政府の「創薬力向上のための官民協議会ワーキンググループ」は22日、日本製薬団体連合会など業界4団体からヒアリングを行った。合理的でない市場拡大再算定の廃止、後発品の安定供給に向け、基礎的医薬品の制度見直しや低薬価医薬品の薬価改定に関する新ルールの検討を求める要望などが上がった。
日薬連は、▽合理的でない市場拡大再算定の廃止▽安定供給確保に向けた仕組みの改善▽物価高騰等の影響を踏まえた薬価改定の仕組みの実現――を要求。
市場拡大再算定に関して特例拡大再算定の廃止を訴えたほか、希少疾病や小児の効能追加だけでなく、追加した効能・効果が市場に与える影響が明らかに小さい場合は再算定の対象から除外を求めた。
安定供給実現に向けては、基礎的医薬品の対象となる範囲拡充や、外用塗布剤・点眼・点鼻・点耳液など最低薬価が未設定の剤形が存在するとして、最低薬価の区分見直し等も必要とした。
日本ジェネリック製薬協会は、現行の薬価制度では中長期的に後発品企業としての存続が容易でなく、医薬品の継続的供給は困難と主張。短期的には銘柄別改定、薬価の下支え(不採算品再算定、最低薬価の継続的見直し、基礎的医薬品の制度見直し)を求めると共に、中長期的観点として数量シェアが高く、薬価に対する製造コストが高い低薬価医薬品については現行の薬価改定ルールでは供給が難しくなり、新ルールの検討が必要と提言した。医療上必要な医薬品についても、現行とは異なる改定ルールを求めた。
一方、厚労省は、ワーキングの論点である▽創薬イノベーション推進▽医薬品産業の構造改革等▽その他(バイオシミラー市場への参入促進等)――で項目立てた「議論の整理」の骨子を示し、構成員による意見交換が行われた。
製薬団体からは、「特許期間中は薬価を維持するシンプルな仕組みにするなどの共通認識を作っていくべき。公的医療保険の財政制限により製薬産業が毀損されてきたことも考えてほしい」との意見が上がった。
2025.9.26