「自分は薬剤師に向いていない」「薬剤師の仕事が嫌になってしまった」など、薬剤師を辞めたいと考えた方の理由はさまざまあるでしょう。ですが、辞めたいと思った時にすぐに辞めてしまうと、後悔することも多いです。
今回の記事では、薬剤師を辞めるタイミングや、薬剤師を辞める前に考えておきたいポイントについて、いくつかご紹介します。
辞めたいと思った時には、まず一度落ち着いて、今回ご紹介する対処法を試してみてください。
\あなたに合った職場をお探しします!/
薬剤師を辞めたいと思う理由10選

「令和6年雇用動向調査結果の概況」によると、薬剤師を含む「医療・福祉」分野の離職率は正職員で13.1%、パートタイム労働者で15.7%でした。
実際に離職した方だけでこの割合ですので、「辞めたい」と悩んでいる方を含めるとさらに多くの方が仕事に関して悩んでいることが推察されます。
薬剤師を辞めようと考える方に、よくある10の理由をご紹介します。
● 上司との人間関係
● 労働環境や業務量
● 業務内容や調剤ミスへのプレッシャー
● 給料が低い・昇給できない
● 教育体制や研修体制が整っていない
● やりがいや働きがいを感じられない
● 接客や薬剤師が向いていない
● 休日が少なく休めない
● 評価に満足できない
同僚との人間関係
薬剤師は、薬局という比較的限られた空間、限られた人間関係の中で業務をおこなうことが多いです。そのため、一度人間関係が悪化してしまうと、ストレスが増大し、モチベーションにも影響します。
同僚に自分と合わない人がいると、つらく感じてしまうのは自然なことです。その結果、「自分に薬剤師としての資質がないのではないか」と悩み、薬剤師を辞めたいという結論になってしまう方もいます。
人間関係の悩みは、個人の努力だけでは解決が難しいものです。
転職などを考える前に、配置転換などを上司へ相談するのも良いでしょう。合わない同僚との接触機会を減らすことができれば、人間関係の悩みも解消されるかもしれません。

同僚の中に気分によって口調が荒くなる人がいて、声を荒げて叱責を受けることが度々ありました。新人の頃は、自分に薬剤師としての知識がないからだと悩んでしまい、仕事に行くのが億劫になってしまいました。
上司との人間関係
職場の方針や人員配置、勤務目標などを決めるのは上司です。上司との関係がギクシャクすると、働き方や同僚との人間関係にまで支障が出たり、精神的につらい思いをしたりして、薬剤師を辞めてしまいたいと考えることもあるでしょう。
自分の仕事ぶりを正当に評価してもらえず、キャリア形成がうまくいかなくなる可能性もあります。
また、薬剤師業界でもパワーハラスメントやモラルハラスメントは問題視されています。上司の気分によって無視される、処理できない量の仕事を与えられ帰宅できない、不必要なタイミングで怒鳴られる、などはいずれもハラスメントです。
そのような理由で精神的な負担になっている場合、転職は有効な手段となるでしょう。

上司は従来のやり方にこだわる人で、部下から業務改善の要望やマニュアル改定の案を出しても、なかなか受け入れてくれないだけでなく、相談すらもできないような状態でした。全体的に風通しの悪い職場で、働きにくかったので、退職を決意しました。
労働環境や業務量
薬剤師数が少ない、休暇が取りにくい、業務量・残業が多すぎるなど、労働環境や業務量を理由に辞めたいと感じる方は多いです。
近年は、かかりつけ薬局の機能の1つとして、夜間・休日対応が求められるようになってきました。厚生労働省の調査では、週に数回以上夜間休日の対応をしている薬剤師が27% にのぼり、職場により負担状況も異なります。
労働環境や業務量も、個人の努力だけでの解決は難しい問題です。業務の負荷が大きすぎることで薬剤師としての自己研鑽がおこなえず、知識不足で「薬剤師に向いていない」と悩むなど、悪循環になることもあります。

在宅医療に力を入れている薬局で勤務していた頃、業務時間内は必死で調剤や訪問をし、時間外に溜まった薬歴を書くという毎日で、体力的に非常に厳しかったです。毎日2時間以上の残業が常態化しており、患者への介入も十分におこなえませんでした。
調剤ミスが怖い…なくならないプレッシャーへの対処法
薬剤師の業務は、1つのミスが患者の健康被害に直結する可能性があります。処方監査、調剤、鑑査、服薬指導など全ての業務にスピードと正確性が求められるため、プレッシャーは大きいです。
実際、年に数回は大きな調剤過誤のニュースが報じられており、薬剤師に法的責任が発生することもあります。ミスは、個人の資質だけの問題ではなく、各職場の安全管理体制の問題とも関わります。
ある程度はシステムを活用することで回避も可能ですが、すべての職場がシステムを導入できているわけではありません。人員不足や業務量の多さも、ミスの原因です。
調剤ミスを減らすために、職場でどのような対策をとっているかという点も、安心して働くために確認すべき重要なポイントとなります。人員が少ないならシステムを導入する、業務量が多いなら効率化をはかるなど、対策をとることが大切です。
もし現在の職場では調剤ミスを減らせないと感じるなら、医療安全の意識が高い職場への転職を検討してみましょう。

一度、類似名称で作用の全く違う薬品を、間違えて調剤してしまいました。大事には至りませんでしたが、もし間違って服用していたら…と怖くなり、薬剤師に向いていないのでは、としばらく悩みました。
給与が低い・昇給しにくい構造がある
薬剤師は、平均年収と比較すると給与水準が高いとはいえ、給与が低い・昇給できないという悩みから、転職を考える方は少なくありません。
薬剤師の給与は、日本全体の平均と比較すると高い傾向にはありますが、以下のような構造的理由から「給与が低い」と感じやすいのだと思われます。
● 給与が診療報酬に依存するため大幅には上がりにくい
● 初任給が高い分だけ、他の職種と比較すると伸び悩んで見える
令和4年のデータでは、薬剤師の平均年収は男性約623万円、女性約543万円で、男女差もがあります。女性は男性に比べて産休や育休などキャリアの中断期間が長くなりやすいこと、時短勤務の割合が多いことなどが、男女差の要因です。
また、残業が多いこと、休みが取りにくいことなど、労働環境に対して給与が見合っていない場合に、薬剤師を辞めたいと考える方が多くなります。
給与アップが見込めない場合に、薬剤師を辞めて新しい職種への挑戦を検討する方は少なくありません。
想定よりも給与が低く、奨学金の返済もあって厳しいと感じていました。働き方を考え直すきっかけとなったのは、派遣のスタッフの方が時給がよいとわかったことです。
教育体制や研修制度が整っていない
職場内での教育体制や研修体制が整っていない、職場外での研修を受ける金銭的な支援がないなど、学習の機会が整っていないことでも、薬剤師を辞めたいと感じることがあります。
たとえば、職場内のマニュアルが整っていない場合は、人によって指導の内容が異なっていたり、その場しのぎの対処ばかりだったりと、業務をする上で混乱が生じてしまうでしょう。決まった指導担当者がおらず、質問をしにくい雰囲気で困ったというケースも珍しくありません。
職場全体にスキルアップを重視していない風潮があると、積極的な介入提案などもよく思われず、働きにくさを感じる原因にもなります。知識のアップデートができないままでは、薬剤師としての価値を高めることはできず、昇給や希望の転職も叶わなくなってしまうでしょう。
薬剤師が向いていないと悩む前に、教育体制の整った職場でしっかり知識や技術を身につけるのも良いのではないでしょうか。

資格取得を目指したいと思っていましたが、職場には取得者がおらず、理解が得られませんでした。金銭的なサポートも研修を受けるための休暇取得の調整も難しく、キャリアアップが見込めずにモチベーションが下がってしまいました。
やりがいや働きがいを感じられない
医療従事者として働く以上、「やりがいを感じたい」「感謝されたい」と考える方は多いです。実際、厚生労働省の調査でも、病院薬剤師で約50%、調剤薬局薬剤師で約27%が「やりがい」を重視していました。
やりがい・働きがいのない職場では、働くモチベーションも維持できません。自分の希望する業務に携われない場合、不満を感じ、薬剤師を辞めてしまいたいと感じることもあります。
まずは不満の原因について自己分析をおこない、その上で資格取得を目指すなど、モチベーションを維持できるような具体的な目標設定をしてみましょう。
一緒に資格取得を目指せる同僚などがいれば、切磋琢磨しながら努力を続けやすいかもしれません。現在の環境では目標設定もできない、どうしてもやりがいを感じられないという場合には、転職も視野に入れてみましょう。

毎日単調な業務ばかりで、薬剤師としての知識が全く求められていないと感じてモチベーションが下がっていました。服薬指導をもっとしたいと思い、転職を決意しました。
プライベートの時間も仕事のことで頭がいっぱい
プライベートの時間にも仕事のことが頭から離れず、心身が休まらないという理由も、薬剤師という仕事をつらく感じる原因となります。
かかりつけ薬局として、多くの薬剤師が週に1回以上、夜間・休日対応をしています。「電話対応があると思うと、気が抜けない」「家族との時間を心から楽しめない」と悩んでいる薬剤師は少なくないのが現状です。
「休みの日も仕事が頭から離れない」「夢にまで仕事が出てくる」なども、心身が疲れているサインといえます。職場の労働環境は、努力で変えにくい要素ですので、不調が本格化する前に休職や転職を考えましょう。
今の職場で将来のキャリアプランが描けない
「このままずっと、定年退職まで働き続けるのだろうか」と考えたことはありませんか?5年、10年後の自分を想像したときに、「何も変わっていない」「成長している姿を思い浮かべることができない」とキャリアの停滞を感じるのであれば、離職のタイミングかもしれません。
薬剤師業界も、ニーズに応えて業務の幅が広がってきています。現在の職場が業務の拡大に積極的でないとしたら、どんどん時代から取り残されてしまうでしょう。
薬剤師としてスキルアップしていきたい、5年後にはもっと新しい挑戦をしていたいと思うのであれば、思い切って環境を変えるのも選択肢です。
薬剤師自体が向いていないと感じる
薬剤師の業務は、患者対応が必ずついてまわります。小児から高齢者まで年齢層もさまざまで、症状や理解度も全く異なるため、一人ひとりに合わせた対応が必要です。
小児の場合は保護者の心配を和らげられるような指導、高齢者の場合は多くの薬について端的でわかりやすい指導など、求められるものが異なり、人と関わるのが苦手な方にはつらい場面もあります。
しかし、人との関わりが苦手だからといって、薬剤師という仕事そのものに向いていない、と決めつけるのは早いです。職場によって業務内容も大きく異なりますので、苦手な業務の少ない職場へ転職することも考えてみましょう。
業務内容が自分の得意領域と合っていれば、悩みも解消するかもしれません。

わかりやすく説明するのが苦手だという自覚がありましたが、患者さんに「説明の意味がわからない」などと実際に言われてしまい、自信をなくしてしまいました。
休日が少なく休めない
薬剤師はシフト制をとっているところが多く、必ず土日が休めるという職場は案外多くありません。人手不足の職場も多く、入職当初より出勤日数が増えるというケースもあります。
希望する日に休暇が取れない、そもそもの休日が少ないという状況は、心身のストレスになり、仕事を辞めてしまいたいと考えるきっかけの1つになるでしょう。

慢性的に人手不足の職場で、家族の用事などでの休みも取りにくい職場でした。長期休暇もなかなか取れず、プライベートが犠牲になっていると感じるようになってしまい、環境を変えることにしました。
経営方針や評価制度に不満がある
評価システムが整っておらず上司の主観に頼っていたり、努力が反映されない評価システムであったりなど、評価を得られにくい環境であればモチベーションが下がり、辞めたいと感じることもあるでしょう。
努力で評価に繋げられる部分もありますが、自分の性格や資質と評価システムが合わない場合には、環境を変えることを選ぶ人も多いです。
また、会社の合併などによる経営方針の変更、昇給・昇進制度の変更などは、自身の努力や心がけではどうすることもできません。
評価制度に合わせた努力をすることも必要ですが、評価基準が受け入れられない場合には、不満を抱えたまま勤務するより転職の方が前向きに働けるかもしれません。

時間外労働も含めて、業務時間が長いことを評価する風潮のある職場で、業務改善の提案などは受け入れられませんでした。効率的にこなすほど評価されず、不満が溜まって退職に至りました。
薬剤師の辞め時はいつ?見極める3つの判断ポイント

現在の仕事を辞めようと考えたときには、「薬剤師自体をやめるべきなのか」「職場を変えれば解決するのか」をしっかりと区別し、適切な選択肢を選ぶことが大切です。ただ「辞めたい」「向いていない」と考えるのではなく、問題を細かく捉えるようにしましょう。
薬剤師を辞めたいと悩んでいる方が実際に辞め時を見極める際に、着目すべきポイントを3つご紹介します。以下のポイントに当てはまっている場合は、薬剤師を辞めるか、環境を変えるべきタイミングと言えるでしょう。
改善の努力をしたにも関わらず悩みが続いている場合や、自分の力で改善できない問題がある場合には、転職のタイミングです。
● 心身の疲れが取れず、仕事が憂鬱になっている
仕事が憂鬱だという状態を解消しなければ、心身の不調に繋がってしまうかもしれません。
● 月40時間以上残業している
長時間残業の常態化した職場環境は、自分だけの努力で改善が難しいです。体の疲れから、精神的な疲労を引き起こすこともあります。
6か月以上同じ悩みが解決しない
同じ悩みで堂々巡りになっている方は、解決のため、環境を変える必要があるのではないでしょうか。今後も同じように悩み続けたとしても、原因が解決する見込みはありません。
悩みのあるまま業務を続けていても、モチベーションが下がってしまうばかりです。改善に向けた努力をする場合や、職場に対して改善の要求をする場合は、6か月程度を1つの目安とすると良いでしょう。
努力しても悩みが改善しない場合、また、業務量や人間関係、休暇の取りにくさなど、長期間にわたって解決しない職場環境の 悩みがある場合は、辞めるタイミングだと考えてください。
心身の不調は危険信号!休職も視野に入れよう
体の疲れや精神的なストレスが取れない、仕事が憂鬱だ、という状況に陥ってしまっているのであれば、仕事を辞め、心機一転する必要があるといえます。
人間関係ややりがい、ハラスメント等の問題をきっかけに、心身の不調を引き起こし、長引いてしまうケースも少なくありません。体からのサインを無視せず、思い切って環境を変えることをおすすめします。
すぐに転職をするのではなく、一定期間仕事を休み、復帰したいと考える方もいるでしょう。心身の不調により、一時的に就業が難しい場合には、休職という選択肢もあります。
病気やケガが原因の場合、「傷病休暇」を取得できるかもしれません。取得できる期間については各企業の定めによります。いくつかの条件を満たせば、健康保険から傷病手当金を受け取ることができるため、休職中の収入も心配ありません。
月40時間以上残業している
労働基準法の定めにより、時間外労働の上限は、原則として月45時間、年間360時間です。月に40時間以上の残業が常態化しているのであれば、「時間外労働が多い職場」といえるでしょう。
時間外労働が多ければ、給与が上がるという側面はありますが、休養が十分に取れず、仕事以外のことが全くできないなど疲弊してしまいます。家庭との両立が難しいケースもあるでしょう。
職場全体として残業が多いのであれば、個人の努力で解消は期待できません。辞めることを検討してみてください。
1年目や新人でも辞めて大丈夫?キャリアに傷がつく?
「まだ1年目なのに、辞めたらどこにも就職できないのでは」「早すぎる退職は、印象が悪いのでは」と不安を感じる方は多いです。しかし、実際に必ずしも悪い印象になるとは限りません。
すぐの退職を繰り返さないこと、そして転職の理由を前向きに伝えることが重要です。しっかりと理由を伝えることができれば、「自分の適性を見極める力や行動力がある」「成長意欲が高い」とポジディブに受け取ってもらえる可能性があります。
ハラスメントなど、職場に問題があって転職をする場合でも、できるだけポジティブに転職理由を説明するのが良いでしょう。
\あなたに合った職場をお探しします!/
薬剤師を辞めたくなった時の対処法

薬剤師免許を取得するために、多くの方が努力をしてきたはずです。せっかく取得した薬剤師を使わない!という結論を出す前に、できることを試してみてはいかがでしょうか?
対処法として、代表的かつ取り組みやすい4つをご紹介します。
● 休暇や休職で心身を休める
● 雇用形態を変更する
● 転職する
一人で悩まずに相談する
人に相談することで、解決の糸口が見える場合もあります。自分だけで考えていても、悩みによって思考が凝り固まってしまい、最適な選択をできないことも多いです。
自分のことを理解してくれている友人や家族、上司などに相談し、客観的な意見をもらいましょう。上司の場合、職場環境や働き方の改善などで力になってくれる可能性もあります。
なかなか相談できる人がいない場合や、新たな視点からの意見がほしい場合などは、転職エージェントの活用もおすすめです。客観的なアドバイスを受けられるので、自分の状況やキャリアについて冷静に捉え直すことができます。
休暇や休職で心身を休める【傷病手当金も解説】
長い休暇を取る、休職するなどでリフレッシュする期間をとり、英気を養うのも1つの方法です。休みを取ることで、仕事へのモチベーションが戻り、同じ職場でも新たな気持ちで働ける場合もあります。
すっきりとした精神状態で落ち着いて考えれば、退職する・薬剤師を辞めるなどどんな選択肢を取るとしても、より良い決断を下すことができるでしょう。
将来に関わる大きな判断をする際には、焦らないことが大切です。
心身の不調で休職をする場合には、「傷病手当金」を受け取れるかどうか、確かめましょう。以下の条件に全て当てはまる場合に、健康保険から傷病手当金の給付を受けられます。
● 療養のための労務不能であること。
● 連続して4日以上仕事を休んでいること。
● 休業した期間に給与の支払いがないこと。
ハラスメントが理由で休職する場合には、傷病手当ではなく、労災による休業補償給付となる場合があります。両方の給付を同時に受けることはできませんので、専門家と相談しましょう。
雇用形態を変更する
身体的な負担や長時間勤務が主な要因であれば、雇用形態を変えるのも良いでしょう。時短勤務やパートに変えれば、業務時間が大幅に減り、心身の疲労軽減につながります。
「人間関係には満足しているので、辞める決心がつかない」という方には、とくにおすすめです。雇用形態だけを変更するなら、業務内容やマニュアルを覚え直す必要がないため、大きな環境変化をきたさずに心身の負担だけを減らすことができます。
一方で、年収は大きく下がる可能性が高いです。時短勤務やパートの場合には賞与がないことが多いため、収入についてはよく確認しておく必要があります。
無理のない働き方ができるよう、職場と相談してみましょう。
転職する
労働環境の悪さや、やりがいの少なさが問題である場合は、転職がおすすめです。
転職により環境や業務内容が理想に近づくだけでなく、給与が上がったり、心身にゆとりを持てたりすることもあります。環境や人間関係を一新するため、新たなスタートとして気持ちを切り替えやすい点もメリットです。
そうはいっても、「本当に転職をして良いのだろうか?」「失敗しないだろうか」と不安を感じる方も少なくありません。そのような場合、まずは転職エージェントに相談をしてみるのがおすすめです。
転職の時期、希望する条件などがはっきりしていなくても相談可能です。外部のアドバイザーに話をすることで、自分の気持ちや状況をうまく整理できるかもしれません。
薬剤師の資格を無駄にしたくないという思いがあるのであれば、転職を目指してはいかがでしょうか?
企業で働く薬剤師という選択肢
薬剤師として、企業で働くという選択肢があります。企業就職といえばMR(医薬情報担当者)を想像するかもしれませんが、製薬会社、化粧品メーカー、食品会社など、多くの企業で薬剤師の資格を活かすことができます。
研究・開発、品質管理など、薬剤師資格を活かせる業務は多いです。研究職は求人が少なく修士以上の学力が求められるなど狭き門ですが、平均年収750万円と高い給与が見込めます。MRは618万円、CRAは418万円など、職種により給与水準は異なります。
薬剤師としての化学や薬学の知識などのほか、語学力、コミュニケーションスキル、分析力など求められるスキルはさまざまです。
医療・医薬系の専門職として働く選択肢
医薬品や医療業界についての知識があることを活かして、専門的な職種として働く選択肢もあります。製薬企業や卸企業のDI担当者、製薬企業やCROなどに所属する医薬品安全性監視担当者(PV担当者)などが代表的です。
医薬品に関する情報を取り扱うため、語学力や思考力、データの分析力などが求められます。平均年収は薬剤師と大きく変わりませんが、管理職以上になると1000万円前後も期待できる職種です。
独立・フリーランスとして働く選択肢
フリーランスの薬剤師、医療コンサルタント、医療ライターなど、個人で独立して働く選択肢も数多くあります。
フリーランスの薬剤師になる場合以外では、独立にあたって薬剤師の経験年数は重要ではありません。自由な時間に働けること、努力次第で収入を上げられる可能性があることなどメリットは多いです。
一方で、収入が安定しにくいことや、税金等の手続きを自分でやる手間が増えることなど、デメリットもあります。完全に独立するのではなく、副業としておこなう選択肢も良いでしょう。
公務員薬剤師:衛生管理や薬事行政に貢献
地方公務員や国家公務員として、薬事、食品安全、保健医療などの幅広い分野で貢献するという選択肢はいかがでしょうか?保健所や衛生研究所などで、公務員薬剤師が活躍しています。
雇用が安定していること、福利厚生が充実していること、長く働くことで着実な昇給や退職金が期待できること、社会への貢献性が高いことなど、公務員ならではのメリットは非常に大きいです。
年齢制限が自治体により異なり、中途採用で募集があっても採用人数が若干名であったりと、狭き門ではありますが、興味のある方は検討してみてください。
転職で後悔しないために!失敗を防ぐ4つのポイント

転職をする場合、焦って選択すると失敗してしまいます。
「どこでもいいからすぐに転職したい」と決めてしまう方もいますが、転職は計画的にすべきです。後悔のない転職をするため、注意すべきポイントを4つ挙げますので、参考にしてください。
● 条件に優先順位をつける
● 自分の強みを活かせる職場を選ぶ
● 転職エージェントを活用する
これらのポイントをおさえた上で、求人票やホームページを細部まで確認すること、職場見学をおこなうことをおすすめします。「その条件を見ていなかった」「想像していたのと違った」という失敗を防ぐことにつながります。
できるだけ早く転職を決めたいと焦っていたとしても、距離的に可能なのであれば職場見学はおこないましょう。
転職理由を明確にし、次の職場の条件を整理する
現在の職場を辞めようと決めた理由について、しっかり把握する必要があります。次にどのような職場を選ぶべきなのか、判断する材料になるためです。
ただ「嫌になったから」だけでなく、何がつらいのか、何が原因になっているのかを明らかにしましょう。転職理由が曖昧なままだと、転職先でも同様のミスマッチが生じて、失敗してしまうかもしれません。
たとえば、「家から近く給与が高い」という条件で転職先を決めたとしても、実際にはキャリアの見通しが立たないことが原因で退職していた場合、結局は不満が出てきてしまうでしょう。
現在の職場で不満に思う点を全て書き出し、「人間関係」「職場環境」「給与や福利厚生」などに分類することが大切です。そうすることで、次の職場に求める条件もおのずと出てきます。
うまく言語化できない場合は、友人や家族など、自分のことを理解してくれる人と話しながら掘り下げることをおすすめします。
転職の希望条件に優先順位をつける方法
転職理由が明らかになったら、求める条件も自然と出てきます。まずは、実現可能かどうかは考えず、すべての希望条件をあげてみてください。
● 残業少なめ
● 施設訪問をおこなっている
● 薬剤師が多い
● 人間関係が良好で雰囲気が良い
このように複数ある条件のうち、絶対に譲れないもの、できれば叶えたいものなど、優先順位をつけましょう。現在の職場で不満に思う気持ちの強い条件を、高い優先順位にしてください。
たとえば、人間関係の悪さを理由に転職するのであれば、人間関係が良いこと、代替指標として離職率の低さなどを優先的な条件とします。
すべての条件を兼ね備えた職場というものは、なかなか見つかりません。数ある求人から応募先を絞るため、ミスマッチを防いで長く勤められる職場を探すために、優先順位をつけることが大切です。
自分の強みやスキルを活かせる職場を選ぶ
避けたい条件がないことも重要ですが、ポジティブな気持ちで働くためには、自分の強みが生かせるという点も重視しましょう。やりたいことがない場合や、希望がわからない場合には、強みから職場を選ぶのもおすすめです。
調剤が早い、がん治療の知識がある、服薬指導が得意といった薬剤師業務に関連するものから、クレーム対応が苦にならない、力仕事が得意など、あらゆることが強みになり得ます。
自分の得意な業務や経験のある業務と、企業が求めるスキルとが合っていない場合、「苦手な業務ばかりで辛い」と感じてしまうかもしれません。「即戦力のつもりで採用したのに…」と、企業から評価が得られなくなる可能性もあります。
適切に自己分析し、強みとニーズが一致した求人を選ぶことで、働きやすく、評価も得られやすい職場を選ぶことができるのです。
転職エージェントを活用する
薬剤師の転職は、ハローワークで相談する、薬剤師会の求人情報を見る、自分で各医療機関のホームページから求人を探すなどさまざまな方法がありますが、転職エージェントの活用も有効です。
転職エージェントは、職場の雰囲気や実情も把握しているので、転職希望者との面談を通じてよりマッチする職場を選ぶ手助けをしてくれます。
転職エージェントには、多くの非公開求人もあり、より好条件の求人から自分に合った求人を探すことが可能です。また、面接対策や給与交渉の代行をしてくれるなど多様なサポートも受けられます。
自分の強みがわからない方、どんな職場を選べば良いかわからない方も、積極的に転職エージェントを活用しましょう。これまでの経歴や業務内容をもとに、自分でも気が付かないような強みを見出してもらえるため、より良い転職につながります。
さまざまなアドバイスを受けられるため、後悔の少ない転職ができるでしょう。
業界特化だからこそわかる非公開求人や内部情報
ヤクジョブは、薬剤師専門の転職エージェントです。薬剤師業界に特化し、創業から25年以上の歴史があるからこそ、多くの非公開求人を有しています。
非公開求人は、急募で高収入のもの、独占求人、好条件や希少性の高いものなどが多いです。質の高い求人の中から選ぶことができるため、より後悔の少ない転職が可能です。
また、転職エージェントは、各職場の教育体制や残業時間などの実態、雰囲気などの内部情報も把握しています。職場の雰囲気など、求人票だけではわからない点も重視したい方は、転職エージェントを活用してみてください。
キャリア相談だけでもOK、客観的なアドバイスがもらえる
具体的に転職の時期が決まっていない、転職するかどうか迷っているという段階でも、転職エージェントに相談は可能です。
たとえば、「現在の経験やスキルから考えて、一般的に給与水準がどの程度か?」「理想的なキャリアアップのためには、どのような職場が良いのか?」「自分の市場価値はどの程度か?」などについて、客観的な情報を得られるのがメリットと言えます。
他の職場と比較することで、転職について冷静に考えるきっかけになるでしょう。
面倒な書類添削や面接対策も無料でサポート
自分の強みをアピールするためには、履歴書や職務経歴書、面接などの内容が重要です。
とくに職務経歴書は、どのような業務に従事してきたのか、何が得意なのかなど、企業が求める内容をしっかりと記載しておく必要があります。転職エージェントは、書類の書き方や内容など、的確にアピールできるようサポートをしてくれます。
また、自分ではなかなか切り出しにくい給与交渉も、転職エージェントに任せてしまえば、精神的な負担が大きく軽減できるでしょう。
求人探しだけでなく、転職エージェントの提供するさまざまなサポートを受けることで、高倍率な求人でも内定を得られる可能性が高まります。
\あなたに合った職場をお探しします!/
薬剤師を辞めて違う仕事がしたい人によくある悩み

転職を考えたきっかけはさまざまあると思いますが、実際に仕事を辞めるのは簡単なことではありません。一度職場に不満を抱えた以上、次の職場でも同様のことが起きるのではと不安になる人もいるでしょう。
薬剤師からの転職を考える際、多くの人が次のような悩みを抱えます。
● 辞めたあとの給料が心配
● 今の仕事を辞めたいのか薬剤師を辞めたいのかわからない
労働環境や人間関係が悪いなど、職場に固有の問題で転職をしたい場合、まずは職場内の配置転換、グループ内での異動なども選択肢になるでしょう。
その場合、給与は大きく変えずに環境を変えられるため、安心感があります。転職で環境を大きく変えて再出発する前に、できることをやってみてはいかがでしょうか。
新しい業務に挑戦したい、今の職場では取得できない資格を目指したい、というような場合は、環境を変える必要があるかもしれません。希望の業務をすでにおこなっている職場を探してみましょう。
薬剤師の業務そのものから離れたい、薬剤師に向いていないと考えるのであれば、異業種への挑戦も良いかもしれません。その場合でも、薬剤師の資格を活かした働き方はできます。
たとえば公務員薬剤師の場合、調剤や服薬指導はおこないませんが、市民の健康増進につながる業務や、環境衛生など、薬剤師として学んできた知識が不可欠です。
薬剤師の3年離職率は?
薬剤師の離職率についての公的なデータはありませんが、1年で10%前後と推察されます。他業種と比較して離職率が高いということはないようです。
離職の多い時期としては、次の3つが挙げられています。
職場環境や業務内容への不満から転職を考える方が多くなるタイミングです。
● 30〜40代
今後のキャリアや働き方に悩み、転職を考えるタイミングです。
● 結婚・出産・育児などライフイベントがあったとき
一時的に育児に専念したり、短時間勤務を検討したりするために、離職する方が多くなります。 結婚を機に妊活や不妊治療を始める、配偶者が転勤するなどの事情で、離職する方もいます。
まとめ
薬剤師を辞めて違う仕事がしたいと考えたとき、幅広い選択肢が考えられます。これまでに得た資格や経験を生かせる職場も多くあります。転職の際は、将来のキャリアや希望条件に合った転職先を選びましょう。
自分ひとりでは情報収集が難しい場合や、転職に不安がある場合は、専門の転職エージェントに相談することをおすすめします。理想のキャリア・働き方を実現させたい人や、給料アップを目指したい人は、ぜひ一度ヤクジョブにご相談ください。