

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まとめ

薬剤師の残業は、平均すると1ヶ月あたり9時間です。薬剤師で残業が多くなる原因としては、人手不足や患者の対応に追われることなどがあげられます。残業を少なくする方法として、人手不足の解消や業務効率化を図ることが大切です。しかし、一人の力で環境改善を行うのは簡単ではありません。

もし残業が多く、プライベートの時間をとることが難しいと悩んでいる人は、転職という方法もぜひ検討してみてください。

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