医薬品規制調和国際会議(ICH)の「患者選好研究に関する一般指針(ICHE-22)」のガイドライン案が昨年11月にステップ2に到達したことを受け、日本でも同ガイドライン案に対するパブリックコメントが1月から開始された。医薬品開発においてPPI(患者・市民参画)の実践が求められる中、アンメットメディカルニーズの把握や、患者の臨床試験への参加意向、臨床試験の主要評価項目選択に資する情報を収集する手法として、「患者選好研究(PPS)」を活用していくための指針となる。12月にはガイドライン合意となるステップ4に到達する見込みで、PPI実践に関する国内外初のガイドライン化が目前に迫っている。
世界的に患者の声を医薬品開発に生かそうとする機運が高まる中、ICH-E22専門家作業部会では、同ガイドラインの策定に向けた検討を重ねてきた。その結果、ステップ2のガイドライン案として承認された。
医薬品医療機器総合機構(PMDA)はウェブ上で説明会を開催した。それによると、PPSとは、調査票や面接を通じて患者に選択の表明を求める研究手法を用いた患者選好研究であり、患者が異なる治療の特性やアウトカムをどのように評価し、優先順位付けを行うか、またベネフィットとリスクの間でどのようなトレードオフを受け入れるかを明らかにすることを目的に設計されている。
ガイドラインでは、「全ての医薬品開発プログラムにおいて患者選好研究の実施を求めるものではない」との見解を示す一方、患者から得られる知見を理解することは「アンメットメディカルニーズの特定、臨床試験の設計、結果の解釈など、医薬品開発の様々な側面において重要である」としている。
また、医薬品のベネフィット・リスク評価や規制当局への申請においても、「有効性および安全性に関する情報と合わせて考慮し得るもの」と位置付けている。
具体的には、開発の早期段階において、アンメットメディカルニーズや患者にとって重要な治療特性、疾患管理における優先順位に関する情報を提供する可能性があるとしている。臨床試験のデザインにおいては、主要評価項目の開発や選択、重みづけ、スコアリングに加え、患者が主要評価項目についてどの程度の変化を臨床的に意義のあるものと捉えるかを反映した結果解釈に資する可能性があるとした。
後期開発段階においてもPPSは試験結果の解釈を支援し、ベネフィットとリスクのトレードオフやリスク許容の閾値に関する情報を提供することが可能で、特にリスクが高い場合や不確実性が大きい場合に有用であるとしている。
ガイドライン案については4月10日まで意見募集を行う予定となっている。
2026.03.06
