薬剤師はいらないと言われる理由とは?これからも必要とされる薬剤師の特徴を解説!

薬剤師はいらないと言われる理由とは?これからも必要とされる薬剤師の特徴を解説!

「薬剤師はいらない」「将来的になくなる仕事だ」という主張を耳にしたことがあるでしょうか?このような意見が出てしまうのには、さまざまな理由があると考えられます。

どのような理由があれ、時代のニーズに従って自己研鑽を続けていけば、必要とされる薬剤師になれる可能性はあります。今回は、これから必要とされる薬剤師になるためのポイントをお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

 

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薬剤師はいらないといわれてしまう理由とは?

薬剤師は、なぜ「いらない」と言われてしまうのでしょうか?まずは、その理由を把握しておく必要があります。

①業務が見えにくい

薬剤師がいらないと思われてしまう理由の1つとして、一般の方には、薬剤師がどのような業務をしているのか、どのように患者の健康に貢献しているのかが分かりにくいことが挙げられるでしょう。

薬剤師は、処方箋を受け取ってから、相互作用や腎機能による用量調節が不要かなどを考え、必要に応じて医師へ疑義照会をおこなってから、調剤・鑑査・お薬のお渡しをしています。薬剤師としての知識を活用してチェックをしてはいますが、疑義照会を要しないことも多いです。

そのため、「処方箋を受け取って、その通りに集めて渡しているだけ」のような印象を持たれてしまいやすいのかもしれません。

②対物業務が多い

近年は薬剤師の対人業務が重視されてきていますが、それまでの薬剤師業務は対物業務(調剤・鑑査)が中心でした。現在も、対物業務は薬剤師業務の多くを占めています。

そのため、患者が「薬剤師でなくてもできる仕事なのではないか」と感じてしまうだけでなく、薬剤師自身も「単調で意義を見出せない」と悩む方が少なくありません。

また、厚生労働省からの通達 により、薬剤師ではない人でも、ピッキングや機械の操作、調剤済みの薬剤をお薬カレンダーへセットするといった行為をおこなうことができることになりました。対物業務に関しては、「薬剤師でなければできない」ものが少なくなっていることも、薬剤師がいらないと言われてしまう一因かもしれません。

③AIなどデジタル技術の進歩

薬剤師の知識を活かした業務として、相互作用のチェックなどの「処方監査」があります。しかし、AIなどデジタル技術の進歩によって、「薬剤師による処方監査は不要」「AIの方が正確で見落としがない」と考える方も多いです。

そのほか、在庫管理や薬歴管理にも、AIの技術が使われるようになってきています。人間よりもAIの方がミスなくできて安心だという思いが、薬剤師はいらないという主張に繋がっているのでしょう。

「医薬分業」の意義が理解されにくい

日本で本格的に医薬分業が始まったのは、1974年です。処方をする医師と、調剤をする薬剤師とが、お互いの専門性を発揮してより安全な医療を提供するために、医薬分業が始まりました。

ですが、患者の視点から考えると、意義が分かりにくいというのが現状です。「クリニックでそのまま薬がもらえた方が便利で時間もかからない」「医師に症状を説明したのに、また薬局で説明するのが無駄」というように、医薬分業に否定的な気持ちから、薬剤師がいらないという結論になっている可能性があります。

⑤薬剤師の人数が飽和してきた

薬剤師の人数が不足している地域もありますが、地域によってはすでに飽和してきています。2024年に発表された有効求人倍率は2.34で、日本の平均から見ればまだ高いですが、2019年の4.55と比較すると、大幅に減少していることがわかります。

薬剤師の母数が増え有効求人倍率が低下すると、「スキルのない薬剤師は就職が難しくなる」「必要とされない薬剤師が出てくる」という事態になります。そういった事態に危機感を覚え、「自分は不要な薬剤師になってしまうのではないか」と考える薬剤師の方も増えてきています。

これから求められる薬剤師の役割・スキル・知識

薬剤師として「必要だ」と思われる人材になるため、今後求められてくる役割やスキル・知識について5つご紹介します。

①専門的な知識

医療が進歩し、薬物療法も複雑化する中で、専門に特化した知識や経験を持つことは、大きな強みとなります。がん、感染症、妊婦・授乳婦、小児、精神科、栄養など、さまざまな領域で認定・専門薬剤師の資格が作られ、いずれの資格取得者も転職市場でニーズが高いです。

②コミュニケーション能力

さまざまな年齢層・病態の患者と接する薬剤師は、相手に合わせて適切なコミュニケーションをとっていく必要があります。時には不安に寄り添い、時には誤解を解くために説明をおこなうなど、柔軟に対応することが重要です。

さらに、薬剤師は、医師や看護師、理学療法士、介護士など多くの職種と連携しながら仕事をしていかなければなりません。お互いの知識や経験を尊重しつつ、必要な場面では薬剤師として意見を主張する必要があります。

コミュニケーション能力は、どのような職場でも必要なスキルです。

③デジタル技術を活用できる能力

AIによって薬剤師の業務がなくなると言われることもありますが、デジタル技術を「使いこなす」ことで薬剤師として生き残る道もあります。
AIに頼りきりで業務をしているのであれば、いつか「不要な薬剤師」になってしまうでしょう。ですが、AIに提示された情報をその患者の病態に当てはめ、どの程度影響があるか等を判断するのは薬剤師です。

④あらゆる疾患・病態に対応する「かかりつけ機能」

調剤薬局やドラッグストアで働く場合、幅広く満遍ない知識が必要になります。医療の進歩により、薬物療法は複雑化し、医師も専門外の治療についてはわからないケースが少なくありません。

薬剤師は、従来は「門前」が中心でしたが、近年は「かかりつけ機能」が求められるようになってきました。あらゆる疾患・病態の患者を受け入れ、適切な薬物療法を提供するため、幅広い知識があるということも、重要です。

⑤予防医学やセルフメディケーションの知識

高齢化が進むに伴い、社会保障費の増大が問題となっています。薬剤師として、病気にならないための「予防」の知識を伝えたり、ちょっとした不調を自分で対処する「セルフメディケーション」をサポートしたりすることが求められてくるでしょう。

薬剤師は、地域の身近な医療従事者です。正しい知識を持ち、適切なアドバイスをすることで、広く公衆衛生に寄与できるでしょう。今後は、薬剤師がワクチン接種をできるようになる可能性もあり、公衆衛生の担い手としての活動が期待されます。

 

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今後、より求められる薬剤師として働くためのポイント

今後、ニーズの高い薬剤師として働き続けるためには、どのように自分の価値を高めていけばよいでしょうか?5つのポイントをご紹介します。

①専門的な資格を取得する

専門薬剤師や認定薬剤師など、専門的な資格を積極的に取得しましょう。特定の領域に対して専門的な知識があると対外的に示すことができるため、一般の方に対してもアピールとなります。自分の身近に専門的な知識を持つ薬剤師がいれば、安心して地域で療養することも可能です。

特に、「がん薬物療法認定薬剤師」や「在宅療養支援認定薬剤師」「緩和薬物療法認定薬剤師」などは、高齢化が進む日本でニーズが高くなる資格だと考えられます。求められる薬剤師になる第一歩として、資格の取得を検討してみてはいかがでしょうか。

②語学を学ぶ

近年、外国人旅行者や中長期在留者は増えています。外国の方が多く訪れる地域では、英語をはじめとした外国語で服薬指導ができることは大きな強みです。翻訳アプリなども進歩してはいますが、語学に秀でていれば意図した内容で正確に指導ができるほか、患者にも安心感を与えることができるでしょう。

また、医療者として最新の情報を得るためにも、英語は身につけておきたいです。英語で文献を読む力があれば、より多くの情報にアクセスでき、よりよい提案や介入が可能になります。

③薬学的な思考力を磨く

薬剤師は、医師とは違う視点から患者の病態や薬物療法を評価することが重要です。情報を提示するだけならAIの方が正確におこなえるかもしれませんが、個々の患者に当てはめて評価をするという部分に関しては、まだ薬剤師の業務といえます。

情報を活用して評価するための知識や思考力を高めましょう。小児や高齢者など特殊な患者層の薬物動態を学んだり、CYPによる相互作用のリスクを評価する「PISCS」を実践したりすることで、個別化医療や安全性の向上に寄与できます。

④内服薬以外の薬剤の知識をつける

調剤薬局やドラッグストアであっても、在宅医療を受ける方が増えるに伴い、注射薬を扱う機会も増えてきました。注射薬についての知識に加え、無菌調整のスキルもニーズが高いです。

注射薬の知識があれば、さまざまな病態で自宅療養する患者に対応できるようになり、患者にとって安全で快適な薬物療法の提供に繋がります。ほとんど扱う機会のない職場で知識をつけていくのは難しいかもしれませんが、テキストを購入する、講習会に参加するなどで少しずつ身につけていくことは可能です。

⑤OTC医薬品やサプリメントの知識をつける

予防医学やセルフメディケーションを支えるため、OTC医薬品やサプリメントの知識をつけることも有用です。サプリメントや健康食品の種類は非常に多く、日本人の20〜30%程度の方が愛用していると報告されるなど、大きな市場となっています。

医療用医薬品との相互作用、腎機能や既往、生活習慣など、OTC医薬品やサプリメントを提案する上でも注意すべき点はたくさんあります。薬剤師としての知識や経験を活かせる分野と言えるでしょう。

「NR・サプリメントアドバイザー」という民間の資格もありますので、挑戦してみてはいかがでしょうか。

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転職の際には、ご自身の強みを的確にアピールする必要があります。とはいえ、自分では何が強みなのか、自覚できていない方も多いです。

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まとめ

今回は、「薬剤師はいらない」と言われてしまう原因や、今後求められる薬剤師となるためのポイントについて複数ご紹介しました。ニーズに合った能力・スキルを身につければ、必要とされる薬剤師でい続けることができます。転職においても、アピールポイントとなるでしょう。

この記事を参考に、新たなスキルを身につけられるよう挑戦してみてください。

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