漢方養生指導士・漢方コーディネーターとは?年収の目安や必要な資格まで徹底解説!

漢方養生指導士・漢方コーディネーターとは?年収の目安や必要な資格まで徹底解説!

漢方養生指導士・漢方コーディネーターとは?年収の目安や必要な資格まで徹底解説!

「学生時代、漢方薬のことをよく勉強しなかったから、分からない」「漢方薬の資格ってどんなものがあるのだろう」と考えている薬剤師の方もいるのではないでしょうか。

漢方薬は医療用医薬品に限らず、OTCでも需要が高いので、患者や購入者へ説明するために知識が必要です。しかし、大学で学んだことだけでは、患者などへの指導には十分ではないため、漢方薬が苦手な薬剤師も多くいます。そこで、薬剤師業務にも活かせて転職のときにも有利な漢方薬に関する資格と取得方法などを紹介します。

この記事では、「漢方養生指導士」「漢方養生指導士 漢茶マスター」「漢方養生指導士 薬膳マスター」「漢方養生指導士 薬物学マスター」「漢方薬・生薬認定薬剤師」「中国漢方ライフアドバイザー」の6つの漢方薬資格ついて、ドラッグストア勤務経験があり、「漢方薬・生薬認定薬剤師」資格を持つ元病院薬剤師が紹介します。ぜひ最後まで読んでみてください。

漢方養生指導士・漢方コーディネーターとは?

漢方養生指導士は日本漢方養生学協会が認定する資格で、漢方の中でも特に「養生」に関するスキルを身につけられます。養生とは、漢方に根付いている概念で、生活習慣を整えることで病気を予防し、健康を維持する総合的な方法のことです。漢方コーディネーターとは、日本安全食料料理協会(JSFCA)が認定する資格で、漢方の基礎知識や独自の診断方法、使い方などについて、一定以上の理解があれば認定されます。試験では漢方の基礎知識や漢方薬の特徴、漢方の思想、漢方薬の使い方などが問われます。

漢方養生指導士・漢方コーディネーターの主な仕事内容

生薬とは、植物の葉や茎、根、鉱物、動物のなかで薬効がある一部分を加工したものです。漢方とは、生薬を組み合わせて作る漢方薬を使って、人間が本来持つ自然治癒力を引きだすことで、漢方養生指導士と漢方コーディネーターはどちらも、漢方の知識を持って病気予防や体質改善のために、以下のようなことアドバイスをするのが仕事です。

● 症状や体質に合った生薬の組み合わせ
● 漢方薬の服用方法
● 食事や生活環境の改善

漢方薬にはすぐには効果を実感できない可能性があることなど、漢方に関する知識を伝え、同時に服用指導も行います。相談にみえた方などに漢方への理解を深めてもらって、漢方を広めるという役割もあります。

漢方養生指導士・漢方コーディネーターの給料・年収の目安

漢方養生指導士・漢方コーディネーターの給料・年収の目安は、就業場所によって異なりますが、1か月20日勤務で初任給20~21万円/月くらいです。国税庁の令和4年分民間給与実態統計調査によれば、平均給与は458万円で、これよりは低めになっています。
参考:国税庁|令和4年分 民間給与実態統計調査

初任給であること、比較的新しい資格であるために若い人が就業しているであろうと予測されるために、このような値が提示されていると思われます。

漢方養生指導士・漢方コーディネーターになるには?

漢方養生指導士や漢方コーディネーターになるには、どちらも、漢方や生薬についての知識を身に付ける必要があります。漢方養生指導士になるには、薬日本堂漢方スクール開催の「漢方養生指導士ベーシック」を受講しなければなりません。誰でも受講可能ですが、修了後、資格認定試験を受験します。

漢方コーディネーターになるには、漢方コーディネーター資格認定試験を受験し、合格しなければなりません。受験資格はないので、知識があれば誰でも受験でき、合格すれば、漢方コーディネーターになれます。ただし、協会認定のスペシャル講座を受講し、添削課題を全てクリア後、卒業課題を提出すれば、試験免除で「漢方コーディネーター」と「薬膳調整師」の2資格が講座卒業と同時に取得できるという方法もあります。

漢方養生指導士・漢方コーディネーターの活躍する業界

漢方薬専門店や漢方薬局、カルチャースクール講師などで活躍できます。普段食べている食品やお茶などについて、漢方の理論に基づいて学ぶので、健康管理に役立てられます。国家資格ではありませんが、食や栄養に関わる栄養士や調理師、運動に関わる資格のトレーナーやインストラクターなど、健康管理を仕事にしている人の2つめの資格、資格はないが健康アドバイザーとして活躍したい人、自らの健康管理に役立てたい人におすすめです。

漢方養生指導士・漢方コーディネーターに必要な資格とは?

漢方の知識を持って病気予防や体質改善のためにアドバイスをするのが仕事の漢方養生指導士と漢方コーディネーターは、以下のような資格を持っていればなれます。

1:漢方養生指導士

「漢方養生指導士」とは、漢方理論に基づいて、季節および体調、体質に合わせた養生を行うことで、心も体も健やかな生活をつくることを指導できる人です。「漢方養生指導士」の資格取得コースを開催しているのは、薬日本堂漢方スクールです。すべてのコースは講座を受講後、認定試験に合格することで資格が得られます。

開催されているコースは以下のとおりです。

●  漢方養生指導士 ベーシック
● 漢方養生指導士 アドバンス
● 漢方養生指導士 漢茶マスター
● 漢方養生指導士 薬膳マスター
● 漢方養生指導士 薬物学マスター
● 漢方養生指導士 臨床マスター

第一歩になる、漢方養生指導士 ベーシックの詳細は以下のとおりです。

【漢方養生指導士 ベーシックの取得方法】

項目 内容
実施機関 薬日本堂漢方スクール
コース内容1単位:1時間、全18単位中15単位以上の講義出席でコース修了
費用入学金11,000円(税込)+通学:42,000円(税込)
オンラインもしくは通信:37,800円(税込)*教材費込
認定試験受験料6,600円(税込)
合否判定方法正解率80%で合格。合格した方には、日本漢方養生学協会の認定証発行(更新不要の永久資格)

参考:薬日本堂漢方スクール|漢方養生指導士 ベーシックコース
※「2024年4月時点」

漢方養生指導士 ベーシックは、通信コースの場合、最短で1か月で取得可能です。漢方養生指導士 ベーシック取得後に漢方養生指導士 アドバンスコースが受講でき、試験に合格すれば、漢方養生指導士 アドバンスに認定されます。

2:漢方養生指導士 漢茶マスター

「漢方養生指導士 漢茶マスター」とは、食材でもあり生薬でもあるもの「食薬」の効能についての知識を持ち、体調や体質にあった漢茶を提案できる人のことです。「漢方養生指導士 ベーシック」「漢方養生指導士 アドバンス」の上級資格で、ステップアップして、薬日本堂漢方スクールで開催されている講座を受講後、認定試験に合格することで資格が得られます。

【漢方養生指導士 漢茶マスターの取得方法】

項目 内容
実施機関 薬日本堂漢方スクール
コース内容1単位:1時間、全24単位中20単位以上の講義出席でコース修了
費用通学:88,000円(税込)*教材費込
認定試験受験料13,200円(税込)
合否判定方法 正解率80%で合格。合格した方には、日本漢方養生学協会の認定証発行(更新不要の永久資格)

参考:薬日本堂漢方スクール|漢方養生指導士 漢茶マスターコース
※「2024年4月時点」

漢方養生指導士漢茶マスターコースでは、症例検討を繰り返し行うので、体調・体質の理解が深まり、本格的な漢茶の提案力が身につきます。漢方養生指導士 漢茶マスターは、更新が不要の永久資格です。体調に合わせてお茶や薬酒がブレンドできるようになりたい方、周囲の人の悩みに寄り添った食薬をアドバイスしたい方におすすめです。

3:漢方養生指導士 薬膳マスター

「漢方養生指導士 薬膳マスター」とは、身近な食材の効能を理解して、漢方理論を根拠に体質にあったレシピを提案できる人のことです。「漢方養生指導士 ベーシック」「漢方養生指導士 アドバンス」の上級資格で、ステップアップして、薬日本堂漢方スクールで開催されている講座を受講後、認定試験に合格することで資格が得られます。

【漢方養生指導士 薬膳マスターの取得方法】

項目内容
実施機関薬日本堂漢方スクール
コース内容1単位:1時間、全24単位中20単位以上の講義出席でコース修了
費用通学:88,000円(税込) オンライン:79,200円(税込)*教材費込
認定試験受験料13,200円(税込)
合否判定方法正解率80%で合格。合格した方には、日本漢方養生学協会の認定証発行(更新不要の永久資格)

参考:薬日本堂漢方スクール|漢方養生指導士 薬膳マスターコース
※「2024年4月時点」

漢方養生指導士薬膳マスターコースでは、食材の効能や食材の相性と禁忌、漢方理論をベースにしたレシピの組み立て方、効能を生かす調理方法が身につきます。漢方理論をベースにしたレシピ提案できる人を養成するコースですが、飲食業界で専門知識を活かしたい方や薬膳カフェなどを開きたい方にもおすすめです。

漢茶マスターと一緒に取得すれば、より強い武器になります。

4:漢方養生指導士 薬物学マスター

「漢方養生指導士 薬物学マスター」とは、生薬と漢方薬の効能と適切な使い方を理解して、臨床で活かせる知識を持つ人のことです。「漢方養生指導士 漢茶マスター」「漢方養生指導士 薬膳マスター」のさらに上級資格で、薬日本堂漢方スクールで開催されている講座を受講後、認定試験に合格することで資格が得られます。

【漢方養生指導士 薬物学マスターの取得方法】

項目内容
実施機関薬日本堂漢方スクール
コース内容1単位:1時間、全54単位中44単位以上の講義出席でコース修了
費用通学:264,000円(税込)
オンライン:250,800円(税込) *教材費込
認定試験受験料16,500円(税込)
合否判定方法正解率80%で合格。合格した方には、日本漢方養生学協会の認定証発行(更新不要の永久資格)

参考:薬日本堂漢方スクール|漢方養生指導士 薬物学マスターコース
※「2024年4月時点」

漢方養生指導士薬膳マスターコースでは、生薬の効能・禁忌、漢方薬の組成や服用方法、選定法が身につきます。漢方養生指導士 薬膳マスターは、更新が不要の永久資格です。生薬や漢方薬に興味のある方、病院や薬局でも取扱う漢方薬の特徴や使い方を知りたい方、医療現場で漢方の知識を活かしたい方におすすめです。

5:漢方薬・生薬認定薬剤師

「漢方薬・生薬認定薬剤師」とは、漢方薬・生薬に関してある一定以上の知識や能力、適性を持っていることを試問などで確認し、その能力を証明された薬剤師のことです。薬剤師であれば特に実務経験は問われず、研修を受講し、試問に合格することで取得できます。

「漢方薬・生薬認定薬剤師」を新規取得する方法は以下のとおりです。

【漢方薬・生薬認定薬剤師の取得方法】

項目 内容
実施機関 日本生薬学会と日本薬剤師研修センター
研修内容月1回の講義研修(座学とインターネットから選択)と1回の薬用植物園実習(全国各地開催、レポート提出)。修了者には修了証発行
費用税込60,500円 (本体55,000円、税5,500円)
*テキスト代、試問料込
試問合格で発行の「漢方薬・生薬認定薬剤師証」は別途有料
認定期間3年間
更新方法認定期間中に30単位以上(毎年5単位以上、必須研修を10単位以上)

参考:日本生薬学会|漢方薬・生薬認定薬剤師制度
参考:日本薬剤師研修センター|漢方薬・生薬認定薬剤師になるには
※「2024年4月時点」

更新には、認定期間中に30単位以上(毎年5単位以上、必須研修を 10 単位以上含む)漢方薬・生薬に関する研修を受講する必要があります。毎月1回の研修を受講することから始められるので、漢方薬を得意分野にしたい薬剤師には狙い目の資格でしょう。

6:中国漢方ライフアドバイザー

「中国漢方ライフアドバイザー」とは、漢方の基礎知識や症状別漢方の基礎知識、一般用漢方薬の知識、漢方を料理や美容に取り入れる知識までを総合的に学習し、活用する技能を習得したことを証明する資格です。

「中国漢方ライフアドバイザー」取得する方法は以下のとおりです。

【中国漢方ライフアドバイザーの取得方法】

項目 内容
実施機関一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)
教育訓練内容認定教育機関「資格のキャリカレ」などが行なう資格取得講座を受講。DVD視聴して添削問題提出(全5回)
費用資格取得講座受講料:通常価格49,600円(税込)
*各種割引あり
受験料:5,600円(税込)
受講期間4か月
受講開始から最長約2年間無料でサポート
合否判定方法すべてのカリキュラム終了後、検定試験を在宅受験、得点率70%以上で合格。不合格でも再受験可能。

参考:日本能力開発推進協議会(JADP)|中国漢方ライフアドバイザー
※「2024年4月時点」

美容業界や飲食業界の方のプラスαの知識・資格としても推奨されています。取得しても漢方・生薬に関する処方や医療行為に当たる症状・病気の診断はできませんが、自分の専門知識を仕事と日常生活の両方で活かしたい方におすすめです。

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まとめ

この記事では、「漢方養生指導士」「漢方養生指導士 漢茶マスター」「漢方養生指導士 薬膳マスター」「漢方養生指導士 薬物学マスター」「漢方薬・生薬認定薬剤師」「中国漢方ライフアドバイザー」の6つの漢方薬資格について、紹介してきました。

どんな専門分野でも、患者や利用者へ分かりやすく説明するには、説明者の知識習得を含めた深い学習が必要です。特に漢方薬は大学での教育が十分でないので、必要な場合は自分で学ばなければなりません。「漢方薬だから…」と苦手意識を持たずに、研修や講座受講を学習の軸に、試験合格を目標にすると効率良く学べます。資格取得は日々の業務に役立つだけでなく、転職の際にも強い武器になります。自分の目的や目標に合わせて取得資格を決めて、薬剤師業務に役立てましょう。

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