最新の薬剤師国家試験の合格率・合格者数はもうチェックしましたか?薬剤師志望の方もすでに薬剤師として働いている方も、薬剤師が置かれている状況を知るために、毎年の国家試験の合格率・合格者数を把握しておくことは大切です。
この記事では、2025年2月に実施され、3月に合格発表のあった、第110回薬剤師国家試験の結果について解説します。この記事を読むと、6年制新卒と既卒、男女別、都道府県別、設置主体というセグメント別の合格者数や合格率がわかります。
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👉まずは相談してみる(無料)【最新】薬剤師国家試験の合格率は68.85%!合格率と合格者数の推移
2025年3月25日、厚生労働省より、第110回薬剤師国家試験の結果が発表されました。合格された新薬剤師の方々、おめでとうございます。
ここでは、薬剤師国家試験の最新の合格率や合格者数の推移、その理由について解説します。
全体の合格率・合格者数の推移
令和7年2月に実施された、第110回薬剤師国家試験の受験者数は14,825名、合格者数は9,164名、合格率は68.85%でした。
過去5年間の受験者数、合格者数、合格率の推移は以下のとおりです。
2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | |
受験者数 | 14,031名 | 14,124名 | 13,915名 | 13,585名 | 13,310名 |
合格者数 | 9,634名 | 9,607名 | 9,602名 | 9,296名 | 9,164名 |
合格率 | 68.66% | 68.02% | 69.00% | 68.43% | 68.85% |
今年の受験者数は2024年の第109回と比較して275名減少、合格者数は132名減少となりました。合格率は68.43%から68.85%と上昇しました。
参照元:「第110回薬剤師国家試験の結果について」(厚生労働省)
受験者数、合格者数、合格率ともに平年並みで、過去5年間ほぼ横ばいが続いています。合格率は第105回(2020年)に7割を下回って以来、依然として変わっていない状態です。今後も薬剤師の需要と供給のバランスを考慮しつつ、質の高い薬剤師の育成が求められています。
合格率が低い・難しい理由とは?
合格率が低い・難しい理由として考えられるのは、以下のことです。
● 応用力や思考能力、問題解決力が求められる問題が多かった
● 全体に難易度の高い試験だった
6年間の大学在学中、熱心に勉強や実習に励み、大学卒業見込みの学生でも国家試験に必ず合格できるわけではありません。全体の合格率が7割弱という結果は、やはり「薬剤師になるのは簡単ではない」といってもいいのではないでしょうか。薬剤師になるには、相当の努力が必要であることの証といえるでしょう。合格には単なる暗記力だけでなく、高度な知識と判断力が求められるのです。
セグメント別に合格者数と合格率を解説
ここでは、新卒と既卒、男女別、都道府県別、設置主体別という、セグメント別に合格者数と合格率を解説します。
【6年制新卒】薬剤師国家試験の合格者数・合格率
令和7年2月に実施された、第110回薬剤師国家試験の受験者数は8,061名、合格者数は6,849名、合格率は84.96%でした。
過去5年間の受験者数、合格者数、合格率の推移は以下のとおりです。
2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | |
受験者数 | 8,711名 | 8,665名 | 8,548名 | 8,416名 | 8,061名 |
合格者数 | 7,452名 | 7,386名 | 7,254名 | 7,100名 | 6,849名 |
合格率 | 85.55% | 85.24% | 84.86% | 84.36% | 84.96% |
今年の受験者数は2024年の第109回と比較して355名減少、合格者数は251名減少となりました。合格率は84.36%から84.96%と上昇しました。
受験者と合格者の減少の要因には定員の減少や入学志願者減少の影響があると考えられます。合格率は8割台でほぼ横ばい、既卒よりも高い合格率という傾向は変わりません。
【6年制既卒】薬剤師国家試験の合格者数・合格率
令和7年2月に実施された、第110回薬剤師国家試験の受験者数は5,039名、合格者数は2,214名、合格率は43.94%でした。
過去5年間の受験者数、合格者数、合格率の推移は以下のとおりです。
2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | |
受験者数 | 5,035名 | 5,217名 | 5,146名 | 4,957名 | 5,039名 |
合格者数 | 2,079名 | 2,126名 | 2,267名 | 2,103名 | 2,214名 |
合格率 | 41.29% | 40.75% | 44.05% | 42.42% | 43.94% |
今年の受験者数は2024年の第109回と比較して82名増加、合格者数は111名増加となりました。合格率も、42.42%から43.94%と上昇しました。
合格率は新卒に比べると低いですが、大学卒業後も薬剤師国家試験のために勉強を続けて、難関を突破した経験は長い社会人生活の上で役に立つことも多いでしょう。
【男女別】薬剤師国家試験の合格者数・合格率
令和7年2月に実施された、第110回薬剤師国家試験の男性の合格者数は3,362名(合格率は64.53%)、女性の合格者数は5,934名(合格率は71.44%)でした。
過去5年間の受験者数、合格者数、合格率の推移は以下のとおりです。
2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | |
男性合格者数 | 3,436名 | 3,489名 | 3,549名 | 3,219名 | 3,362名 |
女性合格者数 | 6,198名 | 6,118名 | 6,053名 | 5,945名 | 5,934名 |
男性合格率 | 63.93% | 63.67% | 66.20% | 64.92% | 64.53% |
女性合格率 | 71.60% | 70.78% | 70.76% | 70.59% | 71.44% |
男女別では、過去5年の合格率は男性より女性のほうが高い傾向です。今年の合格者数は2024年の第109回と比較して、男性143名増加、女性11名減少となりました。合格率は男性は下降、女性は上昇しました。
参考:「第110回薬剤師国家試験の結果について」(厚生労働省)
【都道府県別】薬剤師国家試験の合格者数
令和7年2月に実施された、第110回薬剤師国家試験の都道府県の合格者数は、以下のとおりです。比較のために、2024年合格者数もあげました。
都道府県名 | 2024年合格者数 | 2025年合格者数 | 増減 |
北海道 | 327 | 317 | -10 |
青森県 | 74 | 84 | 10 |
岩手県 | 62 | 62 | 0 |
宮城県 | 215 | 189 | -26 |
秋田県 | 45 | 49 | 4 |
山形県 | 52 | 48 | -4 |
福島県 | 145 | 124 | -21 |
茨城県 | 187 | 188 | 1 |
栃木県 | 145 | 124 | -21 |
群馬県 | 131 | 138 | 7 |
埼玉県 | 559 | 596 | 37 |
千葉県 | 615 | 573 | -42 |
東京都 | 1,066 | 1,077 | 11 |
神奈川県 | 673 | 673 | 0 |
新潟県 | 134 | 141 | 7 |
富山県 | 59 | 49 | -10 |
石川県 | 88 | 68 | -20 |
福井県 | 38 | 47 | 9 |
山梨県 | 68 | 69 | 1 |
長野県 | 112 | 117 | 5 |
岐阜県 | 137 | 121 | -16 |
静岡県 | 181 | 202 | 21 |
愛知県 | 477 | 457 | -20 |
三重県 | 110 | 117 | 7 |
滋賀県 | 122 | 113 | -9 |
京都府 | 192 | 189 | -3 |
大阪府 | 821 | 778 | -43 |
兵庫県 | 476 | 505 | 29 |
奈良県 | 149 | 135 | -14 |
和歌山県 | 57 | 61 | 4 |
鳥取県 | 24 | 33 | 9 |
島根県 | 33 | 33 | 0 |
岡山県 | 97 | 117 | 20 |
広島県 | 246 | 207 | -39 |
山口県 | 105 | 113 | 8 |
徳島県 | 65 | 65 | 0 |
香川県 | 73 | 68 | -5 |
愛媛県 | 121 | 84 | -37 |
高知県 | 43 | 54 | 11 |
福岡県 | 406 | 381 | -25 |
佐賀県 | 63 | 53 | -10 |
長崎県 | 77 | 104 | 27 |
熊本県 | 113 | 126 | 13 |
大分県 | 54 | 63 | 9 |
宮崎県 | 70 | 64 | -6 |
鹿児島県 | 119 | 102 | -17 |
沖縄県 | 70 | 86 | 16 |
計 | 9,296 | 9,164 | -132 |
※合格証書の都道府県別送付枚数。
都道府県別合格者数で、合格者の最多は東京都の1,077名、最少は鳥取県と島根県の33名でした。また、合格者が最も増えたのは埼玉県37名、最も減ったのは大阪府43名でした。
【設置主体別】薬剤師国家試験の合格者数・合格率
令和7年2月に実施された、第110回薬剤師国家試験の設置主体別合格者数・合格率は、以下のとおりです。比較のために、2024年合格者数・合格率もあげました。
国立大学 | 公立大学 | 私立大学 | ||||
2024年 | 2025年 | 2024年 | 2025年 | 2024年 | 2025年 | |
合格者数 | 514名 | 572名 | 353名 | 363名 | 8,428名 | 8,229名 |
合格率 | 83.85% | 83.75% | 85.68% | 82.88% | 67.11% | 67.52% |
設置主体別合格率は2024年、2025年ともに高い方から公立、国立、私立の順になっています。この傾向はここしばらく変わっていません。なお、大学別合格率1~3位は以下のとおりです。
1位:千葉大学 96.49%
2位:金沢大学 93.33%
3位:東北大学 92.59%
参考:第110回薬剤師国家試験の結果について(厚生労働省)
国立と公立大学は毎年、安定した合格率を維持していますが、私立は大学ごとに国家試験に対しての取り組みも違い、合格率はばらついています。合格率の高い大学は人気が高い傾向にあり、入学試験の難易度と合格率には相関性があるのかもしれません。
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👉まずは相談してみる(無料)まとめ
この記事では、2025年2月に実施され、3月に発表のあった、第110回薬剤師国家試験の結果について解説してきました。
薬剤師志望の方もすでに薬剤師として働いている方も、薬剤師が置かれている状況を知るために、毎年の国家試験の合格率・合格者数を把握しておくことは大切です。
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