日本維新の会の猪瀬直樹参議院議員は6日の参院予算委員会で、調剤報酬で薬局薬剤師の業務に算定される技術料について、「医薬分業を進めるインセンティブ誘導コストが一人歩きして患者さんのツケとなっている」と指摘。社会保障改革で見直しを求めた。OTC類似薬についても、処方箋医薬品以外の医療用医薬品を販売する「零売」薬局を活用した医療費削減を訴えた。
猪瀬氏は、医師の不適切な処方を是正する医薬分業の必要性は認めつつも、医療機関の近隣に門前薬局が集中している状況を批判。院外処方による医療費が院内処方よりも高額になることを説明し、調剤報酬の算定項目について「なぜこんなに多く付いているのか」と疑問を呈した。特に、服薬管理指導料は「お薬手帳を持っていても持っていなくても取られるので無駄なコストだ。マイナカードに記録が残るので、お薬手帳はもういらない」と槍玉に挙げた。
現在の医薬分業の仕組みについても「真面目な医師、薬剤師は一生懸命仕事をしているが、ユーザーとの関係を壊している構造が出来上がっている」とも語った。
OTC類似薬については、「7000種類あるが処方箋を書く場合がほとんど。処方箋がなくても買える薬であれば1兆円は削減することができる」と主張し、零売薬局の活用を訴えた。ユーザー側の視点から「働いている人たちはなかなか病院に行けなくて、売っているところがあれば大変助かる」と述べた。
これに対し、石破茂首相は、「OTC類似薬については、保険給付のあり方を見直すに当たって、患者にとって必要な医療へのアクセスがきちんとできるということを配慮しなければならない」との考えを示した。
また、「OTC医薬品との負担のバランスも重要な問題」としつつ、「患者さんが必要な医療にアクセスできるということを確保しながら、制度の持続可能性をどのように見出していく議論をしないと制度自体が瓦解する」と述べ、自民、公明、維新の3党の協議体で検討を進める方針を示した。
2025.3.10