企業訪問レポート株式会社ニック
やってみたい事を実現できる土台作りと、患者さま一人ひとりのケアを目指して!!
株式会社ニック
福岡県福岡市に本社がある、株式会社ニック。
関連会社を合わせると、現在90店舗弱の展開をされています。調剤薬局事業、介護用品の販売・レンタル、医業経営コンサルを三本柱の事業として、地域医療へ貢献しつづけています。各事業分野のネットワークを総合し、個々の健康をケアを目指す医業のプロフェッショナルでもあります。2005年には関東でも調剤薬局を開設し、様々なチャレンジをしていきます!!
本社所在地 | 福岡県福岡市博多区山王1-12-19 吉川ビル1F |
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業種 | 調剤薬局、ドラッグストア(調剤併設) |
事業所運営エリア | 北海道、宮城県、埼玉県、東京都、神奈川県、愛知県、広島県、山口県、福岡県、長崎県、熊本県、鹿児島県 |
人事インタビュー
株式会社ニックが、調剤事業で実現したいこと!!
薬剤師の本来の業務をしっかりこなし、患者さまが抱えていらっしゃる問題に一緒に立ち向かえる体制を整えていきたいと考えています。
必要な薬をそろえるのは当然のこと、飲みあわせ、そもそも抱えている不安など、薬剤のエキスパートとして一緒に解決できる存在になることを目指しています。
例えば、同じ病態でも個々人で考え方は違います。心と身体の健康を、個々にケアしていける薬局になれるよう事業を進めています!!
患者さまのケアから地域の付き合い方へ
面分業がこれから益々進む傾向にありますが、他の会社がこうしたから、それに合わせて動くという考えはありません。
当社は医療機関としっかり連携をとって、薬局の機能を提供しています。患者さまが求めることも違うのと同じで、医療機関が求めるスタイルも違います。
例えば、患者さまが開設時間を延ばしてほしい、といった希望を医療機関が受ければ、当然ニックもそれに対応していきます。
患者さま一人ひとりを大切にできる体制なんです。
まずは患者さまのケアを考えられる薬剤師に!!
患者さまは少なからず体調を崩されて病院に来られます。長い待ち時間の末に診療を受けることだって少なくありません。なので薬局では、ストレスなく過ごしていただきたいですね。調剤に関しても、無駄な時間をかけずに、お薬をお渡しできる業務を心がけています。
その点は、必要な機材はちゃんとそろえ、薬剤師が業務に集中できる環境をつくっています。
時間短縮は、患者さまをケアする時間やコミュニケーションを取る時間の確保にもちゃとつながるんです。現場では日々課題が出てくると思いますので、前向きに取り組み、自分が持っている想いを伝えていってほしいですね。
『医療機関とのつながり』『現場裁量型』はニックの得意分野です!!
病院やクリニックとは、信頼関係がないとダメだと考えています。患者さまの個々のケアを目指していますので、足並みが揃わない状態は基本あり得ません。
その点、当社は医業のコンサル事業も行っていますので、医療機関とのつながりは得意分野です。
そして、現場裁量型。
現場のマネジメントは管理薬剤師、エリアマネージャーに全てお任せしています。人事は邪魔にならないようにサポートをしていきます。職場内で何か問題が発生した時、人事の立場として現場の聞き役に徹しています。
まずは悩んでいる事をしっかり聞き、こちらから変に「こうすればいいんじゃない」と話すことはありません。スタッフが抱えている想いを受け止めてれば、意外と解決への糸口が見つかったりするんです。
ニック自慢!!
3つの事業を行っているからこそ見えるものがあります。ニーズの先取りや、医療機関との信頼関係の構築だったり、これから事業を進めるに当たって、大切なものは揃っていると思います。
今後は、事例やノウハウを蓄積し、一企業として進歩していきます。また、それができる薬剤師が当社には揃っています。
- ニックの研修・教育体制はどんな感じですか?
- e-ラーニングは年に1回確認し、希望者には全て受けられる体制を整えています。
外部研修は会社指定のものに関しては、全額費用負担をしています。
他管理薬剤師研修、啓発系研修、在宅研修と、階層別のものから専門分野まで幅広く取り揃えています。 - 在宅にも力を入れていらっしゃるそうですが、現状はいかかでしょうか?
- 現在、7店舗で稼働中です。
施設を中心に処方せんを受けていますが、この場面でもしっかりと連携をとって進められるようにしております。施設が何を求めているかは非常に大切なことなので、医療機関と手を携えながら業務を進めています。
当社の社員でも、入社当時は在宅業務に触れる機会がなかった方も、少し話をすれば面白さが伝わるみたいで、興味を持たれる方や、積極的に参加したいと希望される方も徐々に増えてきましたね。 - 現場裁量型はどのようなものでしょうか?
- 店舗づくりは現場の皆さんが意見を出しながら進められる環境だと思います。
薬局には、患者さまと医療機関とのコミュニケーションが不可欠になりますから、何か問題や課題ができれば、その場で意見を出し合って解決する方法を見つける体制です。現場で判断できるスピードじゃないと、回答が遅くなってしまいますので。
ある店舗の事例ですが、OTCを充実させている店舗もありますが、患者さまの意見を聞きながら、商品を選定したり、売り場のレイアウトや改善、必要ならば冷蔵庫などの機材を導入したり、現場の意見に本社がしっかり対応する体制を整え、実現に結び付けています。
総合的コミュニケーション力。
患者さまにも、医療機関にも、また職場でも言えることですが、コミュニケーションには色んな要素があります。まずは、相手の話にしっかり耳を傾ける傾聴力。相手の状況を把握しないと、伝えるべきことが選択できません。次に、伝えるべきことを決定する判断力。傾聴力を生かすのは、その判断力になります。
そして、相手の目を見て話すこと。これは案外大事なことです。せっかく、傾聴できて言葉を伝える力があっても、相手の目を見て話したり、挨拶できないと、話を聴く体制、伝える体制を相手に伝えることが出来ないことが多いんです。当然、患者さまも不安になります。
自分の準備を相手に伝えることで、コミュニケーションをとる入り口に立てるようになるんです。
それでも面接では分からないこと。
採用したケースにも、色んなケースがあります。以前、面接の際に細かいところまで質問された方がいらっしゃいました。面接官としては、「不安なのかな」と心配していたんです。コミュニケーション力もお持ちだし、社会人経験もしっかりしていました。
晴れて入社いただいて、私の心配も杞憂だったんですが、現在すごく活躍されています。業務はもちろんのこと、細かいところの気配りも上手というか、会社の意向を理解した上で、現場の問題点や改善点を上手に報告してくれるんです。当社にとって、欠かせない戦力のうちの1人になっていただきました。
細かいと思っていたことは、ご本人の持ち味だったと今では思います。入社意思をしっかり固めたいと感じていたんでしょうね。
『チャレンジする場がたくさんあります。』
ご自分で「こんなことをやってみたい」と思うことがあれば、ぜひ伝えてほしいと思っています。現場も本部も、それを聞き入れる体制が整った会社だと自信をもって言えます。
会社もまだまだ進化しつづけて行きます。役職を目指したい方もそうですが、薬剤師のスキルや知識の+αの部分を生かしてお仕事をしていただきたいと考えています。それが何より、患者さまのためになると思っています。そんな自由度の高い職場でもあるんです。
調剤の現場から、医療機関を回る営業的な業務に携わっていただいたり、DIなどに携わっていただいたり、将来できる仕事の幅は広いと思います。業務の傍ら、鍼灸学校に通って学びの幅を広げているスタッフもおります。
現場インタビュー
併設型店舗からの転籍!! やりたいことをやり遂げられる職場を探して…
前職は、ドラッグストアの併設型店舗で働いており、異動回数がかなりありましたね。
患者さまとよい関係を結べたというところで、異動の辞令がかかったりしていたので、もっと構えてお仕事をしたいと考えていました。管理薬剤師をやっていても、自分がやりたいことをやり遂げられない現状を変えてみたいと考えて、転職活動を始めました。
転職のポイントは、実際に業務をしている中でも、色々やりたい事やアイデアが出てくるので、本部との距離の近さや、意見のしやすい風土をもった職場を求めていました。
3社ほど面接を受けたのですが、ニックに決めたのは、転職の際にポイントにしていた点が1番際立っていたからです。また、マネジメントしている層も若い社員が多く、活気のある会社だと感じました。
2012年の4月からこの店舗で管理薬剤師をさせていただきながら、マネージャーの見習い業務もしています。
これがニックの現場です!!
入職して変わらない印象があります。それは本部との距離の近さです。何かやりたいことがあれば、スグに聞いてもらえる体制ですし、回答も早いので助かっています。
現場の特徴としては、各店舗にカラーがあることでしょうか。業務一つとっても、患者さまも医療機関も変わるので、全く同じという店舗はないです。そういった意味では、マニュアル押しつけ型では決してないです。
最近させていただいた事では、あまり動かない薬の管理方法を新たに導入しています。重点品目を増やして、日々データを取りつつ、適正な備蓄を考えられるようにしています。
『患者さまを待たせない薬局づくり』
患者さまが何を求めているのか?これを当たり前のように考えないといけない、そう思います。
例えば「正確な調剤を」と謳ったとしても、患者さまはそんなことを求めていないんです。正確な、というのは薬局である以上は大前提なんです。
今取り組んでいる事は、『患者さまの待ち時間を、いかに短縮するか』。 業務の導線を細分化すると、改善を考えられるポイントがいくつもあり、結構やりがいはあります。運動が入る業務は機材が時間を短縮してくれますし、処方せんに質問があると、直接行ったりしていますね!!スグそこにクリニックがあるので、そっちの方が早いんです(笑)。
ルールをルーチンにしてやり方に慣れてしまえば、短縮できることって色んなところにあったと気づきました。これは店舗で共通して持っている意識なので、薬剤師だけじゃなく事務の方にも協力してもらいながら、業務を進めています。
他には後発品の提案も進めたりしています。率も、徐々に上がってきて、ついこの間26%までになりました。やりたいことができる職場なんだと、自信をもってそう言えます!!
薬局の極み、「次もこの薬局に来たい」と思っていただく!!
患者さまにはそう思っていただける薬局づくりをしていきたいですね。雰囲気を作れるのは現場で働くスタッフだけなんです。
ちょっとした声の大きさや、笑顔で話しかけるだけで、話しやすい環境を作れたりするんです。これは理屈とかじゃないと思います。挨拶・声の大きさ・笑顔を基本心がけて業務に当たっています!!
服薬指導…お母さんへの説明!!
こちらの薬局はクリニックモールの処方せんを受けています。中でも小児科が3割以上きていますので、賑やかな薬局なんです(笑)。
子供と話をするのも私自身好きで、仕事とはいえ癒されたりしますね。
子供は、薬を飲んでもらうのに苦労するケースって多いんですが、その相談をよく受けています。食材や飲料との混ぜ合わせの話もよくするんですが、可能なものに関しては、プリンやアイスに混ぜて飲ませる提案もしています。とにかく薬を飲むことが大切なので、お母さんたちも聞き入れてくれます。
課題と取り組み、そして今後の目標!!
薬局では、スタッフ全員が一つにまとまって機能することが欠かせません。資格が関係しない業務もたくさんあるので、事務・薬剤師にかかわらず、カバーをしあえる環境を作っていきたいです。その一環として、分包機の清掃を事務員さんにも手伝ってもらっています。
個人的な取り組みとしては、薬品の管理・備蓄を常に見直せるようにシステム化しています。1年に2回、『発注のポイントを見直し』をしているんです。薬によっては、箱単位で不足するものもあるので、日々データを取って、過不足がないようにしています。また棚替えを1年に1回行ったり。スタッフの業務ストレスを少なくすること、患者さまのストレスを少なくすること、いつでも改善できるようにしています!!
今後の目標として、当面は、マネージャー職を目指すことが目標です。複数店舗の管理をしながら、広い視野を持って業務に携わっていきたいですね。あとは、まだ先のことになりますが、新卒者の採用確保と教育面のサポートにも携わってみたいです。
『アイデア発信型の現場!!』
ニックが持っている面白さの一つは、自分でやってみたい事を発信できる環境が備わっていることだと思っています。薬剤師としての視点はもちろん、薬剤師資格に捉われない個性も活かせます。
自分の長所はこれだなー、と感じていたり、こんなアイデア思いついちゃったんですけど、という方にはどんどんアイデアを発信してもらいたいですね。私も社歴に関係なく、色んなアイデアに触れながら建設的な仕事をしていきたいと思っています。
自分の思っていることが、会社の改善につながったり、また患者さまが喜んでもらえるサービスだったりします。薬剤師には発信が苦手な人もいますので、思い切って言えなかったら、身近な上長に相談してみて下さい。ちゃんと耳を傾けてくれる環境ですから。そうやって、みんなで一緒に薬局を良くしていきたいですね。
ニック 東戸塚店
2009年7月に開設した、クリニックモール型の薬局です。外観、内観とも4年目に突入したと思えないほど綺麗な店舗です。
クラシスからの視点
事業の三本柱と、自由度の高さ!!
ニックさんで活躍されている方の特徴として、若い世代の方が多くなってきたという印象を受けます。「管理薬剤師やってみたいです」と手を挙げる方は、その心構えがしっかりできている。そういう方から役職や役割へと選抜していらっしゃるので、「従来の年功序列型じゃない会社」といえるでしょう。
社会人として色んなことにチャレンジしたい方にとっては、会社の方針自体が大きな魅力になると思います。
そして、3つの事業の連携を上手にとりながら運営しているからこそ、安心して働ける職場を築ける。ニックさんにはその土台がちゃんとありました。医療機関や在宅施設とのコミュニケーションを大切にするからこそ、信頼を築きながら業務を進められる、そんな柔軟で力強い土台に、ニックさんの特徴を感じることができました。
取材日:2012年9月14日