認定薬剤師とは?人気の資格や、取得の流れ・申請方法を紹介

認定薬剤師とは?人気の資格や、取得の流れ・申請方法を紹介

薬剤師のキャリアアップにつながる認定薬剤師の資格には、数多くの種類があるため、どの分野を選んだら良いか迷う人も少なくありません。

そこで本記事では、主な認定薬剤師の資格と、スキルアップを目指す人におすすめの認定薬剤師の資格6つをご紹介します。

 

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認定薬剤師の資格は「もってないと不利になる」時代に

認定薬剤師は、必要な知識の習得に対して自己研鑽に努めている薬剤師を認定する資格です。薬剤師としての専門性を客観的に証明できるため、転職の際に優遇されたり、資格手当の支給を受けたりできるメリットがあります。

認定薬剤師は、キャリアアップにつながる資格を取得するための要件にもなっています。ある分野においては、認定薬剤師の上位資格として専門薬剤師が設けられている場合があります。その場合、同分野の認定薬剤師の資格取得が必要です。

また、厚生労働省の『「薬局開設者及び医薬品の販売業者の法令遵守に関するガイドライン」について』では、店舗や拠点の管理・監督を担う管理薬剤師は認定薬剤師であることが推奨されています。

近年、注目度が増しているかかりつけ薬剤師も、そのひとつです。認定薬剤師が、かかりつけ薬剤師の要件となっています。

急速な高齢化への対応として地域包括ケアシステムの構築が進むなか、地域における薬の相談役であるかかりつけ薬剤師の必要性は年々高まっています。そのため、資格要件である認定薬剤師の需要も高まる見込みです。

こうした薬剤師を取り巻く環境を踏まえると、認定薬剤師の資格を保有していない薬剤師は不利になる可能性があることが考えられます。

薬剤師の将来性や薬剤師業界の動向については、以下の記事で詳しく解説しています。

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認定薬剤師・専門薬剤師とは?

認定薬剤師とは、「認定薬剤師制度」における研修を受講して決められた単位を取得し、最新の知識や技術を持っていると認められた薬剤師のことです。認定薬剤師資格は、自己研鑽に励んでいて、時代のニーズに合った薬学ケアができる薬剤師である証明にもなる資格です。

認定薬剤師資格のほとんどは特定の診療科や疾病に限定されない「生涯研修認定制度」によるものですが、各分野において専門的な研修を受けたことを証明する「特定領域認定制度」による認定薬剤師も存在します。

出典:「認定薬剤師とは」(薬剤師認定制度認証機構)

専門薬剤師とは、「特定の専門分野の薬物療法などについて十分な知識と技術を持っている薬剤師」として、日本病院薬剤師会などの団体から認定を受けた薬剤師のことです。医師や看護師と連携し、医療チームの一員として患者をサポートします。専門薬剤師になるためには、まず各団体から認定を受けた「認定薬剤師」にならなくてはいけません。

その上で専門分野において実務経験を積み、団体の定める講習会などを受講して単位を取得したり、学会発表や論文執筆など学術方面での実績を重ねたりする必要があります。要件を満たした後、認定試験を受けて合格すると専門薬剤師になれます。
認定薬剤師がジェネラリストであるのに対し、専門薬剤師はスペシャリストで一段上の資格と言ってもいいでしょう。

認定薬剤師のメリット

認定薬剤師になるには勉強しなければならず、時間も努力も必要です。しかし、認定薬剤師になると、以下のようなメリットがあります。

 他の薬剤師との差別化につながる
 収入アップの可能性がある
 転職する際に役立つ

認定薬剤師は最新の専門知識と技術を持っているので、的確な助言やサポートで周囲へ貢献することが可能です。医師や看護師、患者などからの信頼が厚くなり、他の薬剤師との差別化につながる可能性があります。薬剤師としての評価が上がり、一薬剤師としてではなく、個人として声を掛けられることが多くなるでしょう。そのことは自分の仕事への意欲を上げるのにとても役立ちます。

職場によっては認定薬剤師資格を持っていることが評価されることもあるので、資格手当がついたり昇給したりして、年収がアップするかもしれません。

転職する場合も資格を評価してくれる職場を探せば、よい待遇で就職することもでき、転職活動では大きなアピールポイントになります。

認定薬剤師になるステップ

認定薬剤師になるステップ

認定薬剤師の資格を取得し、専門性を高めるためには、定められたステップを着実に進む必要があります。

認定薬剤師制度は、薬剤師の資質向上と生涯学習を支援することを目的としており、その中心的な役割を担うのが公益社団法人薬剤師認定制度認証機構(CPC)です。CPCは、薬剤師認定制度の基準を定め、各研修機関(プロバイダー)が提供する研修内容が適切であるかを認証しています。

認定薬剤師になるための最初のステップは、このCPCが認証した認定薬剤師研修機関(プロバイダー)が実施する研修を受講することです。プロバイダーは、大学、病院、薬剤師会、学術団体、民間企業などさまざまです。薬剤師は、自身のキャリアプランや興味のある分野に応じて、研修会やe-ラーニングなどの研修を受講、研修単位を取得します。

取得すべき単位数や研修内容は、目指す認定薬剤師の種類によって異なります。必要な単位数を積み重ねた後のステップは、各認定団体への認定申請です。申請後、書類審査や時に試験が行われ、合格すると認定薬剤師として認められます。

重要なのは、認定薬剤師制度が更新制を採用しているという点です。医療や薬学の知識・技術は日々進歩するため、一度認定を受ければ終わりというわけではありません。
認定期間は資格によって異なりますが、多くは3年または5年と定められており、期間満了までに一定の研修単位の取得や学会発表といった継続的な学習と実績が求められます。つまり、認定薬剤師は常に最新の知識と技能を維持し、質の高い薬学的ケアを提供し続けることが期待されているのです。

CPCが制度全体の質を担保し、プロバイダーが具体的な研修機会を提供、薬剤師一人ひとりがそれらを活用して自己研鑽に励むという連携によって、認定薬剤師制度は成り立っています。自身の専門性を高め、患者さんや地域医療に貢献するために、ステップを理解し、計画的に取り組むことが重要です。

認定薬剤師制度の種類

認定薬剤師制度の種類は、大きく分けて「生涯研修認定制度」「特定領域認定制度」「専門薬剤師認定制度」の3つです。

1,生涯研修認定制度

生涯研修認定制度は、薬剤師が日々の業務を通じて必要とされる基本的な知識や技能を維持し、常に最新の情報へアップデートしていくための基盤となる制度です。広範な領域を網羅した研修を通じて、薬剤師としての資質を全般的に高めることを目的としています。

他の認定薬剤師資格の基礎にもなり、かかりつけ薬剤師の要件の一つである「研修認定薬剤師」などがこの制度に該当します。自己研鑽を継続する薬剤師であることを証明するものです。

2,特定領域認定制度

特定領域認定制度は、生涯研修認定制度で培った知識を土台とし、さらに特定の医療分野や業務領域において、より専門性の高い知識や技能を習得するのを目的とした制度です。例えば、在宅医療、がん、感染制御といった特定のテーマに特化した研修を受け、その分野での実践力を高めます。

「プライマリ・ケア認定薬剤師」や「在宅療養支援認定薬剤師」などがこれにあたり、専門性を深めたい薬剤師のキャリアアップに繋がります。

以前は生涯研修認定制度でしたが、今は特定領域認定制度によるものに変わったのが、「日病薬病院薬学認定薬剤師制度」です。日病薬生涯研修認定制度は、2022年に廃止されました。

3,専門薬剤師認定制度

専門薬剤師認定制度は、特定の疾患領域や薬物療法において、非常に高度かつ専門的な知識、技術、臨床判断能力を備え、指導的な役割も担える薬剤師を認定する制度です。

多くの場合、関連分野の認定薬剤師資格取得を前提とし、豊富な実務経験や研究実績、厳しい試験が課されます。チーム医療の中核として、より質の高い薬物療法を患者に提供し、他の医療従事者へのコンサルテーションもするなど、薬のスペシャリストとしての能力を保証する認定制度です。

【一覧】認定薬剤師の種類

認定薬剤師には、分野別に多くの種類があります。薬剤師として成長し続けるためにも、自身の関心やキャリアプランに合った分野の資格を目指しましょう。

以下は、主な認定薬剤師の一覧です。

分野資格名機関認定者数
悪性腫瘍がん薬物療法認定薬剤師日本病院薬剤師会1,035名(2024年10月1日現在)
外来がん治療認定薬剤師日本臨床腫瘍薬学会1,011名(2024年10月1日現在)
緩和薬物療法認定薬剤師日本緩和医療薬学会865名(2025年3月現在)
核医学核医学認定薬剤師日本核医学会59名(2024年8月現在)
感染症感染制御認定薬剤師日本病院薬剤師会1,085名(2024年10月1日現在)
HIV感染症薬物療法認定薬剤師日本病院薬剤師会105名(2024年10月1日現在)
抗菌化学療法認定薬剤師日本化学療法学会2,001名(2025年3月10日現在)
外来抗感染症認定薬剤師日本化学療法学会7名(2024年3月1日現在)
腎疾患腎臓病薬物療法認定薬剤師日本腎臓病薬物療法学会216名(2025年2月現在)
内分泌糖尿病薬物療法認定薬剤師日本くすりと糖尿病学会174名(2025 年4月現在)
高齢者老年薬学認定薬剤師日本老年薬学会194名(2024年10月1日現在)
認知症 認知症研修認定薬剤師日本薬局学会188名(2025年2月13日)
皮膚科日本褥瘡学会認定師日本褥瘡学会945名(2024年9月1日現在)
精神科精神科薬物療法認定薬剤師日本病院薬剤師会199名(2024年10月1日現在)
産科・婦人科妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師日本病院薬剤師会171名(2024年10月1日現在)
小児科 小児薬物療法認定薬剤師日本薬剤師研修センター1,077名(2025年3月31日現在)
救急・中毒医療救急認定薬剤師日本臨床救急医学会333名(2024年11月17日現在)
プライマリ・ケア
在宅医療
プライマリ・ケア認定薬剤師日本プライマリ・ケア連合学会公表されていない(2025年5月現在)
臨床薬理
臨床試験
在宅療養支援認定薬剤師日本在宅薬学会174名(2025年2月1日現在)
日本臨床薬理学会認定薬剤師日本臨床薬理学会160名(2025年1月現在)
実務実習日病薬認定指導薬剤師日本病院薬剤師会1,082名(2025年4月1日現在)
多領域研修認定薬剤師日本薬剤師研修センター116,548 名(2024年9月末現在)
医療薬学専門薬剤師日本医療薬学会1,531名(2025年4月現在)
日病薬病院薬学認定薬剤師日本病院薬剤師会12,026名(2024年4月1日)
その他漢方薬・生薬認定薬剤師日本薬剤師研修センター3,506 名(2024年9月末現在)
公認スポーツファーマシスト日本アンチ・ドーピング機構13,114名(2025年4月1日現在)

 

 

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スキルアップにおすすめの認定薬剤師資格9選

スキルアップにおすすめの認定薬剤師資格9選

ここではがん領域や感染症など、医療現場でのニーズが高い分野を中心に、おすすめの認定薬剤師資格について解説します。

研修認定薬剤師

研修認定薬剤師は、薬剤師の資質の維持・向上に努め、最新の薬学・医療知識があることを認定する資格です。e-ラーニング研修や集合研修、論文発表などを通じて、基礎薬学・医療薬学、衛生薬学、薬事関連法規といった幅広い分野を学びます。

かかりつけ薬剤師の要件になっているほか、薬剤師としての信頼性を高められることから、今や薬剤師の3人に1人が取得しています。

資格申請には、研修を受講し「認定申請日から4年以内に40単位以上」を取得することが必要です。更新に関しては、「3年間で30単位以上かつ毎年5単位以上」の取得が課されます。

項目

内容

認定機関(公財) 日本薬剤師研修センター
認定審査料11,000円(税込)
主な新規取得条件認定申請日より遡り4年以内に40単位以上取得

申請手続きや費用、詳細な条件は必ず日本薬剤師研修センターの最新情報をご確認ください。

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研修認定薬剤師とは?なる方法や条件、研修の受け方を解説

がん薬物療法認定薬剤師

がん領域の薬物療法において必要な知識・技能を兼ね備えていることを認定する資格です。

がんは、1981年から日本人の死因トップを占める疾患です。今後は病院のみならず、在宅医療でも専門的な薬学管理のニーズは高まっていくでしょう。がん薬物療法認定薬剤師には、がん治療における他職種連携で必要な助言や提案を行うことが求められます。

出典:「令和3年(2021)人口動態統計(確定数)の概況」(厚生労働省)

申請するには、以下のような要件を満たすことが必要です。

 薬剤師として3年以上の実務経験
 申請時に病院または診療所で、がん薬物療法に3年以上かつ引き続いて1年以上従事
 がん患者への薬剤管理指導実績が50症例(複数の癌種)以上
 各種講習会をはじめとする所定の単位(40時間、20単位)以上履修(ただし、日本病院薬剤師会主催のがん専門薬剤師に関する講習会を12時間、6単位以上取得すること)

項目

内容

認定機関(一社)日本病院薬剤師会
認定審査料会員:11,000円(税込)非会員:16,500円(税込)

別途、認定料22,000円(税込)が必要

主な新規取得条件 実務経験、日病薬病院薬学認定薬剤師資格、専門講習の受講、症例報告、試験合格など

日本病院薬剤師会認定の研修施設における実技研修の履修も必要です。

緩和薬物療法認定薬剤師

主にがん治療の緩和ケア領域で専門的な知識・技術を持った薬剤師を認定します。ホスピスや緩和ケア病棟などにおける緩和ケアチームの一員として、薬物療法の提案や情報提供、服薬指導などを行い、身体的・心理的にサポートします。

緩和薬物療法認定薬剤師になるには、

 薬剤師としての3年以上の実務経験
 緩和医療領域における薬剤管理指導(服薬指導)の実績を6症例提示(初回介入が3年以内)
などの条件を満たす必要があります。

項目

内容

認定機関(一社)日本緩和医療薬学会
認定審査料11,000円(税込)
主な新規取得条件実務経験、日本緩和医療薬学会会員、指定の認定薬剤師資格、所定単位取得、症例提示、学会年会での発表者として1回以上の報告、試験合格など

認定対象となる講習などには「がん疼痛緩和のための医療用麻薬適正使用推進講習会(厚生労働省、麻薬・覚せい剤乱用防止センター等主催)」も含まれます。

感染制御認定薬剤師

感染症治療・予防領域で、適切・安全な薬物療法が行える薬剤師であることを認定します。医療現場では、感染対策チームにおいて他職種と連携し、情報提供や感染対策の提案、感染対策マニュアルの作成などを行います。

感染制御認定薬剤師には、感染制御に欠かせない消毒薬や微生物、耐性菌の基礎知識に加え、薬学的管理ができることが求められます。申請するには、以下をはじめいくつかの条件を満たすことが必要です。

 3年以上の実務経験
 日病薬病院薬学認定薬剤師の取得(ただし、日本医療薬学会の専門薬剤師制度により認定された専門薬剤師であればこれを満たす)
 各種講習会をはじめとする所定の単位(20時間、10単位)以上履修(ただし、日本病院薬剤師会主催の感染制御に関する講習会を1回以上受講していること)

項目

内容

認定機関(一社)日本病院薬剤師会
認定審査料会員:11,000円(税込)非会員:16,500円(税込)

別途、認定料22,000円(税込)が必要

主な新規取得条件実務経験、指定学会会員、日病薬病院薬学認定薬剤師取得、感染制御活動実績報告、所定単位取得、講習会受講、試験合格など

日本病院薬剤師会の会員でなくとも、要件を満たせば申請資格になります。

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漢方薬・生薬認定薬剤師

漢方薬・生薬について、一定レベル以上の専門性と適性を備えた薬剤師であることを認定する制度です。講義研修と実習を通じて、服薬指導をはじめとする薬学的管理のほか、患者や医師への情報提供が適切に行えるようになります。

近年では、セルフメディケーションへの関心とともに、漢方薬への注目も高まっています。漢方薬の専門的知識を身に付けることで、薬剤師としての付加価値を高められるでしょう。

漢方薬・生薬認定薬剤師の資格は、「漢方薬・生薬研修会」を受講後、薬用植物園実習レポートを提出して試問に合格すると取得できます。

資格の有効期間は3年です。更新には、有効期間内に漢方薬・生薬に関する研修を受講し、30単位以上を取得することが求められます。この際、毎年5単位以上取得することや、必須研修15単位以上を含むことを満たす必要があります。

項目

内容

認定機関(公財)日本薬剤師研修センター
認定審査料22,000円(税込)

別途、漢方薬・生薬研修会受講料60,500円(税込)が必要

主な新規取得条件薬学研修(e-ラーニング、スクーリング等)、薬用植物園実習レポート、試問合格など

漢方薬・生薬研修会は毎年4月から、薬用植物園実習を含め、月1回、合計10回あります。詳しくは日本薬剤師研修センターホームページで確認してください。

プライマリ・ケア認定薬剤師

総合的な観点から患者に必要な対策を講じる力や多職種連携のスキルといった「プライマリ・ケア能力」を持つ薬剤師を認定します。この薬剤師の役割は、患者に寄り添いながらかかりつけ医師・看護師などと連携し、健康をサポートすることです。

認定には、日本プライマリ・ケア連合学会に研修開始届書を郵送して、4年以内に指定の研修会・講座で50単位を取得することが必要です。単位の取得については、以下の指定があります。

 学会関連の講座で30単位以上
 細則にある必須領域で20単位
 見学実習が8単位

必要な単位を取った後、試験・審査を経て資格を取得できます。

項目

内容

認定機関(一社)日本プライマリ・ケア連合学会
認定審査料会員:10,000円(税込)、非会員:15,000円(税込)

別途、登録料10,000円(税込)が必要

主な新規取得条件講習会などによる50単位取得(見学実習必須)、認定試験合格など

試験は筆記試験です。学会ホームページには事前提示例題も掲載されています。

救急認定薬剤師

救急認定薬剤師は、救命救急センターや一般病棟の救急患者、災害時など、緊急性の高い状況下における薬物療法に特化した専門知識と技能を持つ薬剤師を認定する資格です。

資格取得には、一定期間以上の実務経験に加え、救急医療への従事経験、日本臨床救急医学会の会員歴、関連学会が認定する薬剤師資格の保有、指定講習の受講、症例報告、そして認定試験の合格など、多岐にわたる要件を満たす必要があります。救急医療に深く関わりたい薬剤師にとって、挑戦しがいのある資格と言えるでしょう。

項目

内容

認定機関(一社)日本臨床救急医学会
認定審査料申請手数料:10,000円(税込)、認定料:20,000円(税込)
主な新規取得条件 実務経験5年以上、うち救急医療従事経験2年以上、日本臨床救急医学会会員歴2年以上、指定の認定薬剤師資格、症例報告25例、所定単位取得、認定試験合格など

認定試験には参考図書「薬剤師のための救急・集中治療領域 標準テキスト(監修:日本病院薬剤師会・日本臨床救急医学会)」があります。

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日病薬病院薬学認定薬剤師

日病薬病院薬学認定薬剤師は、病院や診療所などの医療機関において、質の高い薬物療法を実践するために必要な知識、技能、態度を総合的に備えた薬剤師であることを日本病院薬剤師会が認定する資格です。
薬剤師の専門性を客観的に評価し、チーム医療への積極的な参画を促すことを目的としています。

日病薬病院薬学認定薬剤師は、専門性を証明する一つの指標となり、キャリアアップや専門薬剤師を目指す上での基盤ともなる資格です。病院薬剤師としてのスキルを総合的に高めたい方におすすめの資格と言えます。

項目

内容

認定機関(一社)日本病院薬剤師会
認定審査料認定審査料:2,200円(税込)、認定料:3,300円(税込)
主な新規取得条件日本病院薬剤師会会員であること、3年以内に50単位以上取得、認定試験合格など

多くの専門薬剤師資格の基礎資格としても位置づけられており、認定にかかる費用も比較的抑えられているため、キャリアアップを目指す病院薬剤師にとって取得しやすい資格の一つです。

在宅療養支援認定薬剤師

在宅療養支援認定薬剤師は、高齢化が進む現代においてニーズが高まる在宅医療の現場で、薬物療法を通じて患者さんの療養生活を専門的に支援できる薬剤師を認定する資格です。

患者さんの自宅や高齢者施設などへ訪問し、医師や看護師、ケアマネジャーなど多職種と密接に連携しながら、薬学的管理や指導を行います。住み慣れた地域で安心して療養生活を送りたいという患者さんの思いに応えるため、在宅医療における薬剤師の専門性は不可欠です。この資格を取得することで、在宅医療に関する深い知識と実践的なスキルを証明でき、地域包括ケアシステムの一翼を担えます。

項目

内容

認定機関(一社)日本在宅薬学会
認定審査料審査料:10,000円(税込)、登録料:10,000円(税込)
主な新規取得条件実務経験3年以上、指定の認定薬剤師資格、在宅業務に関する5事例提出、学術大会参加・バイタルサイン講習会修了を含め35単位以上など

一次試験の筆記(CBT)試験に合格すると、二次試験の面接試験が受けられます。

認定薬剤師の資格を取得する流れ

認定薬剤師の資格は、いくつかのステップを経て取得します。流れは、取得する資格によって異なりますが、研修認定薬剤師を例にして説明します。

1,PECSに登録する

薬剤師研修・認定電子システム(PECS)への登録が必要です。研修の受講履歴や取得単位の管理、認定申請手続きの多くがこのシステムで行われます。研修受講前に登録を済ませないと、取得した単位が認められない場合があるため、必ず最初に行いましょう。

2,研修に参加する

日本薬剤師研修センターが実施する研修に参加して、単位を取得します。研修の種類は以下のとおりです。

 集合研修(講習会、ワークショップなど)
 学術集会(学会参加など)
 eラーニング研修
 ウェブを利用した研修(ライブ配信、オンデマンド配信など)
 自己研修(自己研修等報告書を提出、1報告1単位、年間5単位まで)
 学術集会などでの発表、学術雑誌への論文掲載(証明書を添付して自己研修報告書を提出、各々年間3単位まで)

他のプロバイダーが提供する研修の単位も、40単位のうち20単位まで使えます。ただし、PECSには反映されないので、使用する場合は認定申請時、受講シールに加え、団体発行の公印が押された受講証明書の提出が必要です。

公益社団法人薬剤師認定制度認証機構(CPC)が認証した研修プロバイダーには、日本薬剤師研修センターをはじめ、大学、病院薬剤師会、学術団体、民間企業などがあります。費用や視聴環境、学びたい領域などを比較し、自分に合った研修を選びましょう。

3,認定申請を行い、認定証を受け取る

必要な単位数を取得したら、PECSを通じて認定申請を行います。認定審査結果は、申請書類等に不備がない場合は概ね1か月後に、登録アドレス宛に通知されます。認定証の発行は、審査結果のメール送信後、概ね1か月後です。

2022年3月31日以前に取得した単位は、研修手帳と共に別途提出が必要な場合があります。

4,資格更新のための単位をとる

認定薬剤師の資格の多くは更新制です。
研修認定薬剤師については、2回目以降、毎年5単位以上、3年以内に30単位以上を取得し、更新手続きをする必要があります。これにより、常に最新の知識・技術を維持し、質の高い薬学的ケアを提供し続けることが求められます。

認定薬剤師の資格を取得する際の注意点

認定薬剤師の資格を取得する際の注意点

認定薬剤師の資格をスムーズに取得し、保有し続けるには、事前にいくつか確認しておくべき重要なポイントがあります。

取得条件に当てはまっているか確認する

認定薬剤師資格は、その種類によって取得に必要な条件が大きく異なります。求められる実務経験の年数、特定の分野での業務経験、基礎となる他の資格の有無、取得すべき単位数やその内訳(年間最低取得単位数など)が細かく定められています。

例えば、研修認定薬剤師の新規取得には申請日から遡って4年以内に40単位が必要ですが、更新の場合は3年間で30単位以上かつ毎年5単位以上の取得が条件です。申請前には必ず各認定機関の最新の募集要項や規定を確認し、ご自身が全ての条件を満たしているか詳細に確認しましょう。

受講費用や更新費用を確認する

認定薬剤師の資格取得や継続には、研修の受講費用、認定審査料、更新のための費用など、様々な費用が発生します。これらの費用は資格の種類や認定機関によって大きく異なるため、事前にしっかりと確認しておくことが重要です。

複数の資格取得を目指す場合は、それだけ費用もかさむことを念頭に置きましょう。なお、勤務先の薬局や病院によっては、資格取得にかかる費用の一部または全額を補助してくれる制度を設けている場合もありますので、就業規則を確認したり、上司に相談してみたりするのをお勧めします。

認定期間を過ぎるまでに更新申請をする

多くの認定薬剤師資格には、有効期間が設けられています。例えば、研修認定薬剤師の有効期間は通常3年、救急認定薬剤師は5年、認定実務実習指導薬剤師は6年など、資格によって異なります。認定期間内に、必要な単位の取得と更新申請を完了しなければ、資格が失効してしまう可能性があります。

資格を失った場合、再度新規として申請手続きをしなければならなくなるため、注意が必要です。計画的に研修を受講し、更新期限をしっかりと管理することが、資格を維持する上で非常に大切です。

 

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まとめ

認定薬剤師は、薬剤師のキャリアアップを考える際に欠かせない資格です。かかりつけ薬剤師の要件でもあることから、今後は認定薬剤師の需要も高まると予想されます。

認定薬剤師は専門分野ごとに多くの種類があるため、関心やキャリアプランに合った資格を選択することが大切です。要件は各資格で異なります。事前に要件を確認したうえで資格取得に臨みましょう。

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