薬害オンブズパースン会議は1月31日、東京都とファイザーの福祉・保健医療分野における連携協定に反対する意見書を公表した。製薬企業を監視指導する立場の都が一企業と連携協定を結ぶことについて、「著しい利益相反があり、ワクチンや治療薬を過大評価した偏った政策が採用されかねない」と強く批判。速やかに連携協定を解消するよう求めた。
都とファイザーは昨年12月、福祉・保健医療分野に関する6項目の連携協定を締結した。具体的には、▽共同調査▽子供の健やかな成長▽健康増進▽医療▽人権▽その他、地域社会の活性化および都民サービスの向上等――について連携・協力するとし、協定締結により地域社会の発展と都民サービスの向上を図っていくとしていた。
同会議は、ファイザーについて「コロナワクチンをはじめ各種医薬品を製造販売している企業であり、福祉・保健医療分野の政策によって医薬品の販売量が左右される可能性がある」と利益相反を指摘した。
都の業務には製薬企業を監視・指導することも含まれているため、「都の福祉・保健医療行政の中立性、公平性を著しく損なうものであり、明らかに不適切」と速やかに協定を解消するよう求めた。
同会議は昨年3月にも、都がファイザー取締役執行役員で炎症・免疫部門長の宮原京子氏を教育委員会委員に任命したことに関して、反対の意見書を提出している。今回の協定締結も踏まえ、「異常と言うほかない癒着」と非難した。