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2017年12月01日

【薬剤師関連ニュース】◆【業界陳述】新薬加算見直し「断固反対」‐欧米団体、優先投資後退も◆中央社会保険医療協議会薬価専門部会◆(薬事日報 2017年12月1日)

 中央社会保険医療協議会薬価専門部会は11月29日、薬価制度の抜本改革案について、製薬業界から意見聴取した。業界団体の日本製薬団体連合会、米国研究製薬工業協会(PhRMA)、欧州製薬団体連合会(EFPIA)は、新薬創出等加算の対象範囲を限定する改革案に「断固反対」を表明。わずか5%の企業しか対象品目の薬価が維持されないとし、対象品目の拡大など再考を求めた。PhRMAとEFPIAは、日本の医薬品市場のマイナス成長が予測される中、「このままでは日本市場に優先的に投資できない」とドラッグラグの再来を強くけん制した。


 日薬連の多田正世会長は、厚生労働省が示した抜本改革案について、「総じて既収載品の薬価を引き下げる提案に偏っている」と指摘。「抜本的引き下げ案との印象を持たざるを得ない」と反発した。特に新薬創出等加算の対象を限定する案に対し、「95%以上の企業の全対象品目で薬価が維持されず、このままでは受け入れられない」とし、対象品目の拡大を求めた。


 長期収載品のさらなる引き下げルール導入については「一つの考え方」と理解を示しつつ、引き下げ品目を保有する企業に極めて厳しい措置と強調。十分な激変緩和措置を要望すると共に、特許期間中の新薬の薬価が維持される仕組みとセットで検討すべきとし、「新薬創出等加算の見直しは再考を求めたい」と訴えた。特に対象品目の拡大と企業要件の適正化を求めた。


 PhRMAのエイミー・ジャクソン日本代表は「改革案にショックを受け、落胆した」と感想を述べ、「日本がイノベーション推進の政策を放棄し、その座を他国に譲るという意志ではないか」と厳しく指摘。「改革案が採択された場合、イノベーションを推進してきた重要な国々にただ乗りする国の仲間入りをする危険性がある」と強い懸念を示し、「現在でも日本の平均開発費は2~6倍高いと言われている。このままでは日本を最初の新薬導入国とするのは不可能」と批判のトーンを高めた。


 また、PhRMAのパトリック・ジョンソン在日執行委員会委員長は「日本への研究開発投資意欲を損なう」と強調。EFPIAのトーステン・ポール副会長も「再びドラッグラグにつながることを懸念する。日本市場の縮小がさらに進むだろう」との見方を示し、日本市場に優先投資する戦略見直しを示唆してけん制した。


 これら意見に対し、支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、「日本の医療保険制度が崩壊の危機にある中、痛みを分かち合わなければならない」と強調。「新薬創出等加算は革新性が低い医薬品でも薬価が維持される。平均乖離率以下の要件を満たせば、ほとんどの医薬品が対象となり、薬価を押し上げる要因になっている」との認識を述べ、「今までの薬価制度がおかしかったのではないか」と反論。今回の見直しで「国民に分かりやすい制度になった」と述べ、抜本改革案を支持する姿勢を示した。


 吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)は、新薬創出等加算見直しの制度化について、「このまま制度化するのは拙速。抜本改革の影響を検討しないのはいかがなものか」と慎重姿勢を示し、財政影響を検証する期間を設けて対応すべきとの考えを示した。


写真:部会に臨む業界代表
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(薬事日報 2017年12月1日)  薬事日報

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