【臨床薬理学会調査】CRCのキャリアなお課題‐「認定取得も変化なし」6割

 日本臨床薬理学会が実施したCRC業務実態調査の結果、医療機関の7割がキャリアアップに向けた開発プランであるキャリアラダー制度を持たず、認定CRCを取得しても昇進に反映されづらいなど、教育体制やインセンティブの面で課題があることが浮き彫りになった。

 3月26日の厚生科学審議会臨床研究部会で、同学会認定CRC制度委員会の渡部歌織氏が報告した。調査はCRCの実態、職務満足度や定着率に影響を与える要因を探ることを目的に、昨年8~11月にかけて現職のCRCとCRC経験者を対象に実施。3129人が回答し、所属先はSMO1722人、医療機関1182人の順だった。

 薬剤師や看護師など医療資格を持つCRCは85%に上るが、渡部氏は「同一施設のCRCでも有する医療資格やその有無により給与体系が異なる。CRCとして専門的知識や技術を持つ無資格者にも同等の給与体系が望まれる」とした。

 キャリアアップに向けた開発プランであるキャリアラダー制度の有無については、SMOでは「ない」が23%にとどまるものの、医療機関では72%に上った。ラダー制度があると回答した人のうち、制度が昇給・昇進の判断基準になっている割合は45%だった。

 また、渡部氏は同学会認定CRC制度にも言及した。5年ごとに更新しているが、更新者数が減少傾向にあるほか、認定CRC取得後の職場環境の変化については「なし」が62%に上った。「給料や手当の増加があった」が21%だった一方、「昇進や役職任命があった」との回答はわずか1%に過ぎず、認定取得者へのキャリアパスやインセンティブ付与につながっていない可能性があるとした。

 調査結果は、体系的な教育体制やキャリアパスが整備されていないこと、認定取得等で専門性を磨いても評価につながりにくいことなどを改めて浮かび上がらせた格好だ。

 渡部氏は、これらの課題を解決するため、複雑化・難化している治験を実施する専門職としての確立されたキャリアを用意するなど医療従事者・専門職としてのアイデンティティ確立や、バックグラウンドにより給与体系が異なることがないなど標準的教育の提供と能力に見合った給与体系が必要と提言した。

2026.04.01