厚生労働省は5日の医療用医薬品の流通改善に関する懇談会で、日本製薬工業協会・日本ジェネリック製薬協会加盟社における2023~25年度分の仕切価率に関する調査結果を公表した。逆ざや仕切価率(仕切価率100%以上)が設定された包装単位の割合は2年間で5.2%から6.4%と上昇傾向にあり、納入価率の逆ざやも後発品など全カテゴリーで増加傾向が見られた。
逆ざや仕切価率が設定された包装単位は、全包装数に対して23年5.2%、24年5.8%、25年6.4%と上昇傾向にある。カテゴリー別の逆ざや仕切価率の包装単位の割合は、後発品が過去3年度分でいずれも7割超を占めて最多だった一方、長期収載品も24年度の5.5%から25年度は6.6%と増加傾向にある。
逆ざや仕切価設定の理由として、原材料費の高騰が83.9%、人件費や配送費など販売管理費の高騰が56.5%を占めた。卸に設定理由等を説明している企業は95.2%に上った。
一方、納入価率における逆ざや品目は全カテゴリーで見られ、「その他の品目」が22年度4.8%、23年度5.5%、24年度5.9%、「後発品」が0.9%、1.4%、5.9%など、全カテゴリーで増加傾向が見られた。
日本私立医科大学協会の小山信彌参与は「上流は価格決定できるが、卸での不採算を引き受けるのは病院で、公定価格により1円も動かせない中で診療を行っている」と訴えた。日本保険薬局協会の原靖明医薬品流通検討委員会副委員長も「薬局は薬価引き上げができず、儲からないからといって引き受け拒否もできない」と述べるなど、改善を求める声が相次いだ。
2025.11.10
