【答申】乱用薬、販売個数は個別判断‐穿刺血検査薬はOTC化を/規制改革推進会議

政府の規制改革推進会議は5月28日、規制改革推進に関する答申を取りまとめ、石破茂首相に提出した。乱用の恐れのある一般用医薬品の販売個数・容量制限は科学的知見等を踏まえて個別製品ごとに検討すること、「時期尚早」と判断された一般用検査薬の導入に関する一般原則の見直しの再検討などを求めた。

健康・医療分野では、乱用等の恐れのある一般用医薬品の販売規制適正化を記載。販売個数・容量の制限、購入者の手が届かない場所への陳列など、頻回購入防止と薬剤師等に求められる情報提供の実効性が確保される対策を検討し、年内に結論を得た上で来年上期に法令上の措置を取る。販売個数・容量の制限については、成分、薬効群、製品ごとに科学的知見や乱用実態も踏まえて個別に検討し、制限するとした。
要指導医薬品は全品目を対象にオンライン服薬指導可能とすることを検討した上で、オンライン販売を原則可能とすることも検討する。緊急避妊薬など薬剤師の面前で直ちに服薬する必要がある品目は当面はオンライン販売の例外にしつつ、オンライン販売を不可とする品目を設ける場合は判断時に具体的理由を明らかにし、他の品目に共通して合理的に適用できる基準の作成を検討する。

また、要指導医薬品として3年経過後も一般用医薬品に移行せず、要指導医薬品に指定し続けられる制度の新設も検討することとした。
自己穿刺による穿刺血を検体に用いた検査薬の一般用検査薬への転用に関して、まずは自己血糖測定検査薬のOTC化に向け、対象となる使用者の範囲や販売者側の実態等を調査し、OTC化に向けた検討を行う。検討の結論を踏まえ、穿刺血を検体に用いた生活習慣病や性感染症等の検査薬のOTC化を可能とするため、薬事審議会で「時期尚早」と判断された「一般用検査薬の導入に関する一般原則」の見直しなど必要な措置を取ることとした。
一般用医薬品の第3類品目のうち、うがい薬や洗眼薬等について医薬部外品に移行することを今年から検討し、来年度までに結論を得ることとした。

治験に関する広告規制の見直しも求めた。医療機関で実施されている臨床研究情報を公開している臨床研究等提出・公開システム(jRCT)に掲載された信頼性の高い治験情報等について、治験広告に掲載された二次元コードからウェブサイトにアクセスして治験情報を得るといった方策について、患者団体や製薬団体から意見を踏まえて検討する。結論を得次第、同サイトについて、実施医療機関など患者の閲覧ニーズが高い情報を掲載できる箇所の新設、検索システム見直しによる検索精度向上、患者が被験者となり得る治験に関する情報についてプッシュ型で情報提供できる方策を検討する。
在宅医療における円滑な薬物治療の提供に向け、事前に訪問看護ステーションに配置できる新たな医薬品の具体的要件や保管方法等を年内に明確にするよう求めた。その後、地方公共団体や関係団体の協力を得ながら、全国の在宅医療における薬物提供体制の実態を継続的に把握し、方策の見直しの要否を2027年までに結論を得ることとした。

2025.6.2