海外販売ルートの拡大促す‐後発品産業育成へ提言/自民党議員連盟「ジェネリック医薬品の将来を考える会」

自民党の議員連盟「ジェネリック医薬品の将来を考える会」(上川陽子会長)は20日、後発品産業の持続可能な産業構造構築のために企業、国が取り組むべき提言案を大筋で了承した。後発品の品質・安定供給確保に向けた取り組みと並行して後発品メーカーによる海外での販路拡大を促している。
提言案では、後発品産業を持続可能な産業構造としていくため、生産規模の拡大による生産性の向上が重要と指摘。品質や安定供給に向けた取り組みを着実に進め、品質と国内の安定供給が確保された次のステージとして、日本の優れた後発品を海外展開することも視野に入れて取り組む必要性を提示した。

世界人口の8割を占めるアジア・アフリカ市場に展開し、規模の経済をさらに追求する企業戦略の立案を進めることを提案。品質が確保された後発品を薬局等を通じて健康管理機能とパッケージで提供することにより、海外での販路を戦略的に開拓していく方策も挙げた。現地の大使館や国際協力機構(JICA)の協力を得て国を挙げて後発品メーカーの海外展開を支援し、原薬の国産化を進める抗菌薬についても海外展開の発想が必要とした。
業界再編に向けた環境整備も求めている。基金による企業間連携支援では個々の企業の経営状況・製造能力・品質管理等を第三者が客観的に評価できる仕組みを取り入れるよう要望。産業構造改革は品目統合の優先度が高い品目が客観的に判定され進められるべきとした。2025年度に実施される「医薬品安定供給支援補助金」のモデル事業などを活用し、供給不足の品目統合のモデルを国が示し企業側はそれを活用した取り組みを行っていくべきとした。

一方、サプライチェーンの強靱化では、安定確保医薬品を対象としたサプライチェーンの調査や輸入元の分散化の支援を引き続き行う必要があると指摘。感染症関連の医薬品や医療上必要性が高い医薬品については、在庫を通常以上に積み増しておくことが必要とし、国による財政支援を充てるよう求めた。

2025.5.23