薬剤師の仕事は大きな責任が伴いますが、同時に多くの魅力や、やりがいを感じられる職業といえます。また、仕事への「やりがい」を見出すことは充実した日々を過ごすうえでとても大切です。
現在、薬剤師として働く方の中には、毎日が多忙でモチベーションが保てない、という人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、薬剤師の職場ごとにやりがいが得られる瞬間や、仕事のモチベーションが上がらないときの乗り越え方について詳しく紹介します。
【職場別】薬剤師が得られるやりがい
薬剤師は、病院やドラッグストアのみならず、さまざまな種類の勤務先があり、職場によって得られるやりがいは異なります。
ここでは、具体的に以下の5つの職場に分けて、薬剤師のやりがいについて紹介します。
・ドラッグストア
・調剤薬局
・病院
・製薬会社
・行政機関
ドラッグストア
ドラッグストアで働く薬剤師は、OTC医薬品や健康食品、サプリメントの販売をとおして、お客様の健康に役立つ製品についてアドバイスすることが主な仕事です。
特にOTC医薬品はさまざまな種類があるため、どの医薬品を買えばいいのか迷ってしまうお客様は多いものです。
その際、薬剤師はお客様の症状をヒアリングした上で、適切な医薬品を紹介します。自分の判断でお客様の症状に合った薬を選べることが、ドラッグストアで働く薬剤師のやりがいです。
とはいえ、お客様の症状や飲み合わせ、副作用を考慮しなければならないため、あえて特定の薬を推奨しない場合もあり、責任は重大です。
街中や近所にあるドラッグストアを頼りにしているお客様は多くいます。近年は病気にならないよう健康な状態を保つ「予防医療」や自身で健康を管理する「セルフメディケーション」の動きが顕著になっています。そのため、今後ドラッグストアの薬剤師はお客様から薬の使用方法だけでなく、健康管理に関するアドバイスも求められるでしょう。
お客様の日常に寄り添い、健康を守る大切な役目を果たせる点が、ドラッグストアならではのやりがいといえます。
調剤薬局
調剤薬局では、処方箋をもとに薬を正しく調剤し、患者に対して服薬指導や健康に関するアドバイスを行います。近年は在宅医療が推進されている背景から、高齢者の家や施設を訪問しているところも増えてきました。
調剤薬局は地域に根差しており、働く薬剤師は地域の患者にとって身近な相談相手となります。患者一人ひとりと向き合い、回復のサポートをするため、地域医療の最前線で活躍できる点が調剤薬局で働く魅力といえるでしょう。
地域連携薬局やかかりつけ薬剤師の配置など、より地域医療への貢献に力を入れている調剤薬局もあり、多様な専門性を活かせるのも特徴です。
病院
病院で働く薬剤師は、カルテで患者の状態を確認しながら、処方監査・調剤を行っていきます。
病棟業務では患者のベッドサイドまで出向くこともあり、コミュニケーション能力は欠かせません。
求められるスキルは高いものの、病院はチーム医療に携わることができる点が魅力です。医師や看護師などの職種と連携し、最適な医療ケアを提供していくため、薬剤師としてスキルアップできる環境にあります。
また、医師や看護師から薬に関する相談を持ちかけられることもあるため、常に最新の治療方法や薬剤の知識を勉強していく必要があります。
病院ではドラッグストアや薬局では扱っていないハイリスク薬にも触れる機会があるので、幅広い薬の知識を身につけられるのもメリットです。
製薬会社
製薬会社で働く薬剤師は、主に以下の職種で働くことができます。
・新薬開発職
・MR(医薬情報担当者)
・臨床開発
・学術研究院
・管理薬剤師
医療は必ずしも現場だけで成り立っているわけではありません。製薬会社のように医療現場を支えるのも、医療の一部なのです。
製薬会社では、新薬の開発や普及により、多くの人の命や健康に貢献できます。
例えば、開発メーカーであれば新薬開発に携わり、自分の力で医薬品を普及させることが可能です。また、MRは薬に関する知識を提供することで、医師や看護師からの信頼を得ることができます。
直接患者とかかわる機会は少ないものの、間接的に患者の健康に寄与していることに対して、やりがいを感じられます。
また、製薬会社は給与が高い傾向にあります。給与が高い分、仕事へのモチベーションも上がりやすいでしょう。
行政機関
自治体の保健所や検疫所で働く薬剤師は、主に担当地域の保健や衛生面の監督業務に携わります。例えば、飲食店への監査や、ドラッグストアや調剤薬局への立ち入り検査も、行政機関で働く薬剤師の仕事です。
患者など一般人に直接指導をする機会は多くありません。ただし、食品衛生や薬事衛生など、幅広い視点から健康の促進に貢献できる点が、行政機関ならではのやりがいです。
医療現場に立って患者に寄り添う働き方とは異なりますが、地域に暮らす人たちの安全を守る、重大な役目を担っています。
薬剤師がやりがいを感じられない現状を打破するには?
薬剤師として、どうしても働く意味を感じることができなくなった場合は、以下の方法を取ってみましょう。
・同僚や友人に相談してみる
・新しい目標を設定する
・別の職場への転職も視野に入れる
勢いで仕事を辞めて後悔することのないように、まずは現状を把握した上で行動に移すことが大切です。
同僚や友人に相談してみる
やりがいを感じられないと、仕事へのモチベーションが保ちにくくなることもあります。そんなときは、まずは周囲に相談してみましょう。
同期や先輩に相談すれば、同じ仕事をしている立場から具体的なアドバイスを得られるかもしれません。また、業種の異なる信頼できる友人からは、薬剤師とは異なる視点から新鮮な言葉を得ることもできます。
悩んでいるときは自分一人で抱え込まず、周囲に相談して新しいモチベーションを見つけていくことも大切です。
新しい目標を設定する
同じ業務の繰り返しで、やりがいを感じにくくなっている可能性もあります。そんなときは新しい目標を設定してみましょう。
例えば、専門資格を取得し、専門性を活かした働き方にシフトチェンジすることもやりがいの維持につながります。
今の働き方にモチベーションを感じないのであれば、新しいやりがいを探すことも大切です。
例えば、以下のような資格の取得がおすすめです。
・認定薬剤師
・専門薬剤師
・認定実務実習指導薬剤師・ケアマネジャー
・スポーツファーマシスト
別の職場への転職も視野に入れる
これらの対策をとっても、現在働いている職場にやりがいを感じることができないのであれば、転職を考えてみるのも良いでしょう。
自分で転職活動することに不安を感じる場合は、薬剤師専門の転職エージェント「ヤクジョブ」に登録してみてはいかがでしょうか。
ヤクジョブでは調剤薬局やドラッグストア、病院や製薬会社などを含む7,000社・40,000件以上の求人情報を扱っているため、自分の希望条件に合った職場を見つけやすいのが特徴です。
また、ベテランの専任コーディネーターが利用者一人ひとりにつき、二人三脚で転職活動を進めることが可能です。面接対策や履歴書の添削など、プロの目線から転職をサポートします。初めての転職活動もスムーズに進めることができるでしょう。
まとめ
薬剤師は、職場の環境によってやりがいや仕事内容が大きく異なります。薬剤師として働く意味を見いだせなくなったときは、周囲へ相談する、もしくは資格取得を目指すことをおすすめします。
それでもやりがいを感じられないのであれば、転職を検討してみましょう。
楽しく働くためにも、自分から積極的にアプローチして行動することが、やりがいを復活させるカギとなります。