【例文あり】薬剤師の転職を有利にする!志望の職場別「自己PR」の書き方

履歴書には、自己PRを記載する欄があります。あまり考えずにサラッと記載している方もいるのではないでしょうか?

自己PRは、ご自身の人柄や就職への熱意などを伝えるためにとても重要なものです。

とはいえ、就職先のニーズに合致しない独りよがりな自己PRでは、相手の心をつかむことはできません。しっかりと内容を練り、端的に伝わるように記載する必要があります。

今回は、自己PRを書く上で知っておきたいこと、記載すべきポイントについてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

自己PRが重視される理由

薬剤師の就職では、職務経歴 や資格が重視されると思われがちですが、その職場で馴染めそうか、長く働いてもらえそうかなども重要なポイントです。そういった点を考えるときに、採用担当者は、人柄や個性などが伝わってくる「自己PR」を参考にします。

経歴がどんなに素晴らしくても、協調性がない、自分のやりたいことしかやらない、周囲の人へ強い口調で話すなど、人柄が合わなければ 業務は円滑にいきません。

自分がどういう人間で、どのように企業に貢献しようと考えているかをしっかりと記載することで、採用担当者が人物像を想像しやすくなり、採用に影響してくるのです。

内容を練らずに記載している求職者も多いため、自己PRをしっかり記載するだけでもライバルと差をつけることができますよ。

採用担当者は自己PRから何を読み取る?

採用担当者は、自己PRで何を読み取るのでしょうか?理解しておくことで、不足のない自己PRに繋がります。

求職者の人柄や雰囲気

まずはなんといっても、求職者の人柄や雰囲気です。文章には、書いた人の個性が滲み出てきます。職場の雰囲気に馴染めるか、周囲ときちんとコミュニケーションをとって円滑に業務を進められるかは、とても重要なポイントです。

どんなに薬の知識があっても、協力して業務をしようという気持ちがまったくなければ、周囲は困ってしまいます。

同僚たちから不満が出て業務の進行が滞るなど、かえってマイナスになってしまうかもしれません。「職場の雰囲気ややり方を尊重して、うまくやっていくことができる人材だ」ということをアピールしましょう。

職場への適性

職場と求職者との間で、ニーズが一致しているかどうかも重要です。

極端な例ですが、「がん専門薬剤師」の資格を持っている人が、がん患者が月に数人来るかどうかの病院の面接で「今後もがんの仕事がしたい」と希望しても、ほとんど意味がありません。採用担当者としては、「ニーズが合わないからすぐに退職してしまいそうだな」と感じてしまいます。

せっかく採用してもすぐに退職してしまうと、教育に時間やコストがかかるだけで、職場にとってはメリットが少ないのです。職場のニーズをしっかり調べ、合致しているポイントをアピールに使いましょう。

職場に与える影響

新しい人材が入ってくると、多かれ少なかれ職場に影響があります。

もちろん、良い影響を受けられるのであれば、それに越したことはありません。働く意欲の高さ、仕事への熱意、新しい知識や考え方など、自身の良い点をアピールしてください。

職場への貢献度

職場への貢献度もアピール材料になります。

たとえば、大手調剤薬局での新人教育を担当していた経験は、個人薬局でも有用かもしれません。

ひとり薬剤師の経験があれば、即戦力として働いてくれそうだ・一通りの店舗運営ができそうだと感じてもらえます。転職が多いことも、必ずしもマイナスとは限りません。さまざまなやり方やマニュアルを知っているので、業務効率化に繋がる提案ができることもあります。

職場のニーズや業務上困っていることなどを聞いておくとアピール材料を探す助けになりますので、見学の際などに探っておくと良いでしょう。

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薬剤師の自己PRで大切なポイント

自己PRを書く上で、外してはいけないポイントを3つご紹介します。

1番のアピールポイントに絞る

ライバルと差をつけて採用してもらうために、複数のポイントをアピールしたいと考えるかもしれません。ですが、自己PRでは1つに絞って深く掘り下げることをおすすめします。自己PRを記入するスペースは限られており、いくつもアピールすると全体的に薄い内容になってしまうと考えられるためです。

「◯◯が得意です」と記載するにしても、ただ記載するよりも、得意なことを活かしてどのような成果が得られたのかなど、エピソードを交えると説得力が増します。1つのエピソードをしっかり書き、採用担当者の印象に残るように意識しましょう。

アピールポイントが職場でどう役立つか伝える

あれもこれもできます!と自分のできることや経験をアピールしたくなりますが、そればかりだと独りよがりな印象の文章になってしまいます。

そうならないために、「自分の強みが、その職場でどのように活用できるのか」を記載してください。また、採用担当者は、薬剤師の実務に携わったことがない場合もありますので、求職者の得意なことが職場でどう役立つのかあまりわからない可能性もあります。

職場にとって必要な人材であること、新しい職場でも貢献できることが伝わると、企業側は採用した後のことをイメージしやすくなりますよ。

簡潔にまとめる

自己PRの記載欄はそれほど大きくないので、要点をまとめた簡潔な文章にすることが大切です。

冗長な文章を書いてしまうとアピールポイントがぼやけてしまうので、表現や構成を工夫してください。「要点→要点を裏付ける理由と具体例→要点を再度述べる」という構成にすると、流れの良いわかりやすい文章になりますよ。

ただし、はじめから簡潔にまとめるのは難しいです。まずは書きたいことやエピソード、貢献できるポイントなどを並べてみて、そこから冗長な表現や重複した内容を削り、順番を整えてみてください。

【職場別】薬剤師の自己PR例

では、これまでお伝えしてきたポイントを踏まえ、実際にどのように自己PRを書くと良いか具体例を挙げてみます。参考にしてみてください。

調剤薬局を志望する薬剤師の自己PR例

調剤薬局は、患者の年齢層が幅広いです。赤ちゃんから高齢者まで、さまざまな世代の方とのコミュニケーションスキルがあること、ニーズを汲み取る力があることなどをアピールしていきましょう。調剤薬局にとって、そのスキルがどのようなメリットに繋がるかを意識して記載してください。

■調剤薬局を志望する場合の例

私は、患者様とのコミュニケーションの中から、お困りごとを察したり、いつもとの変化に気がついたりすることが得意です。

少しの会話や表情の変化などから糸口を見出し、薬剤の説明や生活指導に活かしています。そうした面が患者様から評価されているのか、実際にこれまで、若い方からご高齢の方まで◯名の患者様からかかりつけ薬剤師にご指名いただくことができました。

この強みを活かして円滑なコミュニケーションをとり、貴薬局でも患者様からの信頼を得てかかりつけ薬剤師としてサポートしていきたいと考えています。

ドラッグストアを志望する薬剤師の自己PR例

ドラッグストアでは、調剤薬局と同様にコミュニケーションスキルやお客さんの要望への対応力に加え、提案力やマネジメント力も求められます。ドラッグストアならではのエピソードがあれば、記載しましょう。

■ドラッグストアを志望する場合の例

私は、これまでドラッグストアで5年間勤務する中で、OTC医薬品やサプリメントについて相談を受け、ご提案をしてきました。

お客様のために商品を選ぶという業務は、病院や調剤薬局にはない、ドラッグストアならではの仕事で、非常にやりがいが大きいと感じます。OTC医薬品やサプリメントを通じた健康サポートにもっと力を入れたいと考え、昨年サプリメントアドバイザーの資格を取得しました。

見学の際、貴社は「健康で美しい毎日の実現に貢献する」という企業理念のもと、プライベートブランドのOTC医薬品を多く展開して力を入れていると伺い、感銘を受けました。薬剤師としての知識や経験を活かし、調剤業務だけでなく、OTC医薬品の販売も通して、お客様の健康サポートをおこなっていきたいです。

病院を志望する薬剤師の自己PR例

病院でもコミュニケーションスキルは大切ですが、医療全般に対する高い専門性と知識習得への意欲、チーム医療の経験なども重要なPRポイントとなります。

「チーム医療の経験者」「資格保有者」などを限定して募集している場合は、募集に関連した成果や実績を強くアピールしましょう。

■病院を志望する場合の例

私は、前院でのチーム活動を通じて培った、コミュニケーション能力や他部署との調整力が強みです。

感染制御認定薬剤師の資格を取得しており、前勤務先では感染制御チーム(ICT)の立ち上げからメンバーとして関わりました。

病院として初めてのアンチバイオグラムを作成したり、看護師や医師と協力して感染制御のマニュアルを整備したりと新しい試みを複数おこない、血流感染症の発症を減らす・広域抗菌薬の使用量を減らすなどの成果を得ることができました。

貴院でも、今後ICTを立ち上げて感染対策向上加算を算定する予定だと伺いました。慢性期病院では急性期病院と異なる点も多いとは思いますが、ICTの立ち上げに関わった経験を貴院でも活かすことができればと考えています。

企業を志望する薬剤師の自己PR例

企業では、一般的な社会常識があることはもちろん、医薬品に関する知識や提案力なども求められます。これまでの具体的な実績を数値で表すことができるのであれば、提示しましょう。

■企業を志望する場合の例

私の強みは、幼い頃から続けてきたバレーボールで培われた粘り強さとコミュニケーション力です。

これまでにもMRとして勤務する中で、医療スタッフの方々が疑問に感じた点について深く調べ情報提供するということを繰り返しおこない、医薬品に関するパートナーとして信頼を得ることができました。

薬剤師の資格を持つMRとして、担当している分野のガイドラインや治療法を理解し、実際の臨床に即した情報提供をするように心がけています。メリットだけをアピールせずデメリットとなりうる点もしっかり情報提供したことで、医師からも一定の評価を得て実績を◯倍に伸ばすことにも繋がりました。

貴社では、循環器疾患の治療薬開発に力を入れていると伺いました。循環器領域は現在、新薬も多数出ており、競合の多い分野だと感じます。持ち前の粘り強さで、貴社に貢献できると考えております。

まとめ

今回は、就職活動における自己PRの書き方について解説し、記載例をご紹介しました。経歴や実績だけでは、職場に馴染めるか・長く勤めてもらえるかは判断できません。

そこで、自己PRをうまく活用し、ご自身の人柄や熱意をアピールすることが大切になるのです。しっかり内容を練って記載し、採用担当者の印象に残るようにしましょう。

職場のニーズに合っていること、どのように貢献できるのかなど、ご紹介した記載例を参考に、ご自身の自己PRを考えてみてください。

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