受託薬局の直送に反対論‐調剤外部委託めぐり議論/薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会

 厚生労働省の薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会は3月30日、法制化後の調剤業務の一部外部委託施行に関する議論を行った。委託薬局で監査を行った上での受託薬局から患者宅への薬剤の直送について、安全性や監査の技術的観点から薬剤師構成員から反対意見が相次いだ。

 薬局等が加盟する薬局DXコンソーシアムや大阪市などが取り組んでいる国家戦略特区実証事業では、委託薬局が薬剤の遠隔による確認と遠隔確認に基づく最終監査を実施し、受託薬局から患者に薬剤が配送される(直送)に向けた検証を行うこととしているが、現時点で直送を実施した事例はない。

 直送を行う場合の流れとして、受託薬局が一包化が適切に行われているか確認、薬剤を薬袋に封入、最終監査用データを受託薬局に送付し、委託薬局で最終監査を行い、受託薬局に薬剤配送を指示して受託薬局が実際に配送する。

 検討会では一包化以外の特定調剤業務の範囲として、受託薬局から患者への薬剤直送が論点となった。橋場元構成員(日本薬剤師会常務理事)は、「遠隔による監査実施の具体的手法は見当たらず、実現には技術的課題も多い。実証事業の結果も踏まえて遠隔監査が実装可能と確認できるまで一包化された薬剤の直送は認められない」と反対意見を述べた。

 関口周吉構成員(日本チェーンドラッグストア協会副会長)も「調剤の流れで重要な部分は監査だ。直送は一時的に置いて、それ以外のルートで議論すべき」と同調。小林百代構成員(さかうえ薬局)も所属薬局の勤務薬剤師の意見を引用し、「直送ではなく最終的に自分の目で確認したものを患者に渡したいとの声が上がっている」と述べるなど、薬剤師構成員から反対意見が相次いだ。

 医師の視点からも、磯崎哲男構成員(神奈川県医師会理事)は「薬剤師は薬剤を渡す場面で患者に様々な説明を行う。直送では渡す場面がないため、対人業務が悪化する懸念がある」と疑義を呈した。

 同一の処方箋において一包化されない薬剤も外部委託の範囲に認めるかに関して、関口氏は「一包化以外の薬剤まで委託すると、委託元の薬局の姿勢が疑われる。面分業推進の精神に則って進めるべき」と主張。安全性の担保等の観点からも、まずは一包化に限定して開始を求める声が複数上がった。

 一方、委託先薬局の地理的要件として、自治体間で許可情報や監視情報を共有する仕組みが未整備などの現状を踏まえ、三次医療圏を原則としつつ、地域の実情等に応じた弾力的運用も論点となった。

 関口氏は「三次医療圏を原則としつつ、隣接する医療圏同士の自治体で話し合いで医療資源が乏しい地域は例外的に考えるべき」とし、橋場氏も「まずは安全かつ慎重に運用していく必要があり、現時点で範囲拡大の議論そのものに懸念がある。自治体での適正な運用・指導監視に支障がないことが最も重要」と述べ、三次医療圏を原則とする考えを支持する声が上がった。

2026.04.01