薬剤師に人気の資格&役立つ資格プライマリ・ケア認定薬剤師

プライマリ・ケア認定薬剤師

プライマリ・ケアとは、患者さまの身近な存在として、健康や病気についていつでも相談にのる総合的な医療を意味します。患者さまの状態を総合的に理解し、健康維持や健康増進の対策を考える知識が習得できます。高齢化が進むなかで、今後ますます広がる地域医療体制の充実に欠かせない役割になるでしょう。

プライマリ・ケアとは

プライマリ・ケアとは

WHO(世界保健機構)は、プライマリ・ケアを「ケアやゲートキーパー以上の役目であり、最初の第一線としてアクセスされ、継続的・統合的なケアを提供する保健制度の中心的な役割である。必要とされた際の第一線のコンサルタントであり、短期の疾病に限らず個人の長期的な保健状態を診る」と定義しています。

プライマリ・ケア認定薬剤師は、地域医療の専門家であり、知識や技能を認められた存在なのです。 日本のプライマリ・ケア認定薬剤師制度は、医療系学会では初めて、薬剤師の認定制度についての第三者評価機関より「特定領域認定制度」として認証を受けました。特定領域認定制度は、一般の薬剤師研修制度より領域・専門性が高い認定薬剤師制度です。

プライマリ・ケア認定薬剤師になるには

プライマリ・ケアについて、地域を基盤とした総合的な医療の知識・技能を取得します。
研修を受講し、所定の単位を修得したのち試験を受け、適当と認められた薬剤師が認定されます。

❶ 研修開始届書を提出
受付期間が決まっているので、事前にチェックしておく必要があります。
研修開始届書は、郵送(簡易書留)のみ受け付けており、受付期間外、消印が残らない別納郵便等、事務局への申請書類持参等は受け付けてもらえませんので注意しましょう。
受付締切日を過ぎた消印のある申請書は受け付けずに返送します。
❷ 必要単位を取得

必要な単位:50単位以上

  • ・うち学会関連の単位が30単位以上必要。また、50単位のうち細則にある必須領域で20単位、見学実習で8単位が必要。
  • ・研修期間は4年。最初の研修単位を修得してから4年間以内に申請し、認定には試験に合格することが必要。

研修の場は6つで、e-ラーニングでの受講も可能です。

  • (1)学会が主催する認定薬剤師研修講座
  • (2)学会の学術学会で指定された講演、シンポジウム、ワークショップなど
  • (3)学会が主催する医療研修セミナー、e-ラーニングなど
  • (4)学会の地方会、支部会、関連研究会などの講演・研修で、学会が指定したもの
  • (5)学会の認定医、専門医、指導医による外来診療及び訪問診療の見学実習など
  • (6)薬剤師認定制度認証機構の認証を受けた生涯研修認定制度、特定領域認定制度、および専門薬剤師認定制度の研修のうち、学会が指定した講演、講義、シンポジウム、ワークショップ、e-ラーニングなど
❸ 試験・審査
条件を満たし認定を希望する方は試験・審査を受けます。
❹ 認定
合格後、登録料を納入すると事務局から認定証が発送されます。
プライマリ・ケア認定薬剤師は、日本プライマリ・ケア連合学会のホームページで氏名と都道府県を公表されます。

プライマリ・ケア認定薬剤師の魅力

プライマリ・ケアは、地域での取り組みとなり多くの能力と協力が必要になります。他職種だけでなく地域の人も巻き込んだ医療を展開していかなければなりません。高齢化社会の到来に伴い、在宅医療に対する関心は高まっています。地域全体で支える医療は、ますます必要性が高まっていきます。
地域医療の実践者として、他職種で協働しながら患者さまに総合的に対応していく、やりがいのある認定資格です。

プライマリ・ケア認定薬剤師の資格について

認定団体 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
申請に必要な資格 薬剤師国家資格
特徴 プライマリ・ケアとは、患者の身近な存在として健康や病気に関していつでも相談にのる総合的な医療を意味する。患者の状態を総合的に理解し、健康維持や増進の対策を考える知識が修得できる。
取得条件 最初の申請は研修期間を4年とし、その間に指定された研修で50単位以上を取得する。e-ラーニングなどを含む6つの研修が対象となり、最終の認定審査では書類と試験によって合否が判断される。
試験 あり(筆記試験)
費用 25万円ほど
更新 3年ごとに認定更新が必要
必要な単位:30単位
  • ・学会関連の単位が20単位以上必要。また、30単位のうち細則にある必須領域で10単位が必要。
  • ・研修期間は3年。認定期間満了前に更新申請をし、その際は事例報告が必要。