不適品の保管手順規定せず‐オレンジレターで注意喚起/医薬品医療機器総合機構

 医薬品医療機器総合機構(PMDA)はGMP指摘事例速報(オレンジレター)を公表し、2021年の改正GMP省令施行後に頻出している事例を報告した。不適品を保管する手順を規定しておらず、廃棄の際に品質保証部門に文書で報告する手順も定めていなかったとして、PMDAは不適品の管理に関する記録を作成して担当部門に報告することなどを求めている。

 現行のGMP省令では、製造業者等に対して回収された製品を区分して一定期間保管後、適切に処理すること、回収された製品の内容を記載した保管・処理に関する記録を作成して保管し、品質保証担当に文書で報告するよう求めている。

 今回の指摘事例では、専用の保管設備がないことからロープで倉庫を区分して不適品を保管していたが、その旨を手順に規定していなかった。不適品を廃棄する際に品質保証部門等に文書で報告する手順も定めていなかったとしている。

 原因として、国内または海外の製造所が不適品も回収された製品と同様に管理する必要があることを認識していないこと、不適品の処理を品質保証部門以外の倉庫部門、環境・衛生安全部門等が一律に担当していることなどを挙げている。

 製造所は改善策として、不適品が良品に混ざる可能性についてリスク評価した結果に基づき、不適品を区分保管する方法を手順書に明記し、良品と混ざるリスクを低減するため、不適品は製造所内の施錠可能な廃棄物保管庫で保管した。また、廃棄物保管庫へ移動させるまでの出納記録を作成し、品質保証部門に報告する手順も定めた。

 指摘事例を踏まえ、PMDAは不適品が良品と誤って使用または出荷されないことが確実な手順となっているか、不適品の管理に関する記録を作成し、品質保証部門を製造管理者に文書で報告しているかを調査申請前の段階で再確認するよう求めた。

2025.10.8