中央社会保険医療協議会総会は14日、中外製薬のデュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬「エレビジス点滴静注」(一般名:デランジストロゲンモキセパルボベク)の医療保険上の取り扱いについて、医薬品の例により対応する案を了承した。
同剤は、昨年5月に再生医療等製品として条件・期限付き承認を受けたが、海外の歩行不能な患者で致死的な経過を辿った急性肝不全が2件報告されたため、厚生労働省は6月の総会で、新たな安全性情報についてさらなる情報を収集した上で医療保険上の取り扱いを議論する方針を示していた。
この日の総会で厚労省は、同剤の安全対策として添付文書の「重大な副作用」に急性心不全を追記したこと、適正使用ガイドなど関連資材に、投与前の肝機能検査の実施や投与可否の判断のための手順明確化、投与後に肝機能障害が発生した場合は投与施設が小児患者に対応可能な肝臓専門医のいる連携先等から協力を得られるよう多層的な連携体制を整備することなどを記載したと報告。
昨年12月に日本小児神経学会など関係学会に、これら安全対策を徹底するよう要請したことなども説明した。
有効性については、第III相試験の副次評価項目である「床上起き上がり時間」「10m歩行/歩行時間」等で一定の運動機能改善や運動機能低下の抑制が期待できる結果が得られていることなどを報告した。
これらの報告を踏まえた上で、同剤の医療保険上の取り扱いに関する案を提示した。米国で承認済みであること、長期の経過を確認することで有効性の確認が可能な状況となることが合理的に予想され、先行する米国と同様の判断になり得ると期待されるとし、同剤の保険適用の手続きを進めるとした。
また、静脈内に注射して投与することが医薬品と類似した投与法であることなどから、医薬品の例によって対応し、薬価算定組織で償還価格を検討して総会で薬価基準への収載について審議するとした。
診療側の江澤和彦委員(日本医師会常任理事)は、「一定の安全性・有効性が示唆され、本承認に至る可能性があると受け止めた」としつつ、「これらは薬事の段階で議論されるべきで、少なくとも安全性は薬事の段階でしっかりと担保されていることが条件」と指摘した。
2026.01.19
