地域薬学ケア専門薬剤師と副領域(がん)とは?要件や暫定認定について解説

地域薬学ケア専門薬剤師と副領域(がん)とは?要件、暫定認定について解説

地域医療へのニーズが高まる中、2020年に日本医療薬学会によって新設された「地域薬学ケア専門薬剤師」制度が注目されています。

この資格は、地域包括ケアシステムにおいて高度な薬学的管理を担う専門家を認定するものです。さらに、専門性を高める「副領域(がん)」も設けられています。

この記事では、地域薬学ケア専門薬剤師とは何か、その役割、資格取得の具体的な要件、試験の難易度、そして現在注目されている「暫定認定」の仕組みについて詳しく解説します。

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地域薬学ケア専門薬剤師とは?

地域薬学ケア専門薬剤師とは?

地域薬学ケア専門薬剤師とは、一般社団法人日本医療薬学会が認定する、地域医療における薬物療法のスペシャリストです。

高齢化が進み、在宅医療や介護施設での薬学的介入が重要視される中、地域包括ケアシステムの中核を担う薬剤師として2020年1月に新設されました。 従来の病院中心の専門薬剤師制度とは異なり、主に薬局薬剤師を対象としている点が大きな特徴です。

広範な疾患領域における高度な知識と技術を持ち、患者の薬物療法全般をフォローし、多職種と連携して地域医療の質の向上に貢献することが期待されています。

2025年11月1日現在、地域薬学ケア専門薬剤師暫定認定者は53名です。

薬局薬剤師を認定するほか、あわせて、養成に必要な研修を実施する「地域薬学ケア専門薬剤師研修施設」や指導者資格「地域薬学ケア指導薬剤師」を認定しているのも特徴です。

出典:日本医療薬学会|地域薬学ケア専門薬剤師制度

副領域の地域薬学ケア専門薬剤師(がん)とは?

副領域の地域薬学ケア専門薬剤師(がん)とは、地域薬学ケア専門薬剤師の基本的な資質に加え、特にがん領域において高度な専門知識と技能を持つ薬剤師を認定する資格です。

近年、がん治療は外来化学療法や在宅緩和ケアへ移行しており、地域の薬局薬剤師による専門的なフォローアップが不可欠となっています。

この資格を持つ薬剤師は、病院の専門医や地域の医療・介護スタッフと緊密に連携し、経口抗がん剤の服薬指導、副作用モニタリング、緩和ケアなど、地域におけるがん患者の薬物療法を包括的にサポートする役割を担います。

2025年11月1日現在、地域薬学ケア専門薬剤師暫定認定者は125名です。時代のニーズに呼応してますます増えて行くと思われます。

出典:日本医療薬学会|地域薬学ケア専門薬剤師制度

地域薬学ケア専門薬剤師認定制度の目的

本制度が新設された主な目的は、地域包括ケアシステムの推進に伴い、薬局薬剤師に求められる役割が大きく変化したためです。

厚生労働省が示す「患者のための薬局ビジョン」でも、薬局は「かかりつけ薬剤師・薬局」として、対物業務から対人業務へのシフトが求められています。

このような背景のもと、地域医療の臨床現場で、広範な薬物療法に関する高度な専門性を発揮し、医療チームの中で活躍できる薬剤師を育成・認定することが、本制度の目的です。

また、認定者の名簿を公開し、高度なスキルを持つ薬剤師を社会に示すことで、患者や他職種が専門家へアクセスしやすくする狙いもあります。

臨床能力と研究的視点を兼ね備えた専門家を育成し、地域医療全体の質向上に貢献することが最終的なゴールです。

地域薬学ケア専門薬剤師の役割

地域薬学ケア専門薬剤師には、地域医療における「薬物療法のスペシャリスト」としての役割が求められます。

具体的には、在宅訪問や介護施設での服薬管理、ポリファーマシー(多剤併用)の解消、患者の検査値や状態を把握した上での処方提案などが挙げられます。

また、地域の医師、看護師、ケアマネジャーなど多職種と積極的に連携し、医療チームの一員として薬学的知見を提供することも重要な役割です。

さらに、地域住民への健康サポートや、後進の薬剤師への指導・教育といったリーダー的な役割も期待されています。日々の知見を症例報告や研究として発信し、医療の発展に寄与することも求められます。資格更新に向けた自己研鑽も重要な責務です。

地域薬学ケア専門薬剤師の主な業務内容

地域薬学ケア専門薬剤師の主な業務内容

地域薬学ケア専門薬剤師の業務は、日本医療薬学会が定める「地域薬学ケア専門薬剤師養成研修コアカリキュラム」に到達目標として示された内容から、以下のように想定できます。

● 地域包括ケアシステムにおける多職種連携
地域の医療・介護チーム(医師、看護師、ケアマネジャー等)に参画し、薬物療法に関する専門的知見を提供します。患者情報を共有し、治療方針の決定に関与します。

● 
高度な処方監査と調剤技術
患者の病態、検査値、副作用歴などを多角的に評価し、処方の妥当性を監査します。必要に応じて医師へ疑義照会や処方提案をします。

● 
薬物療法のモニタリングと患者指導
在宅訪問や外来指導を通じて、患者の服薬状況や副作用の発現を継続的にモニタリングします。患者や家族に対し、治療効果を最大化するための指導をします。

● 
医薬品情報の収集・評価・提供
最新のガイドラインや臨床研究を常に収集・評価し、患者や他の医療従事者に正確な情報を提供します。

● 
地域医療における薬学研究と教育
自らの臨床活動をもとに症例報告や研究活動を実践し、地域の薬物療法の質向上に貢献します。また、地域の薬剤師への指導的な役割も担います。

これらを通じて、患者個々の生活背景を踏まえた薬物療法の実践が中核となります。

出典:日本医療薬学会|地域薬学ケア専門薬剤師養成研修コアカリキュラム

地域薬学ケア専門薬剤師(がん)の主な業務内容

地域薬学ケア専門薬剤師(がん)の主な業務内容

地域薬学ケア専門薬剤師(がん)は、上記の業務に加え、「地域薬学ケア専門薬剤師副領域(がん)養成研修コアカリキュラム」に基づく、より専門的ながん薬物療法に関わる業務を担います。

● 外来・在宅における抗がん剤治療のサポート
経口抗がん剤の適正使用推進、服薬アドヒアランスの確認をします。また、副作用を早期に発見し、対応(支持療法)します。

● 専門医療機関との連携(薬薬連携)
病院のがん専門薬剤師と連携し、患者の治療スケジュールや副作用情報を共有します。退院時カンファレンスへの参加や、トレーシングレポートを活用した情報提供も重要です。

● 
緩和ケアの薬学的管理
疼痛コントロール(医療用麻薬の適正使用指導、副作用対策)や、倦怠感、食欲不振などの苦痛な症状に対して薬学的に介入します。

● 
患者・家族への心理的・社会的サポート
がん治療に伴う患者や家族の不安に対し、薬学的側面から情報提供をし、精神的なサポートにも配慮します。

● 
専門医療機関連携薬局としての役割
地域薬学ケア専門薬剤師(がん)が常勤する薬局は、「専門医療機関連携薬局」の認定要件の一つを満たすことができ、地域のがん医療拠点としての役割を担えます。

これらの業務をこなすには高度な専門知識と連携能力が求められ、地域のがん医療を支える中核的な存在となるでしょう。

出典:日本医療薬学会|地域薬学ケア専門薬剤師副領域(がん)養成研修コアカリキュラム

地域薬学ケア専門薬剤師になるには?

地域薬学ケア専門薬剤師になるには?

地域薬学ケア専門薬剤師について、ここで解説するのは、以下の4つです。

● 地域薬学ケア専門薬剤師の認定要件
● 地域薬学ケア専門薬剤師(がん)の認定要件
● 施設での研修について
● 認定試験について(難易度・出題範囲)

地域薬学ケア専門薬剤師制度になるには、まず認定要件を満たす必要があります。

地域薬学ケア専門薬剤師の認定要件

地域薬学ケア専門薬剤師の認定(新規申請)を受けるには、以下の要件をすべて満たす必要があります。非常に多くの要件が設定されており、取得の難易度は高いと言えます。

【地域薬学ケア専門薬剤師の認定要件】

区分認定要件
資格・会員歴1. 日本国の薬剤師免許を有し、優れた人格と見識を備えていること。
2. 薬剤師としての実務経験が5年以上あること。
3. 申請時において、継続して5年以上日本医療薬学会の会員であること。
基礎資格4. 以下のいずれかの認定を受けていること。
・日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師
・日本病院薬剤師会 日病薬病院薬学認定薬剤師
・日本薬剤師会 生涯学習支援システム(JPALS)クリニカルラダー5以上
・その他、日本医療薬学会が認めた認定制度による認定薬剤師
研修歴5. 日本医療薬学会が認定する地域薬学ケア専門薬剤師研修施設(基幹施設・連携施設)において、研修ガイドラインに従い5年以上の研修歴を有すること(カンファレンス参加を含む)。
単位取得6. 別に定めるクレジットを5年間で50単位以上取得していること。
7. 専門薬剤師認定取得のための薬物療法集中講義に1回以上参加したこと。
実績8. 日本医療薬学会の年会に1回以上参加したこと。
9. 自ら薬学的管理を行った症例報告50症例(4領域以上の疾患)を提出すること。
10. 以下のいずれかの研究活動実績があること。
・学会発表:医療薬学に関する全国学会等で2回以上(うち1回は日本医療薬学会年会での筆頭発表)
・論文発表:医療薬学に関する学術論文(査読あり)を筆頭著者として1報以上
試験11. 日本医療薬学会が実施する専門薬剤師認定試験に合格すること。

これらの要件は、日々の業務に加えて長期間の研修、単位取得、学会発表、症例報告の作成、そして試験合格が必要となるため、計画的な準備が不可欠です。

5年で50単位以上取得していることが要件の1つですが、日本医療薬学会の年会に1回以上、専門薬剤師認定取得のための薬物療法集中講義に1回以上の参加は必須です。

研修は認定された研修施設(基幹・連携施設)でする必要があり、症例報告50例も求められます。これらをクリアした上で筆記試験にも合格する必要があり、難易度は非常に高いと言えるでしょう。

出典:日本医療薬学会|地域薬学ケア専門薬剤師制度

地域薬学ケア専門薬剤師(がん)の認定要件

地域薬学ケア専門薬剤師(がん)の認定を受けるには、上記の「地域薬学ケア専門薬剤師」の認定要件に加えて、がん領域に関する追加要件を満たす必要があります。

【地域薬学ケア専門薬剤師(がん) 追加認定要件】

区分追加要件
研修歴・「地域薬学ケア専門薬剤師」の研修歴(要件5)に代わり、がん領域の研修ガイドラインに従った5年以上の研修歴を有すること。
単位取得・「薬物療法集中講義」(要件7)に加え、「がん専門薬剤師集中講座」に1回以上参加したこと。
・クレジット(要件6)は、がん領域に関連する単位を含む必要がある。(※単位数は要確認)
実績・症例報告(要件9)は、基本の50症例に加え、がん領域の症例報告20症例を追加で提出すること。
・研究活動(要件10)は、がんに関連したものを含むこと。
試験・専門薬剤師認定試験(要件11)において、がん領域に関する試験にも合格すること。

副領域(がん)の取得は、基本要件に上乗せされる形で、より専門的な研修と実績が求められるため、さらに難易度が高くなります。

特にがん領域での症例報告が追加で必要となる点が大きなポイントです。
地域薬学ケア専門薬剤師(がん)は、以下のような薬剤師の方が、向いています。

● 地域医療において幅広い領域やがん領域で活躍したいと考えている、もしくはすでに活躍している薬剤師の方
● 特定の地域で継続的に薬剤師として活動したい薬剤師の方
● 研究と臨床、どちらの活動もしたい薬剤師の方

地域薬学ケア専門薬剤師(がん)の認定を取得する過程で、認定研修施設である薬局や病院での臨床活動、学会や論文発表といった研究活動の両方をする必要があり、がんを含めた幅広い領域の薬物療法について深く学び、実践して身に着けられます。

認定を取得すると、日本医療薬学会ホームページに氏名と所属施設が掲載されます。薬剤師といった医療従事者だけでなく、介護職や一般の方からも、がん領域の専門知識をもつ地域包括ケアにおける薬物療法の相談役として認識されるというのもメリットです。

地域においてがんを専門にし、幅広く貢献していきたいという意思を持つと薬剤師にとっては、ぴったりの認定資格です。

なお、薬局が「専門医療機関連携薬局」の要件を満たすためには、地域薬学ケア専門薬剤師(がん)が常勤として勤務していることが条件なので、勤務先でも重要な存在になります。

出典:日本医療薬学会|地域薬学ケア専門薬剤師制度

施設での研修について

認定要件の中核となるのが、5年以上の研修歴です。

この研修は「基幹施設」(主に要件を満たした病院)と「連携施設」(主に薬局)が連携して行います。薬剤師はまず、所属する薬局などが「連携施設」としての認定を受ける必要があります。

連携施設になるための条件の一つに、医療薬学専門薬剤師といった資格を持つ薬剤師が常勤で勤務していることがあります。日常業務の多くは、所属する連携施設において、この指導薬剤師のもと、コアカリキュラムに沿って実施される仕組みです。

それに加え、月に数回程度、「基幹施設」である病院で開催されるカンファレンスや症例検討会に参加し、病院の指導薬剤師から直接指導を受ける必要があります。

このように、薬局と病院(研究施設としての側面も持つ)が連携して、地域医療と高度医療の両面から薬剤師を育成する体制が特徴です。

なお、後述する「暫定認定」を受けた薬剤師も、申請時には研修歴は不要ですが、申請時点で連携研修先基幹施設が内定しており、かつ認定後にこの5年間の研修を開始する必要があります。

暫定認定はあくまでスタートラインであり、研修を経て正規の更新(新規認定)を目指すことになります。

出典:
日本医療薬学会|地域薬学ケア専門薬剤師制度
日本医療薬学会|2025年度 地域薬学ケア専門薬剤師研修施設(連携施設)認定申請

認定試験について(難易度・出題範囲)

認定試験は、新規認定要件の最後(暫定認定の場合は不要)に課される関門です。試験は、地域薬学ケア専門薬剤師として必要な広範な知識と臨床での実践能力を問う内容となります。

 

● 実施時期:通常、年1回実施されます。

● 出題範囲:日本医療薬学会が定めるコアカリキュラムに基づき、薬物療法全般、地域医療(在宅、多職種連携)、関連法規など、幅広い領域から出題されます。副領域(がん)を申請する場合は、がん薬物療法に関する専門的な内容も追加されます。

● 
難易度:5年以上の実務経験と専門研修を経た薬剤師が対象であり、症例報告や学会発表といった要件をクリアした上で臨む試験であるため、相応の難易度とされています。合格率は公表されていませんが、専門薬剤師試験として十分な対策が必要です。

試験の詳細は、必ず最新の学会情報を確認してください。試験範囲(出題ガイドライン)や例題(2024年3月)、参考図書(2024年3月)が公表されています。

出典:日本医療薬学会|認定試験

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暫定認定の申請方法

暫定認定の申請方法

「暫定認定」は、2021年1月に新設された本制度の過渡的措置として設けられました。

地域薬学ケア専門薬剤師の要件を満たすには5年以上の研修が必要ですが、制度開始以前から既に地域医療で実績を持つ薬剤師がスムーズに資格取得できるよう、一部の要件(長期研修や試験など)が免除されています。

ただし、これはあくまで時限的な措置です。暫定認定(認定期間5年)を受けた薬剤師は、期間内に正規の新規取得要件の不足分を満たす必要があり、満たせなければ更新できません。

出典:日本医療薬学会|2025年度 地域薬学ケア専門薬剤師 暫定認定申請

暫定認定の申請期間

暫定認定(過渡的措置)の申請期間は、2021年1月の認定開始から、「2027年度の申請分まで」と定められています。

この期間は、既に薬局などで十分な実務経験や実績を持つ薬剤師が、新制度へ移行するために設けられたものです。そのため、通常の新規申請とは異なり、申請できる期間が限られています。この過渡的措置は、2027年度の申請分まで実施される予定です。

2025年度の申請の場合、申請受付期限は以下の通りです。

● 申請受付期限:2025年11月26日(水)

この期限までに、オンラインでの書類アップロードと申請手数料の振込の両方を完了させる必要があります。期限を過ぎると受付ができないため注意が必要です。

出典:
日本医療薬学会|2025年度 地域薬学ケア専門薬剤師 暫定認定申請
日本医療薬学会|地域薬学ケア専門薬剤師(暫定認定)Q&A (ver.3)

暫定認定の申請要件

暫定認定の申請には、まず「連携研修を行う研修施設(基幹施設)が内定している」こと、そして「勤務する薬局が連携施設である(または同年度内に申請予定)」ことが前提となります。研修先が未定の場合は申請できません。

その上で、申請時点(見込み不可)で以下の要件をすべて満たす必要があります。新規認定と比べて、5年以上の研修歴や認定試験、50症例の症例報告などが免除されています。

【暫定認定 申請要件】

区分

暫定認定の要件

会員歴1. 申請時に日本医療薬学会の会員であること。
実務経験2. 薬剤師としての実務経験が5年以上、うち薬局での実務経験が1年以上あり、現在薬局に「常勤」として勤務していること。
基礎資格3. 以下のいずれかの認定を受けていること。
・日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師
・日本病院薬剤師会 日病薬病院薬学認定薬剤師または日病薬生涯研修履修認定薬剤師
・日本薬剤師会 生涯学習支援システム(JPALS)クリニカルラダー5以上
・日本医療薬学会 医療薬学専門薬剤師 など
実績4. 医療薬学に関する全国学会等での筆頭発表が1回以上、もしくは査読ありの全国的学会誌等に筆頭論文が1報以上あること。
単位取得5. 以下を含むクレジットを5年以内に20単位以上取得していること。
・日本医療薬学会の年会参加(1回以上)
・専門薬剤師認定取得のための薬物療法集中講義参加(1回以上)

 

地域薬学ケア専門薬剤師(がん)の暫定認定を申請する場合、上記1~5の要件に加え、以下の要件も満たす必要があります。

● 上記5.の単位に「がん専門薬剤師集中教育講座」の受講(1回以上)を含んでいること。
● 上記4.の実績(学会発表または論文)が、「がん領域」のものであること。

さらに、連携研修において、基幹施設が日本医療薬学会の「がん専門薬剤師研修施設」として認定された施設であること、その施設で副領域(がん)の研修ガイドラインにも従った研修が受けられることも追加要件になります。

出典:日本医療薬学会|2025年度 地域薬学ケア専門薬剤師 暫定認定申請

暫定認定の申請手数料

暫定認定の申請には、以下の手数料が必要です。

1. 認定審査料:11,000円(税込)
申請時に納付します。2025年度申請の場合、振込期日は2025年11月26日(水)です。

2.認定料:22,000円(税込)
審査に合格し、認定された際に別途納付します。

一度納付された認定審査料は、審査の結果不認定となった場合や、自己都合で申請を取り下げた場合でも返納されません。申請者本人以外の名義からの振り込みの場合には、振込手続き後に必要事項をメール連絡する必要があります。領収証も連絡すれば、発行してもらえます。

出典:日本医療薬学会|2025年度 地域薬学ケア専門薬剤師 暫定認定申請

暫定認定の提出方法と必要書類

申請は、学会のWebサイトを通じたオンライン提出で行います。

1. 申請書類の準備
学会サイトから指定の「暫定認定申請書(様式1~5)」(Excelファイル)をダウンロードし、必要事項を入力します。

2. 証明書類のPDF化
以下の必要書類をPDF化します。
 ・薬剤師免許証の写し
 ・基礎資格(研修認定薬剤師など)の認定証の写し
 ・年会、集中講義、がん集中講座の参加証明書
 ・学会発表(要旨集の表紙と要旨ページ)または論文(別刷り)の業績証明
 ・クレジット(単位)の証明書

3. アップロード
作成した申請書(Excel)と、PDF化した各種証明書類を、「会員番号_氏名」という名称のフォルダに一つにまとめます。 そのフォルダを、指定された申請データアップロード画面から提出します。

提出期限(2025年度は11月26日)を過ぎるとアップロード画面が閉鎖されます。

出典:日本医療薬学会|2025年度 地域薬学ケア専門薬剤師 暫定認定申請

新規認定の申請方法

新規認定の申請方法

新規認定は、暫定認定(過渡的措置)を経由せず、正規のルートで認定を目指す方法です。暫定認定の対象とならない薬剤師や、これから研修を開始する薬剤師が対象となります。

新規認定では、5年以上の研修施設での研修、50症例以上の症例報告、学会発表、認定試験の合格など、前述したすべての要件を満たす必要があります。

暫定認定と比べてハードルは格段に上がりますが、地域薬学ケアの専門家として体系的なトレーニングを積むことが可能です。

出典:日本医療薬学会|2025年度 地域薬学ケア専門薬剤師 新規認定申請

新規認定の申請期間

新規認定の申請は、暫定認定とはスケジュールが異なり、通常、年1回実施します。

5年間の研修を修了し、すべての要件を満たした薬剤師が、その年度の申請期間内に手続きをするのです。申請年度によって、留意事項が異なるので、注意してください。

新規認定申請期間は、認定試験の実施前に設定されますが、研修の修了見込みで申請を行う場合が多いため、研修スケジュールと申請タイミングを指導薬剤師や基幹施設とよく相談しておく必要があります。

申請者の不足する研修期間が3カ月未満の場合は、研修修了見込みとすることが可能です。詳細は日本医療薬学会の公式サイトで確認してください。

出典:日本医療薬学会|2025年度 地域薬学ケア専門薬剤師 新規認定申請

新規認定の申請要件

新規認定の申請要件は、本記事の「地域薬学ケア専門薬剤師の認定要件」セクションで詳述したとおりです。

【新規認定 申請要件(再掲)】

区分

認定要件

資格・会員歴1. 日本国の薬剤師免許を有し、優れた人格と見識を備えていること。
2. 薬剤師としての実務経験が5年以上あること。
3. 申請時において、継続して5年以上日本医療薬学会の会員であること。
基礎資格4. 以下のいずれかの認定を受けていること。
・日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師
・日本病院薬剤師会 日病薬病院薬学認定薬剤師
・日本薬剤師会 生涯学習支援システム(JPALS)クリニカルラダー5以上
・その他、日本医療薬学会が認めた認定制度による認定薬剤師
研修歴5. 日本医療薬学会が認定する地域薬学ケア専門薬剤師研修施設(基幹施設・連携施設)において、研修ガイドラインに従い5年以上の研修歴を有すること(カンファレンス参加を含む)。
単位取得6. 別に定めるクレジットを5年間で50単位以上取得していること。
7. 専門薬剤師認定取得のための薬物療法集中講義に1回以上参加したこと。
実績8. 日本医療薬学会の年会に1回以上参加したこと。
9. 自ら薬学的管理を行った症例報告50症例(4領域以上の疾患)を提出すること。
10. 以下のいずれかの研究活動実績があること。
・学会発表:医療薬学に関する全国学会等で2回以上(うち1回は日本医療薬学会年会での筆頭発表)
・論文発表:医療薬学に関する学術論文(査読あり)を筆頭著者として1報以上
試験11. 日本医療薬学会が実施する専門薬剤師認定試験に合格すること。

 

【副領域(がん)の追加要件】

副領域(がん)を同時に申請する場合は、研修歴、単位、症例報告(+20症例)、実績、試験において、がん領域の追加要件を満たす必要があります。

出典:日本医療薬学会|2025年度 地域薬学ケア専門薬剤師 新規認定申請

新規認定の申請手数料

新規認定の申請には、申請手数料(審査料)および認定試験の受験料が必要です。

● 申請手数料(審査料):例)11,000円(税込)
● 試験受験料:例)16,500円(税込)
● 認定料:例)22,000円(税込) ※審査・試験合格後に別途必要

申請手数料と試験受験料は、申請時に同時に納付するのが一般的です。

これら手数料も、申請の取り下げや不認定・試験不合格の場合でも返納されません。暫定認定と異なり、試験受験料も含まれるため、金額に注意が必要です。

金額は年度によって変更される可能性があるため、最新の情報をご確認ください。

出典:日本医療薬学会|2025年度 地域薬学ケア専門薬剤師 新規認定申請

新規認定の申請手続きの流れ

新規認定の申請手続きは、長期間の研修の集大成となります。

1. 研修修了(見込み)
5年間の研修ガイドラインを完了し、症例報告や学会発表などの要件を満たします。

2. 申請書類の準備
申請書、薬剤師免許(写し)、会員歴証明、基礎資格認定証(写し)、研修手帳(写し)、研修修了(見込)証明書、症例報告(50症例)、業績目録(学会発表・論文)、単位取得証明書など、膨大な書類を準備します。

3. オンライン申請・書類提出
学会の指定する申請システムから情報を入力し、必要書類をアップロードまたは郵送します。4. 申請手数料・受験料の納付
指定された手数料を納付します。支払方法は、クレジットカード決済か銀行振込のいずれかです。

5. 認定試験の受験
申請書類審査を通過後、認定試験を受験します。

6. 合格・認定
試験に合格し、理事会の承認を経て、認定料を納付します。認定証が交付され、学会の名簿に登録されます。

審査結果は翌年1月中旬迄に申請者宛にメールにて通知されます。認定証などの交付はその後になります。

出典:日本医療薬学会|2025年度 地域薬学ケア専門薬剤師 新規認定申請

地域薬学ケア専門薬剤師の資格を取得するメリット

地域薬学ケア専門薬剤師、特に副領域(がん)の資格を取得することには、多くのメリットがあります。

1. 専門性の客観的な証明
地域医療、特に在宅医療や多職種連携における高度な実践能力を学会が認定するため、自身の専門性を客観的に証明できます。

2. キャリアアップと信頼の獲得
地域の医師や看護師、ケアマネジャーからの信頼が高まり、薬物療法の提案や連携がスムーズになります。転職市場においても、高度な専門性を持つ薬剤師として高く評価されます。

3. 「専門医療機関連携薬局」への貢献
副領域(がん)の資格は、薬局が「専門医療機関連携薬局」(がん)の認定を受けるための人員要件の一つです。資格者が在籍することで、薬局の機能強化に大きく貢献できます。4. 体系的な知識の習得と更新
5年間の研修と継続的な更新(5年ごと)を通じて、最新の医療薬学知識を体系的に学び続けられます。

取得難易度は高いですが、それに見合うメリットがある資格と言えます。

出典:厚生労働省|専門医療機関連携薬局について

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まとめ

この記事では、地域薬学ケア専門薬剤師とは何か、副領域(がん)の役割、そして認定要件について解説しました。正規の新規認定は難易度が高い一方、暫定認定の道も開かれています(申請期限に注意してください)。

地域医療のスペシャリストを目指す方は、この機会に要件を確認し、挑戦してみてはいかがでしょうか。

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