薬剤師資格を持つ人の就職先として、研究職という選択肢があります。新しい物質の発見や医薬品の開発は、非常にやりがいのあるものです。しかし、募集自体が多くはなく、身近に研究職についている人がいない、実情がよくわからない、とお困りの方もいるのではないでしょうか?
薬剤師が研究職に転職するためには、どのような準備が必要なのでしょうか?今回の記事では、研究職の年収や転職のための条件などを解説します。研究職に興味のある方の参考になれば幸いです。
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👉薬剤師の転職相談はこちら(無料)そもそも研究職とは?
研究職は、製薬企業や化学メーカー、研究機関等に所属して、新たな成分の発見や、製品の効果・安全性・副作用などの検証などをおこないます。
薬剤師は化学の専門家でもあるため、医薬品だけでなく、化粧品や殺虫剤など、あらゆる領域の化学製品を扱う研究職を目指すことが可能です。
研究職は、基礎研究・応用研究の2つに大まかに分けられます。
基礎研究は、新しい物質や原理を探求するものです。医薬品の基礎研究は創薬研究とも呼ばれ、新しい成分の開発を目指します。非常に長い年月がかかり、製薬企業のほか、大学や研究機関でもおこなわれます。
応用研究は、基礎研究で発見したものを実用化するための研究です。非臨床研究と呼ばれることもあります。
研究職と開発職との違い
研究職と開発職は、まとめて「研究開発職」と呼ばれることもありますが、実際には異なります。
開発職は、実際の製品化を目指す職種です。医薬品の場合だと、新薬の承認申請のための臨床試験をコーディネートするのが開発職となります。治験計画書の作成や治験の進行管理、関係各所への連絡などを担い、臨床試験を円滑に進めるためには欠かせない職種です。
研究職の給与目安
研究職は、薬剤師の資格を持つ人材が働く各職種の中では、給与が高い傾向にあります。製薬企業や公的機関に所属するケースが多く、福利厚生も比較的安定しており、高待遇と言えるでしょう。
同じく製薬企業に所属するMR職や臨床開発モニター(CRA)と比較しても、給与水準は高いです。
しかし、研究職の中途採用求人は少なく、転職のハードルは高くなっています。
職種 | 平均年収 |
薬学研究者 | 740万円 |
病院薬剤師 | 550万円 |
保険薬局薬剤師(一般) | 472万円 |
保険薬局薬剤師(管理薬剤師) | 721万円 |
薬剤師(全体) | 578万円 |
MR職 | 580万円 |
臨床開発モニター(CRA) | 478万円 |
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👉薬剤師の転職相談はこちら(無料)研究職に必要なスキルと資格は?
研究職を目指したい方に必要なスキルや資格はどのようなものがあるでしょうか?代表的な4つをご紹介します。研究職を目指したい方は、計画的に準備する必要があるでしょう。
修士・博士課程を修了する
研究職は、非常に狭き門です。研究所や企業は、非常に長い年月・膨大なコストをかけて研究・開発をします。
大学院を修了していることが、研究を任せられる人材かどうかの、わかりやすい判断材料となるため、ほとんどの求人で博士号が必須です。まれに必須条件としていないケースもありますが、博士号を取得していれば他の応募者と差別化することができます。
さらに、大学院で実際に研究したテーマが重視される傾向もあります。大学院での研究内容と類似性のある研究をおこなっている研究所や企業を選ぶと、転職活動も有利に進められるのではないでしょうか。
学会発表や論文執筆の経験
研究職では、実験と遂行する力のほか、データの分析能力、論理的な思考力なども重要です。
学会発表や論文執筆をおこなっていれば、一定水準の分析能力や思考力があると推察することができます。とくに、修士号・博士号を取得していない方で研究職を目指したい場合、学会発表や論文執筆は積極的におこなうべきでしょう。
日本固有の制度として、「課程外博士・論文博士」もあります。一定の資格を満たしていれば、大学院に論文を提出し審査を受けることで、博士の学位を取得できるという制度です。働きながらの研究活動でも、博士号取得を目指せるかもしれません。
コミュニケーションスキル
研究職は、一人で黙々と作業をするという印象があるかもしれませんが、実際にはコミュニケーションスキルが欠かせません。
研究チームのメンバーと良好な関係を築くことができなければ、日々のディスカッションや情報共有がうまくいかず、研究も円滑に進められないでしょう。
また、他部署の人・専門知識のない人に対して、研究の意義や成果をわかりやすく説明する機会も多くあります。研究内容を正確かつ簡潔に伝える能力は、研究の価値を理解してもらうために非常に重要です。
忍耐強く前向きな性格
基礎研究・応用研究は、研究結果がすぐに出るとは限りません。
多くの研究は、何年にもわたる失敗と試行錯誤の連続です。実際、1つの薬ができるまでには10〜15年がかかると言われています。そのため、研究職には、一度の失敗で諦めるのではなく、粘り強く取り組み続ける姿勢が求められます。目の前のデータと誠実に向き合い、地道な作業を積み重ねていく忍耐力は不可欠です。
また、なかなか成果の出ない難しい状況であっても前向きに改善策を考えられる柔軟さや楽観性も、研究を長く続けていくうえで重要な資質といえるでしょう。
薬剤師から研究職へ転職するには?実例付きでご紹介
研究職への転職は狭き道ですが、例外がないわけではありません。大学院を卒業後、薬剤師の経験を経て、研究職へ進んだ事例があります。
働きながらも研究職への未練があり、早い段階でもう一度チャレンジしたいと考え、求人を探していたようです。しかし、自分だけで求人を探すのは難しいと判断し、転職エージェントに相談をしてくれました。
すぐには求人が見つかりませんでしたが、エージェントの持つネットワークでいくつかの研究職の欠員を見つけ、応募書類の準備や面接練習を重ねました。努力の甲斐あり、製薬会社の研究職の内定を得ることができました。
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今回ご紹介したような「研究職」は、求人自体が少なく、非常に狭き門です。応募にあたり、書類や面接の準備が重要です。ヤクジョブでは、一人ひとりに担当エージェントがつき、理想の転職をサポートいたします。
また、企業の求人として、治験コーディネーターや臨床開発モニター、統計解析担当者なども取り扱っています。求人探しだけでなく、キャリアのご相談をお受けすることも可能です。お気軽にご連絡ください。
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👉薬剤師の転職相談はこちら(無料)まとめ
今回は、研究職がどういったものか、開発職との違い、研究職に求められるスキルなどについてご紹介しました。
研究職は募集が少なく狭き門です。研究職への転職を目指したい場合は、研究の経験を積むなど、入念に準備をおこなう必要があるでしょう。
応募書類の準備や面接練習も必要です。採用の可能性を高めたい方は、薬剤師専門の転職エージェント「ヤクジョブ」の活用も検討してみてください。ヤクジョブでは、理想のキャリアを手に入れるためのサポートが可能です。