【厚労省が骨子素案】「持続可能性価格調整」に‐特例再算定の制度名称

 厚生労働省は12日、2026年度薬価制度改革の骨子たたき台を中央社会保険医療協議会薬価専門部会に示した。前回提示した対応の方向性案から大きな修正点として、市場拡大再算定の特例の名称を「持続可能性価格調整」(英語名:PASSS)(仮称)に変更する。今回示されなかった最低薬価や不採算品再算定の対応については骨子案で盛り込む方針だ。

 たたき台は、対応の方向性案をほぼ踏襲している。市場拡大再算定の特例については、制度名称を「国民負担軽減価格調整」と提案していたが、製薬業界からの反対を受けて「持続可能性価格調整」に改めた。

 年間1500億円の市場規模を超えると見込まれる高額医薬品とその類似薬については、効能追加等の有無に関わらず、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)により使用量を把握し、薬価改定以外の機会も含め市場拡大再算定・持続可能性価格調整を実施する。

 持続可能性価格調整の適用については、年間販売額が予測販売額から10倍以上かつ3000億円超に急拡大した場合に限り、引き下げ幅の上限値を50%から引き上げ、66.7%(3分の2)とする。

 この日の部会では、最低薬価や不採算品再算定の算定ルールのあり方も議論した。25年度改定では不採算品再算定品について基礎的医薬品と組成・剤形が同一である品目、安定確保医薬品A・B、厚労相が増産要請を行った品目など、医療上の必要性が高い医薬品に絞って臨時的に不採算品再算定品として適用したほか、最低薬価は3%の引き上げを行った。

 森昌平委員(日本薬剤師会副会長)は、不採算品再算定について「安定供給に支障を来した場合に代替が困難など治療に影響を及ぼすものについて配慮が必要」と述べた。

 一方、松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は、今年度の薬価調査結果速報値で最低薬価品の平均乖離率が7%台との結果になったことに対して、「未だに総価交渉が行われ、薬価差益の調整弁になっている。以前より乖離率が小さくなっているが、3%の引き上げをした直後に引き上げ率を超える値引きというのは、大変重いことだと認識すべき。物価が上がれば自動的に最低薬価が上がるものではない」と指摘した。

 不採算品再算定については「特定の製品が途絶えた場合に代替供給を確保するのが困難な製品を対象とすることには異論がない」と述べた。

2025.12.15