日本病院薬剤師会は、昨年11月時点における薬剤業務向上加算の算定状況について公表した。既に算定している施設は17施設あり、今年度中に算定予定は11施設、2025年度以降に算定予定は65施設に上ることが判明した。一方で「算定の予定はない」との回答は194施設だった。
薬剤業務向上加算を算定する施設は、特定機能病院が11施設、急性期充実体制加算1の算定施設が5施設、同加算2の算定施設が1施設となった。所在都道府県は千葉県が3施設、東京都と石川県、大阪府が2施設、1施設が宮城県、神奈川県、静岡県、愛知県、岡山県、広島県、山口県、長崎県となっている。
出向先施設の所在都道府県は「出向元と同一都道府県内」は15施設、「出向元の所在都道府県外」が2施設となった。出向中人数は1人が15施設、2人が2施設だった。
出向者の出向期間では最も多かったのが「3カ月」で11人、次いで「6カ月」が6人、「2カ月」が4人と続いた。出向者の病院勤務経験年数は「10年を超える」が10人、「5年以上~10年」が16人、「5年未満」が8人。出向元施設勤続年数では「5年以上~10年」が14人、「5年未満」が13人、「10年を超える」が7人となった。
出向者の賃金基準は「出向元に準ずる」が15人、「出向先に準ずる」が1人で、昇給や昇任など出向者のインセンティブ「あり」が5施設、「なし」が12施設だった。
また、薬剤業務向上加算を算定するために薬剤師を新たに採用したかを聞いたところ、「今年度に採用(内定)した」は1施設、「2025年度に採用予定」は5施設、「採用の予定を含めない」は11施設あった。
一方、薬剤業務向上加算の算定予定がない理由を聞いたところ、「病棟薬剤業務実施加算の届出している施設ではない」が13施設、「研修を実施する体制が整備できない」が48施設、「地域の医療機関に出向する薬剤師が確保できない」が120施設、「出向する医療機関がない」が29施設、「都道府県と連携体制を整備することができない」が35施設となった。
武田泰生会長は2月26日の記者会見で、「大きな施設では数千万円の上乗せになるので、半分程度は採用に活用してほしい。施設によっては、全て赤字補填をしているところもあると聞いているので、薬剤部長にはぜひ頑張ってほしい」と述べ、薬剤師の増員を促した。
2025.3.3