ラウンダー薬剤師の働き方とは?管理薬剤師との違いやメリット、デメリットを解説

ラウンダー薬剤師の働き方とは?管理薬剤師との違いやメリット、デメリットを解説

ラウンダー薬剤師の働き方とは?管理薬剤師との違いやメリット、デメリットを解説

ラウンダー薬剤師という働き方をご存知でしょうか?チェーン薬局の統合や多店舗展開の推進を背景に最近注目を集めているラウンダー薬剤師は、複数の薬局を巡回しながら働くスタイルの薬剤師のことです。

本記事では、ラウンダー薬剤師の具体的な仕事内容や管理薬剤師との違い、ラウンダー薬剤師として働く上でのメリットやデメリットについて詳しく解説します。

ラウンダー薬剤師とはどんな職業?

ラウンダー薬剤師は、毎日同じ薬局に勤務するのではなく、複数の薬局を巡回しながら業務を行います。 ラウンダー薬剤師の使命は、人手不足の薬局をサポートすることです。毎日異なるさまざまな環境で働くことになるため、常に新しい環境に対応する柔軟性が求められるのが特徴です。

ラウンダー薬剤師は、薬局チェーンやドラッグストアチェーンの社員として所属し、会社の指示に基づき必要なタイミングに必要な場所で業務を行います。急な欠員や繁忙期に薬剤師の人材不足を補うための重要な役割を担っており、必要不可欠な働き方となりつつあります。

ラウンダー薬剤師と管理薬剤師の違いについて

ラウンダー薬剤師と管理薬剤師では、担当する業務や求められるスキルが異なります。

管理薬剤師は、特定の薬局で薬局の運営や管理を担当するリーダーです。それに対し、ラウンダー薬剤師は特定の薬局に縛られず複数の薬局を巡回して働くため、管理業務よりも調剤や服薬指導といった「実務」に重きを置いた働き方をするのが特徴です。

管理薬剤師は長期的な視点で薬局の運営全般を担うため、経営的なスキルが必要となりますが、ラウンダー薬剤師にはどの薬局でも即戦力として働ける柔軟性や、その場その場での対応力が求められます。

ラウンダー薬剤師として働くメリットはある?

続いては、ラウンダー薬剤師としてさまざまな薬局を経験することで得られるメリットを4つご紹介します。

スキルアップしやすい

ラウンダー薬剤師はさまざまな薬局で働くため、多くの医療機関の処方せんに触れる機会があります。診療科にとらわれない、幅広い知識や経験を身につけることができます。

また、患者層も薬局ごとに異なることが多く、子どもから高齢の方までさまざまな背景を持った患者に対応することで、豊富な実務経験を積むことができます。また、ほかの薬剤師と交流する機会も多いため、新しい知識や技術を吸収しやすく、成長を実感しやすい働き方といえるでしょう。

閉鎖的な人間関係がない

ラウンダー薬剤師は特定の薬局に縛られずに働くため、長期間同じメンバーで勤務することはありません。また、ラウンダー薬剤師を受け入れる側の薬局スタッフも「忙しいところを助けに来てもらっている」という意識があるため、人間関係のトラブルが起こりにくいとされています。通常の薬局勤務と比べて、ラウンダー薬剤師の人間関係は良くも悪くも「浅く広く」なりやすいのが特徴です。

年収アップにつながる

ラウンダー薬剤師を問題なくこなせるということは、薬剤師としての柔軟性やスキルの高さの証明となります。この点は社内でも評価されやすく、比較的高い給与が設定されていることが多いのが特徴です。また、企業によっては「ヘルプ手当」や「応援手当」といった手当が設定されているケースもあり、特に人手不足が深刻な地域で頻繁にラウンド勤務する場合、収入面でのメリットが大きいとされています。

また、さまざまな薬局での経験が豊富であることも社内で評価されやすく、将来的にはさらに上のポジションや給与が期待できる可能性もあります。

常に新鮮な気持ちでいられる

毎日異なる薬局で働くことで常に新鮮な気持ちでいられるのも、ラウンダー薬剤師ならではのメリットです。同じ場所でのルーティン業務に飽きてしまうこともなく、常に新しい環境を楽しむことができます。毎日異なる環境や業務内容に触れることで新しい知識やスキルを習得し続けることができるため、モチベーションを 保ちやすく、仕事に対する意欲を失わないで済むという声もあります。

ラウンダー薬剤師にはデメリットも

メリットの多いラウンダー薬剤師ですが、もちろんデメリットも存在します。

臨機応変な対応が求められる

たとえ同じ会社だとしても、細かいルールや業務内容、使用するシステムなどが薬局ごとに異なる場合があります。そのため、ラウンダー薬剤師にはどのような状況でも的確に判断できる柔軟性と 、臨機応変な対応力が求められます。

新しい環境に慣れるまでに時間がかかってしまう人や、いつも決まった手順で業務を行いたい人にとっては厳しい環境かもしれません。

通勤の負担が大きい

ラウンダー薬剤師は複数の薬局を巡回して勤務するため、通勤時間が長くなりやすいというデメリットがあります。特に地方や郊外の薬局を担当する場合、公共交通機関 や車での長時間移動が必要となり、通勤の負担が増えやすい傾向にあります。通勤時間が長くなることでプライベートの時間が削られ、体力的にも精神的にも負担がかかることがあります。

また、ラウンダー薬剤師は基本的に人手不足の薬局に出向きます。行った先で一人薬剤師勤務となる場合も多く、慣れない場所への通勤にも関わらず、絶対に遅刻が許されないというプレッシャーもあります。悪天候で公共交通機関の乱れや道路状況の悪化が予想される場合などは、特に負担を感じやすいかもしれません。

勤務形態が不規則で残業も多い

ラウンダー薬剤師はそれぞれの薬局のシフトに合わせて働くため、勤務時間が固定ではなく、不規則になりがちです。また、人手不足を補うための勤務が多いため、勤務時間中は常に忙しい状況というケースも珍しくありません。溜まった薬歴を後日処理するということができないため、薬歴を書ききれないときなどは残業が増えてしまう可能性もあります。

また、急なシフト変更や夜間勤務、土日勤務も発生しやすく、特に家庭を持っている人やプライベートな時間を大切にしたい人には、大きなデメリットとなるかもしれません。

ラウンダー薬剤師に求められるスキル

毎日異なる薬局で勤務するラウンダー薬剤師には、通常の薬剤師とは少し異なるスキルも求められます。

幅広い知識と調剤スキル

さまざまな薬局で働くことになるため、診療科にとらわれない幅広い知識と高度な調剤スキルが求められます。また、人手不足の忙しい状況の中でも調剤ミスを防ぐ正確さや、患者を待たせないための迅速さも不可欠です。

経験の浅い薬剤師ではこれらのスキルが不十分な場合が多く、ある程度経験年数を積んだ薬剤師がラウンダー薬剤師として抜擢されるケースが多くなっています。

臨機応変な対応力

ラウンダー薬剤師には、新しい環境に迅速に適応し、臨機応変に対応するスキルが必要です。薬局ごとの細かいルールやシステムの違いをすぐに理解し、対応できる柔軟性が求められます。

また、行った先で起こる急なトラブルや患者からの問い合わせに対しても冷静に対処し、そこに常勤する薬剤師と同じレベルで最適な解決策を見つける能力が必要です。

コミュニケーション能力

ラウンダー薬剤師には、初対面の薬局スタッフや患者と円滑にコミュニケーションを取る能力が求められます。

特に服薬指導では、ほぼ初対面の患者とのやりとりとなります。過去の薬歴などから素早く要点を掴み、患者の状況や背景に応じて分かりやすく説明し、不安を取り除くコミュニケーションが必要です。

ラウンダー薬剤師に向いている人の特徴3選

初対面のコミュニケーションが得意な人

ラウンダー薬剤師は毎日違う職場で働くため、多くの人と接する機会があります。人とのコミュニケーションが得意で、初対面の人ともすぐに打ち解けられるような人は、ラウンダー薬剤師に向いています。

また、常に新しい薬局スタッフや患者と関わることになるため、社交的な性格であることが大切です。人との関係を築くことが好きな人は、職場でのストレスが少なく、毎日の業務を楽しむことができるでしょう。

変化を楽しめる人

同じ環境での単調な作業が苦手な人にとって、ラウンダー薬剤師は最適な働き方かもしれません。複数の薬局で働くことで、毎日異なる業務や課題に取り組みながら、常に新鮮な気持ちで働くことができます。変化を楽しみ、新しい挑戦に積極的に取り組む姿勢がある人は、ラウンダー薬剤師の仕事で多くのやりがいを感じることができるかもしれません。

幅広いスキルを身につけたい人

ラウンダー薬剤師として働くことで、さまざまな薬局での業務に触れる機会が多くなります。診療科にとらわれない幅広いスキルを身につけたい人にとっては、理想的な環境です。

それぞれの薬局によって異なる調剤方法やシステム、患者への対応の仕方を学ぶことで、薬剤師としての能力が総合的に向上します。

ラウンダー薬剤師の仕事探しは”ヤクジョブ”

ラウンダー薬剤師としての仕事を探すなら、薬剤師専門の転職エージェント「ヤクジョブ」がおすすめです。ヤクジョブには、全国各地の薬局や医療機関からの求人情報が多数掲載されており、希望に合った職場を見つけることができます。

ラウンダー薬剤師として勤務できるか否かは、求人情報を見るだけでは分からない場合もあります。ヤクジョブでは、それぞれの企業の内情に詳しい専門のコンサルタントがサポートしてくれるため「ラウンダー薬剤師として勤務したい」という希望にも柔軟に相談にのってもらうことができます。

まとめ

ラウンダー薬剤師は、さまざまな薬局で働くことでスキルアップや年収アップが期待できる魅力的な働き方です。しかし、その一方で通勤の負担や不規則な勤務形態などのデメリットも存在します。

多様な経験を通じて得られる薬剤師としての知識や経験は、将来的なキャリアにおいても大きな財産となります。自分のライフスタイルやキャリアプランに合わせて、ラウンダー薬剤師としての働き方を検討してみてはいかがでしょうか?

薬剤師の”転職”をお考えの方へ

  • 薬剤師の公開求人数50,000件以上!ヤクジョブの「サービス」についてご説明します。
  • 薬剤師専門だから出来る!面接の相談や履歴書の書き方など「失敗しない転職活動」のお手伝いをします。
  • 薬剤師業界に精通した専任キャリアアドバイザーが、「あなたの希望にあった求人」をご紹介します。

無料転職サポートに登録する