「転職をしようかな」と考えた際、どのように転職先を探しますか?調剤薬局や病院のホームページを見て求人があるかどうか探す方もいるでしょうし、転職サイトや転職エージェントを検索する方もいるでしょう。
薬剤師の転職には、ご自身でさまざまな手続きをしなくてはならない転職サイトよりも、転職先探しから条件交渉までサポートが充実した転職エージェントがおすすめです。
今回は、転職エージェントがおすすめな理由や転職エージェントの選び方、転職を成功させるコツなど、転職を検討中の薬剤師が転職エージェント選びで知っておきたいことをご紹介します。
転職エージェントとは?転職サイトとの違いは?
「転職サイト」と「転職エージェント」は、まったく異なるものです。違いを知り、ご自身に合う方法で転職活動を行いましょう。
転職サイト
転職サイトは、さまざまな求人情報を掲載しているサイトのことです。勤務条件や給与など、おおまかな情報を見ることができます。
求人情報の検索・比較検討から、応募書類の提出や面談日程の調整まで、ご自身ですべて行わなければなりません。ご自身のペースでゆっくりと転職活動をすすめられることはメリットでもありますが、転職活動が長期化したり、企業側の情報があまりわからないまま転職することになったりする点はデメリットといえるでしょう。
転職エージェント
一方、転職エージェントは、一人ひとりに担当のキャリアアドバイザーがつき、二人三脚で転職をサポートしてくれるサービスです。
電話やメールなどで希望の条件を伝えれば、マッチしそうな求人を選んでくれるため、効率よく転職活動を行うことができます。面談日程の調整や給与交渉など、手間のかかることを引き受けてくれるため、就業しながらでも転職活動を行いやすいです。
職場の雰囲気や子育て世代がどのくらいいるかなど、内部の状況も教えてもらえることがあり、「こんなはずじゃなかった」というミスマッチを減らせます。
薬剤師転職エージェントを利用するメリット
薬剤師が転職エージェントを利用することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。代表的な5つのメリットを紹介します。
希望条件に合う求人を紹介してもらえる
細かい条件やその中での優先順位なども考慮して転職先を提案してもらえるため、ご自身で探すよりも希望条件に合うものが見つかりやすいです。
キャリア相談ができる
「具体的な希望は固まっていないけれども、転職で環境を変えたい」という方も多いです。そういった場合は、キャリアアドバイザーがキャリア形成についても相談に乗ってくれます。話しているうちに考えがまとまり、どのような職場が良いのか、今後身につけるべきスキルは何かなどが明確になるでしょう。
書類作成のサポートや面接対策などが受けられる
数多くの転職をサポートしているプロの目線で、応募書類の添削や面接対策をしてもらえます。書類の内容や面接での受け答えを、すべての企業で同じ内容にしていませんか?希望の転職先から内定をもらうためには、企業の特色やニーズに合わせてアピールを変えることも必要です。
応募書類は、これまでの経験や自身の能力を伝えるために重要なものです。ご自身では「当たり前」と思っていることも、転職ではアピール材料になることがあります。
面接対策をせずに挑んでいる方も少なくありません。ですが、ある程度答えを準備しておかなくては、うまく答えられなかったり、アピールを十分にできなかったりと悔いが残る結果になるかもしれません。
転職エージェントを活用すれば、アドバイザーと納得いくまで練習できるので、自分の熱意や魅力が伝わるような受け答えをしっかり準備できます。
労働条件を交渉してもらえる
給与や手当、役職についてなど、ご自身では言いにくいような労働条件について交渉してもらうことができます。
転職は、年収をアップさせるチャンスです。とはいえ、給与や手当の交渉は言い出しにくい、どこまで主張して良いものか迷うという方がほとんど。転職エージェントを活用すれば、経験年数やこれまでの経歴、持っている資格などを踏まえ、キャリアアドバイザーが労働条件を交渉します。
ご自身で行うよりも、ストレスなく転職活動ができるでしょう。
転職後もフォローを受けられる
転職したものの、当初の条件と違うということもあります。「残業はないと言っていたのに、毎日ある」「休みが取りにくい」などは比較的よくあるトラブルです。何か行き違いがあった可能性もあるので、労働条件について、エージェントを介して企業に確認してもらいましょう。
薬剤師転職エージェントの選び方
では、薬剤師転職エージェントを選ぶ際には、どんなポイントに注目すれば良いでしょうか?
求人数
転職エージェントを選ぶ際は、たくさんの求人を持っているエージェントを選びましょう。とくに、譲れない条件が複数ある場合には、少しでも多くの求人から自分のニーズに合うものを選ぶべきです。また、インターネット上の検索では出てこない「非公開求人」もあります。非公開求人では即戦力が求められる傾向にあり、求められる経験や能力が高いですが、キャリアアップを目指す方には特におすすめです。
得意な職場
転職エージェントによって、得意分野が違います。調剤薬局、病院、ドラッグストアは、同じ薬剤師でも仕事内容が大きく異なるため、転職エージェントはメインとする業種を決めて求人を扱っていることが多いです。どの業種の求人を多く取り扱っているのか、確認してからエージェントを決めましょう。
得意な雇用形態
正職員だけでなく、派遣やパートの求人を多く取り扱っているエージェントもあります。ご自身が希望する雇用形態を得意とするエージェントを選びましょう。
たとえば、正職員の求人を出している企業にパートタイムの交渉をして成功する場合もありますが、多くはありません。希望の雇用形態を多く扱っているエージェントを活用しましょう。
薬剤師転職エージェントへの登録から就職内定までの流れ
実際に転職エージェントを活用して転職活動をする際の流れをご紹介します。
- サービス登録
まずはサービスに登録しましょう。 - キャリアアドバイザーとの面談
電話やメールで、キャリアアドバイザーと面談をします。 - 求人紹介
数日程度で、条件に合うと思われる求人を紹介されます。希望に合わないと思った場合には、条件を変更して再度探すということを繰り返します。 - 応募
履歴書や職務経歴書を準備し、応募します。キャリアアドバイザーが企業との連絡を担います。 - 面接
エージェントによっては、面接当日にキャリアアドバイザーが付き添い、その日のうちに条件交渉なども済ませてくれます。 - 面接後のフォローアップ
面接の合否に関わらず、フォローアップが行われます。内定が得られた場合は、企業がどのような点に期待して採用となったのか、面接での感触などが伝えられます。残念ながらご縁がなかった場合でも、次の面接に活かすための改善点などを共有することになります。
薬剤師転職エージェントを利用して転職を成功させるコツ
薬剤師転職エージェントをうまく活用するためのコツを4つご紹介します。
優先順位を決める
希望の条件はいくつもあると思いますが、優先順位をつけましょう。給与・職場の種類・雇用形態・勤務時間・通勤条件などの中から、絶対に譲れないものを1〜数個以内に絞るのがおすすめです。
職務経験や資格を正しく伝える
職務経験や取得している資格については、正確に伝えましょう。少しでも良い条件で転職したいという気持ちはわかりますが、転職後に実力以上の成果を求められて辛くなる場合があります。また、故意に経歴や経験を詐称してしまうと、転職エージェントとの信頼関係が崩れ、求人を紹介してもらえなくなるかもしれません。
定期的にキャリアアドバイザーに連絡を取る
キャリアアドバイザーには、定期的に連絡を入れましょう。
キャリアアドバイザーは常に複数の求職者を並行して担当しているため、転職者の多い時期などはどうしても1人1人へのサポートが手薄になってしまいがちです。こまめに連絡を入れることで、熱意があると評価され、良い求人を紹介してもらえるかもしれません。
条件が厳しすぎて求人探しに時間がかかっていることもあるため、あまり連絡が来ないときには状況を確認してみてください。
提出書類の作成や面接のサポートを受ける
職務経歴書などの提出書類は、なるべく早めに仕上げ、キャリアアドバイザーのチェックを受けてください。企業のニーズと求職者の強みがマッチするように、アドバイスをもらえます。面接もある程度答えを用意し、練習しておきましょう。
薬剤師転職エージェントを利用する際の注意点と対策
薬剤師転職エージェントの利用にはさまざまなメリットがありますが、注意すべき点もあります。2点について対策をお伝えします。
キャリアアドバイザーと相性が合わないことがある
担当者の指名は基本的にできないため、相性が合わない場合もあります。転職活動がうまく進められない、希望を汲み取ってもらえていない等、不安を感じられた場合は、早めに担当キャリアアドバイザーの変更希望を出しましょう。
連絡が多すぎる場合がある
連絡はメールや電話など希望に合わせて行われますが、急ぎの要件は電話となることもあります。やり取りの頻度について、「多すぎて煩わしい」「電話は嫌なのに」など、頻度や方法について適切と感じられない場合があるかもしれません。
転職活動の主役はご自身ですので、ストレスや不安なく進められるよう、遠慮なく要望を伝えることが大切です。連絡方法、連絡を避けてほしい時間帯などはあらかじめ伝えておきましょう。
薬剤師転職エージェントの利用がおすすめな人・あまりおすすめできない人
転職エージェントを利用するかどうか、悩んでいる…そんな方に向けて、転職エージェントの利用が向いている人、不向きな人についてご紹介します。
薬剤師転職エージェントの利用がおすすめな人
・ 転職活動に慣れていない
初めての転職など、慣れていない方は、キャリアアドバイザーにお任せできる転職エージェントがおすすめです。
・ 時間に余裕がない
すぐに転職したい、働きながら転職したいなど、時間がない場合には転職エージェントがよいでしょう。キャリアアドバイザーにある程度任せて転職活動ができるため、自分が働いている間も適した求人を見つけてくれます。
・ 業界情報や市場動向をよく知らない
病院から調剤薬局への転職、正職員から派遣への転職など、業種や勤務形態が変わるときには転職エージェントを活用しましょう。市場動向をよく知らないことで、ご自身にとって損になる転職をしてしまうかもしれません。
・ キャリア相談をしたい
キャリアについてあまりはっきりとした道筋がないという方は、キャリアアドバイザーに相談してみませんか?目標が明確になれば、より良い転職に繋がります。
・ 自分の市場価値を知りたい
ご自身の経験や取得資格にどのくらいの価値があるのか、知りたいと思っている方は、キャリアアドバイザーから客観的な意見をもらってみるのが良いのではないでしょうか。市場動向として、どのような経験のニーズが高いのかなども知ることができます。
薬剤師転職エージェントの利用があまりおすすめできない人
以下のような方は、まずはご自身で転職活動を進めても良いかもしれません。
・ マイペースに転職活動を進めたい
転職エージェントを利用すると、良くも悪くもスピーディに進んでいきます。「長期間かかっても良いので、ゆっくり自分で吟味して決めたい!」という方は、転職サイトなどを活用した方が満足のいく転職活動ができることがあります。
・ 転職先が絞り込めている
転職したい企業が決まっている場合には、必ずしも転職エージェントを活用する必要はありません。
まとめ
今回は、薬剤師が転職活動を成功させるコツや、転職エージェントの活用方法などについてご紹介しました。転職活動に慣れていない方、少しでも良い条件で転職したい方は、サポートの充実した転職エージェントを活用してみてはいかがでしょうか。
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