大阪市は14日、医師等からの処方箋交付を受けていない者に対して正当な理由なく処方箋医薬品を販売していたとして、医薬品医療機器等法違反で大阪市中央区のGU薬局(開設者:HuanYu商事、代表取締役宮賛檸)に対して、同日から8月27日までの45日間、薬局の業務停止を命じた。
市生活衛生課薬務指導グループによると、同薬局で販売していた処方箋医薬品は、糖尿病、高脂血症、高血圧などの生活習慣病治療薬を中心に66品目(規格違い含む)。適正使用で必要と認められる数量を超え、購入者の求めに応じて販売していた。
販売期間は、同薬局を開設した今年3月18日から5月23日までで、延べ296人に販売したことを確認している。処方箋医薬品を販売したのは全て外国人旅行者で追跡が難しいこともあり、これまでに健康被害は報告されていない。
また同薬局は、薬局許可は取得しているものの保険薬局の指定は受けておらず、市への薬局開設許可申請時にも零売薬局をメインに行うことを報告していた。
処方箋交付を受けていない者への処方箋医薬品の販売に対して、開設者は「違反行為の認識はなく、販売していた」と説明しているという。
今回の事案は、厚生労働省が通報を受け、5月2日に大阪市へ情報提供。7日に市が立ち入り調査し、事実関係を確認した。大阪市は、開設者に対して処分開始日から1カ月以内に改善計画書を策定し、提出することも命じている。
立ち入り調査では、同薬局に管理薬剤師以外にも複数の従業員が勤務し、医薬品を販売していたが、管理者は勤務する従事者を監督し、薬局内の医薬品在庫管理や販売記録の確認など必要な注意を行っていなかったことも分かった。
OTC医薬品の販売においても、開設者は乱用の恐れのある医薬品の販売に関して、薬剤師に他の薬局からの購入状況を確認させておらず、必要と認められる数量を超える場合の理由を確認することなく、通常を超える数量を販売していた。
さらに、第1類医薬品の販売時においても、薬剤師に対して情報提供の内容の理解や質問の内容、他の医薬品等の使用状況を確認せず、用法・用量、使用上の注意など必要な書面を用いた情報提供も行われていなかった。
2025.7.18