厚生労働省の薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会は2日、法制化後の調剤業務の一部外部委託施行に向け、政省令など具体的規定に関する検討を開始した。委託を認める業務範囲を一包化以外にも拡大する方向性に賛同する声が相次ぎ、国家戦略特区での実証事業で課題として浮き彫りとなった「患者への事前説明」については、煩雑さの解消を求める意見が上がった。今年度内に方向性を整理する計画だ。
調剤業務の一部外部委託をめぐっては、薬局など66社が加盟する薬局DXコンソーシアムや大阪市などが国家戦略特区の実証事業として、薬剤一包化の委受託業務を2024年8月からおよそ半年かけて実施しており、10社15薬局が参加している。その後、昨年5月公布の改正医薬品医療機器等法に明記され、公布後2年以内の施行に向け、委託業務の内容を指す「特定調剤業務」や委受託に必要な体制等を政省令等に規定することとなっている。
この日の検討会では、同コンソーシアムの狭間研至理事長が同一法人間45件、別法人間111件の計156件の実証事業の結果を報告した。外部委託に起因する調剤過誤はなく「安全性について一定の確認ができた」としつつ、症例数が多くなく対人業務の充実は確認できず、有効性に関する統計的な確認までには至らなかったとした。156件にとどまった理由として、署名に抵抗感を覚える患者が少なくないなど説明と同意取得に手間取ったこと、隣接する3次医療圏間の方が便利なケースもあり得るなど課題を説明。実施薬局への調査でも一包化が認められていないこと、患者説明の困難さを訴える声が聞かれた一方、委受託のどちらか、または双方を実施したいと回答した薬局は90%に上るとの結果を報告した。
実証事業の報告も踏まえ、厚労省は、特定調剤業務の範囲(一包化以外)、患者等への事前説明・理解などの論点を提示。患者説明には説明方法も含み、地理的要件は3次医療圏を原則としつつ、地域の実情等に応じた弾力的運用を検討課題とした。
特定調剤業務の範囲について、藤井江美構成員(日本保険薬局協会副会長)は責任の所在や安全性等の担保を前提とし、「一包化だけでは効率化が中途半端。対象拡大に賛同する」と述べた一方、患者への事前説明については、山口育子構成員(ささえあい医療人権センターCOML理事長)が「署名を必要とせず、委受託の理由や責任の所在等を明確にした分かりやすい文書を渡すべき」とし、樋口秋緒構成員(恵み野訪問看護ステーションはあと所長)も「現在は非常に煩雑で、薬局視点でも説明に時間が取られる」と改善を求める声が相次いだ。
2026.02.04
