企業訪問レポートクオール株式会社
利用する方の目線に立った、「地域密着の一歩先を目指した」薬局運営
クオール株式会社
社名の由来となっている「Q.O.L」を考えた薬局づくりは、地域密着やかかりつけ薬局の一歩先を見据えておられます。
コンビニエンスストア併設薬局や家電量販店内への出店、写メールで処方せんを薬局に送れるアプリの開発、旗艦店で行われる最新機能の運用など、医療を最適に受けられるよう、患者さまの利便性をこと細かに追及しておられます。
| 本社所在地 | 東京都港区虎ノ門4-3-1 城山トラストタワー37階 |
|---|---|
| 業種 | 調剤薬局、ドラッグストア（調剤併設）、ドラッグストア（OTCのみ）、企業 |
| 事業所運営エリア | 北海道、青森県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、富山県、石川県、福井県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、長崎県、熊本県、鹿児島県、沖縄県 |
人事インタビュー
「兵庫県にある加西店では、震災後に近隣住民分の食料の備蓄と自家発電気を用意しています」とのこと。
各店舗の試みが全国の患者さまのスタンダードになる
当社では、各店舗で様々な取組みをしています。
薬局づくりという視点であれば、防音設計された投薬スペースの設置、会員制クリニックの門前薬局では外から薬局内の様子を見えにくくしたり、小児科門前では待合室全体をキッズスペースにしたり、「その薬局を利用される患者さまに対応できる」薬局づくりを行っています。
薬剤師の業務に関しては、全自動のピッキングマシーンの導入をしている店舗もあり、今後必要となると考えられる機材の導入も各店舗で検討をしています。
また、写メールを使った処方せん応需もスタートしました。
最寄り駅の近くで受診した医療機関から発行された処方せんを携帯のカメラで撮影し、会社の近所にあるクオール薬局に送ります。通勤している間でお薬が用意でき、待ち時間なく受け取ることができます。
患者さまがより便利にクオール薬局をご利用いただけるサービスになる、と考えております。
答えは一つではありませんし、薬局によって答えが変わっても良いんです。患者さまのニーズを反映することはもちろん、想像できるニーズに対応できるアイデアをいち早く実現しています。
新しい試みが、他の店舗を利用いただいている患者さまに良いことなら、導入していきます。
「安心」してキャリアを伸ばす
当社ではクオールに関わる全ての方の安心を保ち続けられるよう心がけています。
「あなたのいちばん近くにある安心」と当社ではうたっており、「社員の安心」もその一つ。キャリアアップでは、次のように考えています。
店舗数が多いので「転勤」を心配される方もいらっしゃいますが、エリアを選ぶか、全国どこでも働けるかはご自身で決めていただいております。
クオールとしても、必ずしもマネジメントを極めるだけがキャリアアップとは考えていません。
各分野のエキスパートになることも、キャリアの一つなので、全社的に取り組んでいる教育をエリアや店舗に落としこんでいくキーマンになってもらったり、がん、漢方、ジェネリック、OTCといった自身の得意分野を伸ば すこともキャリアアップとなります。
目標に向かっていくために、最大限のバックアップをしていきたいと考えております。
各店舗の従業員の方々が書かれたものだそうです。モットー、ポリシーといった、薬剤師としての決意表明が並んでいます！
現場インタビュー
前職も調剤薬局で就業されていました。職場環境、研修制度が整った会社を探され、クオールに入社。
調剤業務 プラスアルファ
港北店は、色んなトライアルをしている店舗なので、患者さまにできるサービスの幅は広く、患者さま対応へ色んな工夫ができる面白さがあります。
患者さま向けのサービスの一つとして、当店では管理栄養士が配属されています。
患者さまが、生活習慣を改善しなければいけないとドクターから言われても、健康相談のアドバイスができる環境になっています。
出来るサービスが幅広いので、患者さまのご希望やご質問になるべくお応えできるようなコミュニケーションを心がけています。
私も現在、少しずつですが健康相談に対応できるように勉強をしていますよ。
FAQ
- 転職されて変わった事はありますか？
- はい、一番変わった事は残業がかなり少なくなったことです。
機材もそろってますし、使いこなせれば効率の良さを実感できます。仕事が終わって、同僚と食事にいけるようにもなりました(笑)。 - 勉強会が充実していると聞きましたが？
- 会社で用意してもらっている研修は、量が豊富です。
受講は任意ですが、まだ経験していない科目や疾患についても、専門的な研修を受けることができます。私自身、アレルギーを持っているので、アレルギー疾患の勉強にもチャレンジしたいと考えています。
『心に残るエピソード』
総合病院の門前薬局なので、小児科の患者さまもたくさんお見えになります。
以前、喘息を持つお子さまが、お母さまに連れられて来店されたことがあります。応対させていただいたのですが、お母さまは凄く悩んでいました。
お子さまの症状を見て、辛い思いをしている話をうかがいました。喘息の症状が出ても、ドクターから聞いた方法でしか対応出来ない。聞いた方法を試しても、症状が治まらない場合もあり、変わってあげることすら出来ない…そこに辛さを感じていらっしゃいました。
私も喘息で辛かった時期がありました。症状が出た時に、服薬以外にも色んな方法を試したことがありましたので、自分の経験を元に喘息が出た際の対処法をお伝えしました。
お母さまも初めて聞く対処法があったらしく、感謝の言葉をいただきました。
薬に詳しいだけではなく、疾患の知識があるだけで患者さまの役に立てる仕事なんだと実感しました。
もっと色んな疾患を学んで、一人でも多くの患者さまのお役に立てる薬剤師になりたいと思っています。
写真左：スピーチプライバシー
投薬口。カウンターは全て、防音効果のある壁で仕切られています。また、投薬口での会話を聞こえさせにくくするBGMが流れています。
写真右：クオール港北店 外観
新興住宅地にある総合病院の処方せんを応需。科目の幅広さ、色んな症例を学べる店舗の一つ。
クラシスからの視点
港北店をはじめ、たくさんの店舗で独自の取組みを行っている大変貴重なお話をうかがい、地域密着という概念を一歩越えた、「患者さまの生活圏にどのように関わっていくか」という視点をお持ちだと感じました。今後もたくさんの取組みに挑戦されることでしょう。
新しいシステムが導入されると業務の効率もよくなり、社員さんたちも嬉しい部分だそうです。効率がよくなった分、手厚いコミュニケーションを患者さまと交わす。そして、社員同士、もっと働きやすい店舗にするためにはどうしたらいいかを、お話されているとのことでした。
そんな会話の中から、新しいサービスのきっかけに繋がっているのではないでしょうか。
取材日：2013年11月22日