企業訪問レポート株式会社メディカルケミスト
面応需・他科目応需をコンセプトにした薬局運営
- 患者さまと医療機関のかけはしを目指して -
株式会社メディカルケミスト
社長が現場経験者である薬局です。
薬局運営のこだわりは、面応需。医療業界もたくさんの医療機関、薬局がひしめきあい、患者さまも「自分にあった医療」を求める時代へ変貌を遂げつつある中、メディカルケミストグループは患者さまの信頼を構築していくことを経営指針として掲げていらっしゃいます。
カタチだけの医療を提供することから脱却し、薬局が持てる基本的な機能を最大限活かすべく、面応需、またクリニックモール型の多科目応需の第一人者としてご活躍していらっしゃいます。患者さまに選ばれる薬局を目指すだけではなく、薬局の成長や薬剤師の成長にもつながる、そんな展開をされていらっしゃいました。
本社所在地 | 東京都大田区北馬込2-3-5 荏原町クリニックビレッジ3階 |
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業種 | 調剤薬局 |
事業所運営エリア | 埼玉県、東京都、神奈川県 |
大橋社長と、クリニックモール型の旗艦店である「つばさ薬局 洋光台店」に突撃インタビューをさせていただきました。
本社インタビュー
信頼される薬局を目指すこと
前職は調剤薬局事業を行う企業で、いち社員として就業をしていました。
学生時代から、薬局運営にいつかチャレンジしたいと考え、前職で行っていた店舗開発、立ち上げという業務のノウハウを活かし独立をしました。
当社はまだまだ成長途中の企業です。すでに大手として活躍している大企業に、たち打ちできるのは店舗の展開方法だと考えています。面応需・医療モール型の展開というのがそれなんです。
患者さまは、医療機関を選ぶのと同じく、薬局も選びます。面応需はその最たるもので、ご支持をいただければ、特定の医療機関の応需がなくても患者さまにお越しいただけます。例えば、患者さまが複数の医療機関にかかることがあった場合、門前の薬局を選ぶのではなく「この薬局だから」という選択をしていただけるような店舗を目指していきたいと考えています。そのためには、信頼いただくということが不可欠です。
取組みの一つとして、患者さまの満足度を効果測定し、課題やその解決方法を現場で取組み、改善点を全店舗で共有することを行っております。業務の改善が必要なのか、また店舗自体に問題はないか、全員で話し合うからこそできる患者さまへ目を向けた取組みといえるでしょうね。
医療機関と患者さまとのかけはし
面応需の課題の一つとして、医療機関との連携があります。この連携がうまくいくかどうかで、患者さまの満足度は大きく違ってきます。
最初は私が入り口に立って医療機関との連携づくりを行い、後に店舗に任せています。今では、月間で最大200件の医療機関から処方せんを応需する店舗もあります。
食事会やレクリエーションなど、きっかけを作って医療機関と店舗、相互の理解を深められるような企画をしています。
医療機関だけではなく、卸の方やメーカーの方も同様に、連携のとれる体制を店舗で持てるようにし、全員で患者さまの対応を行えるように心がけております。
マルチな薬剤師の育成
薬剤師として求められるものは、日々多くなっていく時代です。薬の知識だけではなく、病理や病態への理解、コミュニケーション力、医療やその周辺領域の情報も持てる薬剤師が、今後は第一線で求められるのではないでしょうか。
医薬分業の草創期は、早さや業務量、また正確さが求められる時代でした。しかし、分業が進むに連れ、例えば患者さまが「ドクターに言えない事」を抱えたりすることもしばしばあるんです。
今でも現場に入っているので、たまに私も患者さまから耳にします。そんな患者さまの思いや気持ちを、医療機関に伝える力を持つことも薬剤師としてできる業務だと感じています。
そういう意味で、幅広い視野と理解を持てる薬剤師に成長してもらいたいと思っています。
良い人材と、店舗構成は職場の良さだと感じております。
薬剤師の採用はまだまだ難しい時期ですが、協調性をもって業務のできる方が集まった会社だと思います。
自然、職場の雰囲気の良さもスタッフ間のやり取りの中から生まれ、患者さまにストレスなく過ごしていただける薬局として印象を持ってもらっていると思います。協調性は業務のうえだけではなく、家族背景や生活スタイルといったところまでフォローし合えている環境なので、お互いが助け合える環境は整っているのではないでしょうか。
そして薬剤師としてであれば、単店舗でも複数科目を応需できる店舗構成なので、日々勉強になると考えております。
面応需、モール型は薬剤師スキルを素直に成長に導いてくれる環境でもあるんです。月間で200を越える医療機関から処方せんをいただけている店舗があります。
スキルだけではなく、応需する処方せん元の医療機関が増えることは、薬局にとっても有難いことです。
『面接ではストレートな伝え方で』
求職者の方も実に希望は様々で、当社で実現できることからそうじゃないことも希望としてお持ちです。
どうしても調整が難しいこともあります。個々人で希望は違いますので、面接で考慮させていただくポイントもその時々で変わってきます。
家庭を大切にして働きたい方、薬剤師として成長されたい方、いち企業人として薬局運営を学びたい方、それぞれの希望がありますので大切にされたいことをしっかり面接でお伝えいただきたいと思います。
面接では良いことにフォーカスして伝えたくなると思います。私も会社のことは隠さずにストレートに伝えますので、面接の際もリラックスしながらご自分の想いをちゃんと伝えていただければ幸いです。
現場インタビュー
経営者との距離の近さ
長らくドラッグストア系企業で就業する中、調剤への転向はいつしかチャレンジしたいと考えていました。転職時にメディカルケミストに興味を持ったのは、これから成長する企業としての可能性と、自分をチャレンジさせられる環境があったからです。
実際に転職して感じているのは、社長との距離の近さ。店舗に出向いてくれるだけではなく、店舗運営に対して一緒に向き合ってくれ、私の発言にも耳を傾けてくれる、そういった姿勢が何とも有難いです。
現場にも入ってくれ、調剤の経験が浅い私に対して、言葉だけではなく仕事の面でも実地に学ぶことができました。
現場を知っているからこそ、安心してついていけると管理薬剤師になった今、より一層感じています。
患者さま目線は当たり前のようでも難しい
素早く、丁寧に、正確にという業務は調剤薬局の基本です。
何よりも患者さま目線で業務に当たる大切さが、管理薬剤師の立場で感じることです。洋光台店は、クリニックモールを担当している店舗ですから、複数科目の応需が前提としてあります。
科目も違う、処方せん内容も違う、患者さまへの関わり方も当たり前のように違います。
オーバーかも知れませんが、患者さまひとり一人が「つばさ薬局で処方せんを出して良かった」と思ってもらえるように、患者さまの目線での業務をメンバーと一緒にしていきたいと思います。
会社の理念にあった成長の一端を担うこと
いわゆる恩返しというんでしょうか、メディカルケミストで就業する縁を持てたことに感謝しています。
年齢も30を越え、調剤も学ぶことが多い私に、たくさんチャンスを与えてくれたと思います。
患者さま目線を大切にするというのは、薬剤師として当然のマインドだと思います。
患者さまのかかりつけ薬局になるのは、メディカルケミストの一員として叶えていきたい目標です。
これから、会社の規模を拡大したり、店舗や業務の質をもっと高めるために、阿部の力があったからこそ、と思ってもらえるような成長をし、それが会社の一部になるようにしたいですね(笑)
クラシスからの視点
人材に恵まれる環境
どんな仕事においても、自分以外の誰かが関わるのであれば、必然的に連携をしなければなりません。
ましてや医療の分野では、不可欠ともいえること。仕事や業務での連携は、「協働」と同じ意味になります。仕事のフォローに入ること、声を掛け合うこと、後に作業をする人のことを考えて行動することも、協働の違ったカタチに他ならないのです。
大橋様がおっしゃっていた、「当社には良い人材が多い」と言われるのは、スキルや知識だけの意味ではありません。みんなでよい仕事を提供する、患者さまのために提供する、そういう意識を持っているからこそ、一丸となれる職場の雰囲気を生み出せるという意味です。
雰囲気の良さは、言葉にすると実に曖昧な表現とも思えます。雰囲気の作り手であれば、実感できないかもしれません。
しかし、患者さまにはそれが分かります。医療従事者の方が患者さまの立場になれば、不思議なことにもっと分かるはずです。
メディカルケミストグループは、協働が良いことだという素直なマインドを持った社員さんが多い、だから大橋様も自信を持ってお話していただいたと思います。
チームワークの良さを知る社員が活躍できる職場なんだと感じた取材でした。
取材日:2013年3月11日