薬剤師に人気の資格&役立つ資格栄養サポート(NST)専門薬剤師

栄養サポート(NST)専門薬剤師

NSTとは栄養サポートチームのことです。症状に合わせて栄養管理を行うためのチームで、NSTを導入する医療機関が増えています。患者さまの静脈・経腸栄養療法における処方のサポート、栄養療法における医薬品の適正管理などに関わります。高齢化が進む中で、適切で専門性のある栄養サポートの必要も高まってくると考えられます。

栄養サポート(NST)専門薬剤師の目的

栄養サポート(NST)専門薬剤師の目的

NST専門薬剤師とは、栄養管理を行うチームにおいて、薬剤を含めた専門的な知識を有するものとして認定される資格です。正式には「NST専門療法士」であり、薬剤師だけが対象ではなく、管理栄養士・看護師・臨床検査技師・言語聴覚士・理学療法士・作業療法士・歯科衛生士・診療放射線技師も含まれます。主に、静脈栄養・経腸栄養を用いた臨床栄養学に関する優れた知識と技能を有することで認定される資格です。

静脈・経腸栄養療法における処方のサポート、経腸栄養剤・静脈栄養製剤といった栄養療法における医薬品の適正管理などに関わります。早期の回復に貢献します。

栄養サポート(NST)専門薬剤師になるためには

下記4つの条件をすべて満たした後、認定のための試験に合格することが必要です。

  • (1)日本国の国家資格を有すること
    認定対象国家資格:管理栄養士、看護師、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士、診療放射線技師
  • (2)国家資格により5年以上、医療・福祉施設に勤務し、当該施設において栄養サポートに関する業務に従事した経験を有すること
  • (3)日本静脈経腸栄養学会の学術集会に1回(10単位)以上、日本静脈経腸栄養学会主催のNST専門療法士受験必須セミナーに1回以上参加することを必須とし、この単位数を必須単位とする。必須単位数は30単位以上を有するほか、必須単位数に加え日本静脈経腸栄養学会が認める栄養に関する全国学会、地方会、研究会への参加単位数の合計が30単位以上あること。
    ※バーチャル臨床栄養カレッジ修了証については、非必須10単位を認める
  • (4)認定施設において、合計40時間の実地修練を修了していること。
    認定施設:以下の4つすべてを満たす施設
  • ・総合病院またはこれに準ずる病院であってNSTが稼動し、日本静脈経腸栄養学会のNST稼働認定施設であること。
  • ・施設外部からの実地修練希望者の受け入れが可能であること。
  • ・認定医が常勤で在籍すること。
  • ・公告に基づき認定の申請をした施設について、専門療法士認定制度委員会が審査を行う。認定されたときは認定証を当該施設責任者に送付する。

栄養サポート(NST)専門薬剤師の魅力

2006年4月の診療報酬改定で栄養管理実施加算、2010年4月に栄養サポートチーム加算が新設されたことを受け、全国の医療施設がNSTを積極的に取り入れるようになりました。

栄養サポート(NST)専門薬剤師としての役割は、高カロリー輸液の無菌調製、使用薬剤の配合変化・相互作用の確認、患者さま・そのご家族への説明指導などがあります。輸液・薬剤に関する相談・情報提供はもちろんですが、栄養状態と疾患の関連を理解し、栄養状態の改善も図ります。

これからの高齢化社会では、栄養管理が必要な患者さまが増え、適切で専門的なサポートの必要性も高まっていくでしょう。多職種連携の中で、薬剤師としての知識を活かして患者さまの回復により直接的に関わっていける資格です。

栄養サポート(NST)専門薬剤師の資格について

認定団体 一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
申請に必要な資格
  • 1)管理栄養士、看護師、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士、いずれかの国家資格を持っていること。
  • 2)上記資格で5年以上、医療・福祉施設に勤務しており、その施設で栄養サポートに関する業務経験があること。
  • 3)規定のセミナー、学会などに参加し単位を取得すること。
  • 4)認定教育施設での実地修練を終了していること。
  • 5)1〜4の条件を満たした上で認定のための試験に合格していること。
試験 あり(筆記試験)
更新 5年ごとに認定更新が必要