福岡資麿厚生労働相は、9日の衆議院厚生労働委員会における医薬品医療機器等法改正案の審議で、非処方箋医薬品の販売(零売)に対する規制について「必要最小限かつ合理的な規制措置」とする考えを示した。また、具体的運用を規定する省令やガイドライン等の策定時には関係者の意見を聞くこととした。早稲田夕季議員(立憲民主党)に対する答弁。
薬機法改正案では、医療用医薬品は処方箋に基づく販売を原則とした上で、「やむを得ない場合」にのみ薬局での販売を認めることとしている。
早稲田氏は、零売について「緊急時の手段として非常に有益で、法制化してまで対処する必要があるのか疑問」とした上で、やむを得ない場合について「現場の薬剤師にとって判断が難しく、萎縮したり結果的に零売が大きく制限される懸念があってはならない」と訴えた。
そのため、「薬剤師の判断に一定の裁量を残す制度が不可欠。過度な指導や規制により営業継続が困難とならないよう、必要最小限かつ合理的な規制措置にとどめてほしい」とした。
これに対して、福岡氏は「緊急時等のやむを得ない場合に薬剤師と相談した上で、必要最小量の数量を販売する本来の趣旨に則って経営している薬局はこれまで通り継続できる。必要最小限かつ合理的な規制措置で行っていきたい」との考えを示した。
改正内容の具体的な運用に当たっては、「施行に向けて関係者の意見を聞きながら、省令やガイドライン等の策定により周知を図りたい」とし、「零売は国民の緊急時に医薬品へのアクセスを確保するために必要な制度だ。改正法が成立した際にはこの考えのもとで運用し、求められる対応も分かりやすい形で示したい」と応じた。
早稲田氏は、適切な経営を行ってきた零売薬局との意見交換の場を設け、意見を省令等に反映すること、施行前に説明会や相談窓口等を開設することも求めた。また、零売に関する行政訴訟を来月に控えていることも踏まえ、「法改正が将来にわたり違憲のそしりを受けないか慎重に審議すべき」とクギを刺した。
2025.4.11