病棟業務実施加算見直しへ‐多剤対策など実績考慮/厚生労働省

 厚生労働省は9日の中央社会保険医療協議会総会で、2026年度診療報酬改定の個別改定項目に関する議論の整理案を示した。病院薬剤師に関しては「病棟薬剤業務実施加算」について、薬剤総合評価調整や退院時薬剤情報管理指導の実績に応じた評価へ見直し、現行の施設基準を満たせない病院でも、これらの取り組み状況に応じて算定が可能となるよう検討を進める。調剤報酬では、調剤基本料や地域支援体制加算の要件、かかりつけ薬剤師指導料・服薬管理指導料の評価体系について見直す。

 病院薬剤師に対する評価をめぐっては、中医協での議論で「転院・転所時を含めた施設間の薬剤関連情報連携の評価」に対し、支払側・診療側双方の委員から賛同が相次いだ。

 整理案では、処方変更理由や服薬状況などの薬剤情報が適切に共有されないことで、ポリファーマシー対策の継続が困難になる事態を防ぐ観点(転院・退院があっても継続的な薬物治療を維持する観点)から、病院薬剤師による施設間の薬剤情報連携を促進する必要性を指摘。これに伴い、病院のポリファーマシー対策を評価する薬剤総合評価調整加算の対象拡大や要件・評価を見直すとした。

 病棟薬剤業務実施加算についてもポリファーマシー対策、施設間の薬剤情報連携、転院・退院時の服薬指導などに資する薬学的介入の実績を適切に評価する観点から、薬剤総合評価調整や退院時薬剤情報管理指導の実績に応じた評価体系へと見直す方針が示された。

 現行の病棟薬剤業務実施加算は、薬剤師が病棟で週20時間以上業務を行うことが要件で、必要な薬剤師数を確保できない施設では算定できないという課題があった。

 日本病院薬剤師会は「週20時間の業務要件の緩和」を国に要望していたが、財源の問題から実現が難しい状況にある。

 こうした背景を踏まえ、厚労省は今回の対応案について「薬剤総合評価調整や退院時薬剤情報管理指導の成果報酬として、病棟薬剤業務実施加算を算定できるようなイメージ」と説明している。26年度改定は診療報酬本体で3.09%と大幅なプラス改定となり、通常の改定率となる政策改定分以外の財源を柔軟に活用できることから、その一部を病院薬剤師の評価拡充に充てる考えだ。

 一方、調剤報酬改定で注目されているのは調剤基本料の見直しである。整理案では、「患者のための薬局ビジョン」策定から10年が経過した現在の薬局の実態や損益率を踏まえ、薬局が立地に依存した構造から脱却し、薬剤師の職能発揮を促す観点から見直すと記載。病院・診療所の敷地内薬局を対象とする特別調剤基本料Aの要件についても見直す方針を示した。

 また、地域支援体制加算の要件、内服薬の調剤日数によって4区分となっている調剤管理料、重複投薬・相互作用等防止加算、かかりつけ薬剤師指導料・服薬管理指導料なども見直しの対象となる。

2026.01.14