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2017年09月11日

AI時代の薬剤師業務 人にしかできない薬学的ケアとは?

AI時代の薬剤師業務 人にしかできない薬学的ケアとは?

 医療の世界で人口知能(AI)の活用が拡大しています。今後、薬剤師の役割はどう変化していくのでしょうか?「10年後、20年後にAIやロボットにとってかわられる職業は何か」というオックスフォード大学の研究が話題になりました。専門職である薬剤師業務の中でも、人にしかできない部分の重要性が増していきそうです。

「薬」分野でのAI最新活用例

 研究分野でのAI活用を見てみましょう。ビッグデータや画像認識の解析手法が飛躍的に進歩し、大手製薬会社の新薬開発現場ではAIの利用で効率的な体制を構築しています。
 例えば研究者が目視で探していた有望なサンプル。AIに選ばせることで、数十倍の作業効率、かつ漏れなく候補を拾い出すことができます。AI解析のもとになるビッグデータ収集も盛んになっており、各種のデータを一括検索することで、薬の飲み合わせを勘案した開発などが可能となり、効率がアップするとみられています。
 治験への参加者の選定や投与経過観察のスケジューリングをAIが自動設計し、過去の実績に基づいて成功率の高い方法を提案させる動きもあります。治験データの解析の自動化などでは技術者の作業量が大幅に減る見込み。AIは新薬開発のコスト削減になくてはならないものになりつつあります。

薬剤師にしかできないこととは?

 主に研究・開発分野で実用化されつつあるAI活用ですが、精度が上がればいずれは医師や薬剤師が担当する仕事にも波及してくることでしょう。「患者さんごとに薬の効き目の強さや副作用の危険性を洗い出す」などということが可能になるかもしれません。薬を選ぶ基準として使えるレベルになれば、不要な投与医療費の削減にもつながっていきます。
 現在のAIブームの特徴は、ビッグデータを用いたディープラーニング。正確で大量なデータの存在する分野が得意であるとされています。AIを実用的なものに育てるには、精度の高い充実したデータを作る現場の力が重要になります。病棟での業務や薬局での調剤の現場などで、実際の薬剤師の活動に関する情報を集約し使えるデータにしていくことが必要とされているのです。
 AIが普及した後にも「人にしかできない」薬剤師業務とはなんでしょう。単純な調剤や鑑査はテクノロジーで自動化される日が来るのかもしれません。患者さんを観察したり、会話したりして情報を引き出す「対人業務」こそ、薬剤師に期待される役割です。「かかりつけ薬剤師」「薬局での薬学管理」「在宅医療への貢献」などは報酬面でも評価されており、今後中心的な業務になっていくのではないでしょうか。
 

【参考資料】
・薬事日報「AI時代の薬剤師業務議論‐情報整理、ケア注力が重要」2017.7.12
https://yakunet.yakuji.co.jp/index.php?PAGE=YR_DETAIL&TARGET_ID=105886
・日本経済新聞「新薬候補、数時間で選出 エーザイ AIを活用」2017.8.14
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO19985430U7A810C1TJ2000/
 

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