ドラッグストアは業績好調で給料が比較的高い職場のため、薬剤師に人気の就職先です。しかし、「ドラッグストアから転職したい」と考える薬剤師も実は少なくありません。
薬剤師が転職することは珍しくないのですが、転職理由を明確にしないまま次の職場を選んでしまうと、失敗するリスクが高まります。
そこで今回は、薬剤師がドラッグストアから転職したいと思う理由を深掘りしながら、どこに転職すればどのような悩みを解決できるのかについて詳しく見ていきましょう。
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一度ドラッグストアに就職したからといって、異業種・異業界へ転職できないということはありません。経験を活かしてステップアップすることも可能です。
業界によっては狭き門になる場合もありますが、転職したい理由や今後のキャリア目標、ご自身の強みなどをしっかり深掘りして準備を行えば、希望に沿った転職を叶えやすくなります 。
ドラッグストアの離職率は?
ドラッグストアは新卒薬剤師の就職先として非常に人気が高いです。一方で、 企業によって異なりますが、離職率は10%前後と公表している企業が多く、転職する人も決して少なくないことがわかります。
長く勤めるのが正解というわけではありませんので、もし現在の職場に違和感や不満があるのであれば、転職を検討しても良いでしょう。
薬剤師がドラッグストアから転職したいと考える理由
ドラッグストアから転職したいと考える理由として、主に次のようなものが挙げられます。
● 人手不足で忙しい・サービス残業が多い
● 休みが思うように取れない
● シフト(勤務時間)が不規則
● キャリアに対する不安
● 売上や利益を意識しなくてはならない
● 体力的にツラい
● クレーム対応がキツい
● 毎日決まった仕事の繰り返しで飽きる
● 人間関係のストレス
● 薬剤師としてスキルアップしづらい
それぞれ、詳しくみていきましょう。
給料が上がりにくい
ドラッグストアは、一般的には新卒時の給与は高い一方で、昇給率が低い傾向にあります。20代〜30代のうちはドラッグストアの平均年収の方が高いのですが、40代以降では調剤薬局や病院の方が上回るケースも多いです。
他の業種で薬剤師として働く知人の給与を知ったのをきっかけに転職を考えた、というのが転職理由の1つになっています。
人手不足で忙しい・サービス残業が多い
正社員として働いていると、残業に悩まされることもあるでしょう。残業ありきで「みなし残業(固定残業)制度」を取り入れているところも多いです。
大手のドラッグストアでは、育休取得後の時短勤務を充実させているところが増えておりメリットにも見えますが、一方でフルタイムの薬剤師に負担がのしかかりやすいという側面もあります。
休みが思うように取れない
ドラッグストアは基本的に年中無休のため、土日でも祝日でも関係なく出勤になります。平日が休みになることが多く、家族と休日のタイミングが合わずにすれ違ったり、友人となかなか会えなかったりすることに悩む薬剤師も多いものです。
とくに調剤併設店で一人薬剤師をしている場合は、店舗を任されている責任が重いうえ、休みの融通がききづらい傾向にあります。
シフト(勤務時間)が不規則
ドラッグストアのシフトは基本的に不規則です。近頃では早朝から夜遅くまで営業している店舗が増えており、早番と遅番とで勤務時間が大きく異なります。たとえば、早番だと8時から出勤、遅番だと14時から出勤ということもあるのです。
遅番の翌日に早番を組まれ、睡眠時間を十分に確保できないこともあります。勤務時間が不規則なため、生活リズムが乱れて体調を崩してしまう薬剤師もいるでしょう。
キャリアに対する不安
調剤専門で勤務している場合は薬剤師の知識や技術を磨くことができますが、OTC専門店で働いている場合は、薬剤師の職能とは関係のない業務が一日のほとんどを占めます。なかでもよくあるのが、レジ業務や品出しです。
薬剤師の職能を発揮する機会が少ないと、将来に対して不安になったり業務への物足りなさを感じたりすることがあります。
売上や利益を意識しなくてはならない
ドラッグストアは小売業のため、売上や利益を意識して業務を行わなければなりません。
「患者のためではなく、売上や利益のために働くのがツラい」と感じ、転職を考えることもあるでしょう。薬剤師としての知識やスキルよりも、店舗の売上や利益をいかに確保するのかを求められることが多いのです。
体力的にツラい
「体力的にツラい」「こんなきつい仕事を定年まで続けられる気がしない」と思ってしまうことが、ドラッグストアではよくあります。立ち仕事なので、休憩時間以外は座る時間がほとんどありません。
ペットボトルのケースや、重い医薬品がいくつも入った折りたたみコンテナを運ぶときに、腰を痛めてしまうこともあります。品出しなど力仕事もあるため、ドラッグストアの仕事は想像以上に体力面でツラいのです。
クレーム対応がキツい
薬剤師業務だけに専念できるわけではないため、クレーム対応に精神的に疲れてしまったという理由で転職を検討される方もいます。「他の店ではもっと安かった」「購入したOTC医薬品が効かなかった」など、さまざまなクレームに対応しなければなりません。
1つ1つのクレームを正面から受け止め過ぎてしまうと精神的にキツくなるため、適度に受け流すスキルも必要です。
毎日決まった仕事の繰り返しで飽きる
ドラッグストアは、店舗によってはほとんど処方箋がこない、あるいは決まったパターンの処方箋しかこないということもあります。そのため、毎日決まった品出し業務やレジ作業の繰り返しとなってしまい、業務に慣れれば飽きを感じるという方も少なくありません。
単純作業が苦手な方、毎日違った業務をしたいという方、薬剤師業務もたくさんしたいという方にとっては、変化が少なく不満が溜まることもあるでしょう。
人間関係のストレス
調剤併設店やOTC専門店には、薬剤師以外にもパートや学生アルバイト、店長などさまざまな立場のスタッフがいます。年齢層も幅広く、10代の方もいれば定年間際の方もいるため、人間関係でストレスを感じることもあるでしょう。
薬剤師同士でコミュニケーションを取る場合とは、異なる配慮が求められます。薬剤師としての意見を伝えても理解してもらえないことがあり、自分の思いが伝わらないことにモヤモヤしてしまう場合もあります。
薬剤師としてスキルアップしづらい
処方箋が少ない・バリエーションがないドラッグストアの場合は、薬剤師としての知識や技術を高めるのは難しい場合もあります。
最近では麻薬や注射薬を扱う調剤薬局も増えてきているため、比較すると薬剤師として活用する知識の幅が狭くなりがちです。資格の取得なども難しいかもしれません。
「何のために仕事をしているのかわからない」「今やっていることに意味を見出せない」と感じ、モチベーションが維持できない方もいます。
スキルアップができないまま 年齢を重ねてしまうと、転職の際にアピールできるポイントが少なく、苦戦してしまうことが考えられます。
ドラッグストアから転職したら年収はどうなる?
ドラッグストアから他の業種へ転職する場合、年代によっては年収が下がる可能性があります。20代では、病院や調剤薬局の場合と比較して、ドラッグストアの年収が高いためです。30代・40代はあまり変わりませんが、50代以降は病院が最も高くなる傾向にあります。
ドラッグストアの基本給と平均年収
ドラッグストアは、病院や調剤薬局と比較し、初任給が高い傾向にあります。ドラッグストアの平均年収は540.4万円 (ヤクジョブ調べ)であり、保険薬局(一般薬剤師)の平均年収約472万円と 比較すると、高めの水準です。
ただし、定年まで勤めた場合の生涯年収にはあまり差がないという報告もあり、他の業種へ転職したとしても、生涯年収が大きく低下するとは考えにくいでしょう。
転職先別の年収比較
ドラッグストアは初任給が高いことで知られていますが、転職を考える上では生涯にわたる年収推移を考えることが重要です。以下の表は、主な転職先との平均年収を比較したものです。
職種 | 平均年収 | 特徴 |
病院薬剤師 | 約550万円 | 公的機関も多く給与表が明確。専門性を高めることで手当がつき、年収が上がる可能性がある。 |
保険薬局(一般薬剤師) | 約472万円 | 経験やスキルに応じて着実に昇給しやすい。管理薬剤師になると年収が大幅にアップする。 |
保険薬局(管理薬剤師) | 約721万円 | |
ドラッグストア | 350~700万円 | 初任給は高い傾向にあるが、役職に就かないと昇給は緩やか。店長や管理職になると高収入が期待できる。 |
企業 | 245~900万円 | 職種や企業規模により幅が広い。成果主義が強く、実績次第で高年収を目指せる。 |
(ヤクジョブ調べ)
ドラッグストアからの転職では、一時的に給料が下がる可能性もありますが、長期的な視点で見ればキャリアアップと共に収入増が見込める求人も多くなっています。
年齢・経験による年収の変化
薬剤師の年収は、年齢や経験年数によって大きく変動します。
2024年の厚生労働省の賃金構造基本統計調査で、薬剤師の年収の年齢と経験年数の関係を調べると、以下のようになっていました。
【薬剤師の年収:年齢と経験年数】
0年 | 1~4年 | 5~9年 | 10~14年 | 15年以上 | |
20~24歳 | 386.9万円 | ─ | ─ | ─ | ─ |
25~29歳 | 387.1万円 | 480.1万円 | 513.2万円 | ─ | ─ |
30~34歳 | 412.9万円 | 500.6万円 | 540.0万円 | 601.0万円 | ─ |
35~39歳 | 450.3万円 | 587.6万円 | 534.2万円 | 596.4万円 | 589.6万円 |
40~44歳 | 470.0万円 | 532.0万円 | 766.4万円 | 597.4万円 | 612.0万円 |
45~49歳 | 677.1万円 | 614.3万円 | 559.5万円 | 596.2万円 | 655.9万円 |
50~54歳 | 515.1万円 | 582.7万円 | 591.2万円 | 609.1万円 | 737.0万円 |
55~59歳 | 615.1万円 | 842.6万円 | 713.3万円 | 581.0万円 | 706.5万円 |
60~64歳 | 505.5万円 | 589.0万円 | 674.2万円 | 540.0万円 | 677.8万円 |
65~69歳 | 443.1万円 | 375.1万円 | 562.2万円 | 771.8万円 | 561.7万円 |
70歳~ | 360.0万円 | 441.9万円 | 238.4万円 | ─ | 470.8万円 |
ドラッグストアは20代のうちは他の業種より高い給与水準にありますが、昇給カーブが比較的緩やかなため、30代以降は経験を積んだ調剤薬局や病院の薬剤師に追い抜かれるケースも少なくありません。
特に専門性や管理職経験を積むことで、40代、50代では年収に大きな差が生まれることがあります。ご自身の年齢とキャリアプランを照らし合わせ、将来の収入を見据えた転職を検討することが大切です。
参照元:e-Stat令和6年賃金構造基本統計調査「職種(小分類)、年齢階級、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
地域による年収の違い
薬剤師の年収は、勤務する地域によっても大きく異なります。一般的に、薬剤師が不足している地方では都市部よりも給与水準が高い傾向にあります。
例えば、2024年の厚生労働省賃金構造基本統計調査によると、熊本県761.8万円、広島県715.7万円、山口県687.9万円でした。
首都圏の平均年収が東京都609.3万円、神奈川県572.0万円、千葉県631.9万円と600万円前後であるのに対し、地方では700万円を超える求人が見つかることも珍しくありません。
UターンやIターン転職を考えている方は、地方の給与相場を調べてみると思わぬ好条件の職場に出会える可能性があります。転職活動の際は、全国の求人情報を視野に入れて検討してみましょう。
参照元:e-Stat令和6年賃金構造基本統計調査「都道府県、職種(特掲)、性別、きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
ドラッグストアから転職するメリットとは?
ドラッグストアから転職すると得られるメリットとして、以下のようなものがよく挙げられます。
● 薬剤師としての業務に集中できる
● キャリアアップが見込める
● ノルマを気にしなくても良い
それぞれ、詳しく解説していきます。ご自身にとって魅力的なメリットがあるか、検討材料にしてみてください。
労働時間が短くなる
ドラッグストアは残業が多く、忙しい店舗が多いです。 勤務の時間が一定でないことや、休みにくいことへのストレスも、転職理由に多く挙げられます。ドラッグストアからの転職により労働時間が短くなり、プライベートの時間を確保できるようになる可能性は高いでしょう。
薬剤師としての業務に集中できる
ドラッグストアでは、薬剤師としての調剤や患者指導以外にも、品出しやレジ打ちなど、さまざまな業務があります。そのため、薬剤師としての知識やスキルを十分に磨けないとお悩みの方も少なくありません。
ドラッグストア以外の業種に転職することで、薬剤師としての業務に集中して取り組めるようになります。
キャリアアップが見込める
ドラッグストアの店舗では、処方箋の取り扱いが少ない・バリエーションが少ないなどの理由から「思うように薬剤師としてのキャリアが積めない」とお悩みになる方がおられます。
キャリアアップを目指すのであれば、思い切って転職するのも1つの選択肢です。
ワークライフバランスの改善
ドラッグストアの不規則なシフトや土日祝日の出勤は、プライベートとの両立を難しくさせる一因です。企業や病院、または土日定休の調剤薬局へ転職すると、カレンダー通りの規則正しい生活を手に入れやすくなります。年間休日数が120日以上の求人も多く、有給休暇の取得率も高い傾向にあるため、家族や友人との時間を大切にしたい方には大きなメリットです。就業時間が安定し、心身ともにゆとりのある生活を送れるようになるでしょう。
専門性を高められる環境
「薬剤師としてより専門的な知識を身につけたい」と考えるなら、専門性を追求できる環境への転職がおすすめです。例えば、がん専門薬剤師や感染制御専門薬剤師など、特定の領域に特化した資格取得を支援している病院や薬局があります。
このような職場では、最新の医療に触れながら専門的な仕事内容に取り組め、大きなやりがいを感じられるでしょう。ドラッグストアでの経験では得難いスキルを習得し、薬剤師としての市場価値を高めることが可能です。
ノルマを気にしなくても良い
ドラッグストアの場合、OTC医薬品やプライベートブランドの健康食品類などの販売ノルマなどにより、患者第一で考えることができない一面もあります。
ノルマを気にせず純粋に医療に取り組みたいのであれば、ドラッグストアから転職するのも良いでしょう。
ドラッグストアから転職するデメリット・注意点
ドラッグストアから転職する場合、メリットだけでなく、デメリットや注意点もあります。
● かえって休みが取りにくくなる場合がある
● 人間関係に悩む場合がある
● 転職に活かせるスキルが少ない
● お薬お渡しまでのスピードが求められる
こうしたデメリットも十分考えた上で、転職を考えましょう。
収入が減る場合がある
20代や30代の若手薬剤師の場合、一般的にドラッグストアが最も給与が高いです。調剤薬局や病院へ転職すると、一時的に収入が減る可能性はあるでしょう。昇給率やボーナスなど、長期的・総合的に考える必要があります。
かえって休みが取りにくくなる場合がある
薬剤師の人数が少ない職場や、時短勤務の薬剤師が多い職場に転職すると、かえって休みが取りにくくなる場合があります。
転職活動の際には、実際にどの程度の有休消化率なのか、希望通りに休みを取れるシステムなのかなど、具体的に確認しておくことをおすすめします。
人間関係に悩む場合がある
どのような職場であっても、多かれ少なかれ人間関係の悩みは出てきます。
転職したばかりの頃は、まだ人間関係・信頼関係が築けていないため、「相談できる人がいない」「同僚が冷たく感じる」など悩んでしまうことが多いです。
環境や人間関係の変化が苦手な方は、馴染むまでツラいと感じてしまうかもしれません。
環境変化への適応が必要
ドラッグストアから他業種へ転職すると、業務内容や職場の文化が大きく変わるため、新しい環境への適応が求められます。特に、調剤業務が中心の薬局や病院では、スピードと正確性がより厳しく問われるでしょう。
最初は覚えることも多く、人間関係を新たに作らねばならないことにストレスを感じるかもしれません。しかし、これはキャリアチェンジにおいて誰もが通る道です。焦らず、一つ一つの業務を着実に身につけていく姿勢が大切です。不安な場合には事前に同職種についている友人や知り合いから情報を得るほか、転職エージェントに相談しておくと良いでしょう。
転職に活かせるスキルが少ない
ドラッグストアでOTC医薬品を中心に扱っていた方や、決まった内容の処方ばかり対応していた方などは、調剤薬局や病院へ転職するときにアピールできるスキルが少ない場合があります。
薬剤師としての業務がメインになるような転職を目指すのであれば、転職後に学ばなければならないことが多くなり、苦労することもあるかもしれません。
お薬お渡しまでのスピードが求められる
ドラッグストアの場合、処方箋を受け取ってからお渡しするまでの間に買い物をしている患者も多いため、「急いでほしい」と言われることは少なかったかもしれません。
しかし、 調剤薬局や病院の場合、患者本人や看護師などから「早く薬を渡してほしい」と催促されることが多いです。スピード感が求められ、ゆっくり調べるなどの余裕はないこともあります。
ドラッグストアからの転職をおすすめしたい人の特徴
ドラッグストアからの転職をおすすめしたい人には特徴があります。
● ワークライフバランスを重視する方
● キャリアアップを目指す方
● 患者さんとじっくり向き合いたい方
自分の今の勤務に疑問を持っている方は、転職を検討しても良いかもしれません。
薬剤師として専門性を高めたい方
専門性を追求したいなら、病院や特定の診療科目に特化した薬局が最適です。がん、緩和ケア、感染症などの専門・認定薬剤師資格の取得を支援する求人を探しましょう。高度な薬学管理やチーム医療に携わることで、薬剤師としての価値を飛躍的に高められます。
ワークライフバランスを重視する方
プライベートの時間を確保したい方には、企業(製薬会社、医薬品卸など)や公務員、もしくは土日が定休の調剤薬局がおすすめです。
年間休日数や残業時間の実態を求人票でしっかり確認し、定時で帰りやすい職場を選ぶことがポイントです。転職エージェントを利用すると、求人票に掲載されていない詳しい情報を得られる場合もあります。
キャリアアップを目指す方
将来的に管理職や教育担当を目指すなら、明確なキャリアパス制度がある大手調剤薬局や病院が適しています。ドラッグストアで培ったマネジメント経験やコミュニケーション能力を活かし、チームをまとめるリーダーとしての活躍が期待できるでしょう。
患者さんとじっくり向き合いたい方
売上よりも患者さんとの対話を重視したい方には、地域密着型のかかりつけ薬局や在宅医療に注力している薬局が向いています。一人ひとりの患者さんに時間をかけて服薬指導や健康相談に対応することで、地域医療に貢献するやりがいを感じられます。
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ドラッグストアからの転職におすすめの転職先
ドラッグストアから転職するにあたって、次のような転職先があります。それぞれの特徴やメリットをご紹介します。
1:調剤薬局
2:病院
3:ほかのドラッグストア
4:OTCメーカーの学術職
5:医薬品卸企業
6:公務員薬剤師
7:医薬情報担当者(MR)
8:治験コーディネーター
1:調剤薬局
調剤薬局は、転職先として人気があります。調剤や服薬指導など、薬剤師としての業務に集中できるほか、処方内容のバリエーションもドラッグストアより幅広くなり、飽きずに業務ができるでしょう。在宅医療に力を入れている調剤薬局も増えており、注射薬を扱う機会もあると考えられます。
休日は固定の場合が多いこと 、患者本位の業務ができることなどがメリットです。また、スタッフは基本的に薬剤師や調剤事務のため、話が通じやすく人間関係のストレスが少ない傾向にあります。ドラッグストアよりは早朝や夜遅くの業務も少ない傾向にあるため、生活リズムを整えたい場合も良いでしょう。
しっかり休みをとりつつも薬剤師としてキャリアアップしたい方、ノルマに縛られず患者のための業務をしたい方などにおすすめです。
2:病院薬剤師の仕事と特徴
ドラッグストアや調剤薬局と大きく異なり、入院患者へより密な関わりができること、他職種と連携しながら業務できることが特徴です。注射薬も必ず扱うことになるため、仕事の幅が大きく広がります。病院によっては、治験業務に携わる機会もあると考えられます。
病院薬剤師でなければ取得できない資格も多いため、薬剤師として知識をつけキャリアアップしたいという方にはぴったりです。入院患者でも、OTC医薬品やサプリメントの持ち込み・使用の可否を尋ねられることがあるため、OTC医薬品を扱ってきた経験も無駄にはなりません。
自宅退院後に必要となる管理方法の調整・トラブルの予測など、院外で処方箋を扱ってきた経験が活きる場面もあるでしょう。
病院によっては土日や夜間のシフトがあり体力的にはキツくなる場合もありますが、薬剤師としてのキャリアアップを目指す方 、チーム医療に携わりたい気持ちの強い方にはおすすめです。
具体的な仕事内容は、調剤業務に加え、病棟でのカルテなどからの情報収集、投与後の薬学的管理、カルテへの記録、服薬指導、注射薬の混合調製、医薬品情報管理(DI業務)など多岐にわたります。
「チーム医療」では医師や看護師などとのカンファレンスで専門的な意見を求められることもあり、薬剤師としての知識を最大限に活かせる環境です。最先端の医療に触れながらドラッグストアでは得難い実践的スキルを磨けるため、大きなやりがいとスキルアップの機会があるのが、病院薬剤師の大きな魅力でしょう。
3:ほかのドラッグストア
同じドラッグストアでも、企業によって働きやすさはさまざまです。
基本的な業務内容は大きく変わらないことが多いですが、薬剤師には調剤業務だけに専念させる企業・店舗もありますので、ご自身が希望するタイプのドラッグストアを選べばストレスなく働けるでしょう。労働時間やシフトについても、希望に近いドラッグストアがあるかもしれません。
業務内容を全く新しく覚え直す必要はないため、これまでに培ってきたノウハウも活かすことができ、スムーズに転職活動が進められます。また、大きく業務内容を変えないまま、人間関係を一新できることもメリットです。
キャリアを活かしつつ、環境や人間関係を変えたいという方は、ほかのドラッグストアを検討してみてください。
4:OTCメーカーの学術職
あまり門戸は広くありませんが、OTC医薬品を販売するメーカーの学術職という道もあります。
薬剤師としての勤務経験から、実際にお客様のニーズや疑問点に対する理解度が高いのは大きな強みです。
また、競合商品の情報も収集・管理して、企業内で勉強会を行ったり、パンフレットを作成したり といった事務作業もあります。力仕事は苦手だけど、文章作成やPC作業は苦にならない、という方にもおすすめです。
医療関係者や消費者からの自社製品に関する問い合わせ対応、営業担当(MR)への学術的サポートも重要な仕事になります。比較的給料は安定しており、ドラッグストアの一般薬剤師と同等か、それ以上の給与が期待でき、経験や能力、企業の規模によってはさらに高い年収を目指すことも可能です。
ドラッグストアで培った「顧客のニーズを汲み取る力」や「分かりやすく説明するコミュニケーション能力」が最大の強みになります。学術部門内で経験を積み、チームリーダーやマネージャーへと昇進するのが一般的なキャリアパスです。
ほとんどの企業は休日が固定されており、プライベートの予定を立てやすい点もメリットといえます。無理なく、長く続けやすい職種です。
プライベートブランドのOTC医薬品に力を入れている企業もあるため、求人のタイミングが合えばチャレンジしてみるのも良いでしょう。
5:医薬品卸企業の仕事内容と魅力
こちらも求人の多い業界ではありませんが、医薬品卸企業で薬剤師として働く道もあります。
品質管理や、医療機関からの問い合わせ対応(DI業務)、安全性や有効性に関する情報の収集や提供(PMS業務)など、さまざまな業務に関わる仕事です。地域の医療機関へ遅滞なく安定的に医薬品を届けるため、しっかりとした在庫管理・品質管理が求められます。
災害時の医薬品供給のために都道府県と連携したり、備蓄薬品の選定・補完管理をしたりといった公共の利益のための業務もあり、病院や調剤薬局とは違ったやりがいも感じられるでしょう。
管理業務が得意な方、社外との連絡・連携が苦にならない方は、向いているのではないでしょうか。
働き方の面では、基本的に土日休みで夜勤もなく、残業も少ない傾向にあるため、ワークライフバランスを重視する方にとって大きな魅力です。年収はドラッグストアに比べるとやや落ち着く傾向にありますが、安定した環境は代えがたいメリットと言えるでしょう。
患者さんと直接関わることはないため、接客対応から離れたいと考える一方、正確な事務処理や管理業務に集中したい方には最適な職場です。
6:公務員薬剤師
薬剤師の資格があれば、保健所や衛生検査場などで公務員として働くこともできます。ただし募集が少なく、年齢制限を設けているところも多いため、注意してください。
疾病の予防・健康増進、食品衛生、環境衛生などさまざまな視点から、地域住民の健康のために業務を行う点が、他の職種と大きく異なります。「薬剤師として公衆衛生に寄与したい」という思いのある方は、公務員薬剤師を検討してみませんか?
公務員なので、安定性が高いこと、福利厚生が充実していることなど、多くのメリットがあります。ドラッグストアでの福利厚生や勤務形態に不満があった方にも、公務員薬剤師はおすすめと言えるでしょう。
異動や転勤を命じられる可能性がある、転職にあたり試験を受ける場合もあるなど、デメリットも踏まえた上で、興味のある方は挑戦してみてはいかがでしょうか。
7:医薬情報担当者(MR)
製薬会社に所属して、医療関係者に対して自社製品の効果・副作用などの情報提供をするほか、適正使用を促す・問い合わせに対応するなどの業務を担います。
医薬情報担当者は薬学生からも人気の高い職種の1つです。転職に際して、薬剤師としての経験、患者さんと接してきた経験は、業務をする上で活かすことができるため、アピールポイントになります。
勉強を続けることが苦にならない方、コミュニケーションをとることが好きな方、粘り強い性格の方などが医薬情報担当者に向いていると言われています。忙しい職種ではありますが、給与は比較的高く安定していますので、年収アップを目指したい方にも良いでしょう。
8:治験コーディネーター
治験が円滑におこなえるよう、準備や調整、結果報告などの業務を担います。薬剤師や看護師、臨床検査技師など、さまざまな職種が治験コーディネーターとして活躍しています。主な勤務先は治験をおこなっている医療機関となりますが、治験コーディネーターとして働く場合は夜勤や土日の勤務がない場合が多く、プライベートの予定と両立させやすいです。
治験計画書を読む、症例報告書を作成するなどの事務的な業務から、治験薬の品質管理、被験者への説明、服薬状況の確認など、業務内容は多岐にわたります。事務作業やスケジュール管理が得意な方、細かな調整が苦にならない性格の方に向いている仕事と言えます。
仕事とプライベートのメリハリをつけたい、患者さんと関わる仕事がしたいという方は、検討してみてはいかがでしょうか。
ドラッグストアからの転職を成功させるためのコツ
ドラッグストアから希望通りに転職を成功させるため、以下の3つのコツをおさえておきましょう。
1:アピールポイントを探す
これまでの経歴や身につけたスキルの中から、求人に合ったアピールポイントを探しましょう。特に、数値として示せる業績があれば、用意するのがおすすめです。
2:転職の目的をはっきりさせる
求人を見ていると、条件について迷いが出てくることもあるかもしれません。最終的に転職で成し遂げたい目的がはっきりしていれば、迷いが出たときにも落ち着いて考え直すことができます。
3:実情や雰囲気を把握する
求人に記載されている条件は良くても、実際には制度があまり活用されていない、休みが希望通りに取りにくいなど、実情とは異なる場合もあります。面接だけで終わらせず、見学へ行き、実情や雰囲気を把握することをおすすめします。
転職後に「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、口コミサイトをチェックしたり、転職エージェントか
ら内部情報を得たりすることも重要です。特に人間関係や残業の実態など、聞きにくい情報はプロを通じて確認するのが賢明です。
4:ドラッグストアでの経験を強みにする
別の職種へ応募するとしても、ドラッグストアでの経験は強みとしてアピールすることができます。ご自身のこれまでの経験で何が強みになるのか、よく考えてみましょう。
強みにできるスキル
たとえば、以下のようなスキルは強みと言えるでしょう。応募する職種との関連性を考えながら、的確にアピールしてください。
● OTC医薬品や健康食品に関する知識
● 症状や悩みに合わせて提案するスキル
● 在庫管理の経験
● 成果を意識して業務に取り組んだ経験
ドラッグストアからの転職活動の流れ
ドラッグストアから転職を考えた場合、おおまかには次のような流れで転職活動が進みます。
ステップ1:転職の希望条件を整理する
なぜ転職したいのか、どの業種で働きたいのか、優先する条件は何か…など、転職活動を開始するにあたってご自身の希望条件を整理しましょう。
何も決めないまま、あらゆる求人に目を通すという方法をとっても良いですが、効率が悪くなってしまいます。ある程度の条件設定をした上で求人探しに移ることが、転職成功のためのステップとして重要です。
ステップ2:求人を探す
挙げた希望条件に沿って、実際の求人を探しましょう。
求人サイトを活用する、ハローワークで探すなど、さまざまな方法があります。もし転職したい企業・病院が決まっている場合は、ホームページで求人を確認し、直接連絡を取っても良いでしょう。
自分で探すのが難しい、時間がないという場合には、転職エージェントの活用もおすすめです。希望条件のヒアリングに基づき、合う求人を探してくれます。
ステップ3:転職市場の動向を理解する
薬剤師の転職市場は常に変化しています。
現在は、高齢化を背景に在宅医療を担える薬剤師の需要が非常に高まっています。また、がん治療や感染症、緩和薬物療法など特定の領域に強みを持つ専門知識を持つ薬剤師が評価されやすい傾向にあります。
自分のスキルや経験が、現在の市場でどう評価されるのかを客観的に把握することが大切です。需要の高い分野の求人を狙うことで、より有利な条件での転職が実現しやすくなります。
最新の市場動向を理解し、戦略的に転職活動を進めましょう。
ステップ4:応募書類の作成・応募
履歴書や職務経歴書を作成し、実際に応募しましょう。
求人ごとに、求められる人物像は異なります。それに合わせ、職務経歴書を少しずつ変えて作成するのがおすすめです。
転職エージェントを活用する場合、書類作成や応募のサポートもしてもらえます。ご自身で自分のアピールポイントをうまくまとめられない、強みがわからないという場合には、頼ってみてはいかがでしょうか。
ステップ5:面接対策と当日の注意点
アポイントをとり、面接を受けましょう。薬剤師の転職では、大抵の場合1回の面接で採用の可否が決まります。試験を課される場合もありますので、よく確認し、備えましょう。
社会人として、身だしなみや挨拶など基本的な部分を疎かにしないよう注意してください。面接での受け答えも、ある程度質問を想定して準備しましょう。転職理由をポジティブに言い換えるなど、少しの工夫で面接の印象が良くなります。
面接では「なぜドラッグストアから転職したいのか」という質問は必ず聞かれます。ネガティブな理由ではなく「専門性を高めたい」「地域医療に深く貢献したい」など、前向きな志望動機を伝えましょう。ドラッグストアでの接客経験で培ったコミュニケーション能力は、どの職場でも強みになります。清潔感のある服装を心がけ、自信を持って臨んでください。
ステップ6:内定
内定をもらうことができたら、労働条件通知書を受け取ります。内容に納得できた場合は、内定を承諾し、転職活動は終了です。 就業中の方は、早めに勤務先へ退職の意思を伝えましょう。
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給与が高く人気のあるドラッグストア薬剤師ですが、実は転職を考える方も多いです。しっかりと準備を行えば、ドラッグストアの経験を活かし、キャリアアップを目指すこともできるでしょう。給与や勤務体制、業務内容、人間関係など何か不満を持っている方は、転職を考えてみてはいかがでしょうか?
薬剤師に特化した転職エージェントである「ヤクジョブ」なら、あなたの魅力を最大限に引き出し、希望に沿った転職をサポート可能です。転職を考えている方、まずは話だけでも聞きたいという方、どなたでもお気軽にご相談ください。
薬剤師専門エージェントを利用するメリット
薬剤師専門の転職エージェントには、一般には公開されていない「非公開求人」をたくさん持っています。キャリアの相談を通じて、自分では気づかなかった強みや適性を見出し、最適な職場を提案してくれます。履歴書の添削や面接対策はもちろん、言いにくい給料や時給の交渉を代行してくれるのも大きなメリットです。
例えば「土日休みは譲れないが年収は維持したい」というドラッグストア出身者の相談に対し、エージェントが企業の内情を把握した上で交渉し、年収を下げずに希望の働き方を実現させた成功事例もあります。一人では難しい条件交渉も、プロに任せることで理想の転職に近づけるでしょう。