イラクナを第1類に移行‐ベルフェミンは第2類/薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会

 薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会は8月29日、要指導医薬品で小林製薬の胃腸剤「イラクナ」(一般名:イトプリド塩酸塩)について、一般用医薬品の第1類に移行して製造販売することを了承した。

 2022年9月の製造販売開始後、3年間の製造販売後調査の終了見込みに伴い、一般用医薬品としての製造販売可否についてこの日の調査会で審議した。

 22年9月~今年5月の調査期間で、特別調査3011症例のうち、副作用は61例109件で、重篤な副作用は報告されなかった。未知の副作用として、おくび、口渇が各4件等が報告された。一般調査では、副作用7例8件のうち、同様に重篤な副作用は報告されなかった。未知の副作用として、口の感覚鈍麻、腹部不快感等が報告された。

 二神生爾参考人(日本医科大学武蔵小杉病院消化器内科教授)は、「日常的に使用される薬で、作用が比較的穏やかで重篤な副作用もないため、移行は妥当」との見解を示し、委員からも異議は出なかった。

 一方、調査会では一般用医薬品の第1類でゼリア新薬の軽度静脈環流障害改善剤「ベルフェミン」(セイヨウトチノキ種子エキス)について、第2類医薬品に移行して製造販売することも了承した。厚生労働省はパブリックコメントを募った上で、部会でも審議する。

 22年1月~24年3月の製造販売後調査では、特別調査1651症例のうち、副作用99例148件で、重篤な副作用は確認されず、未知の副作用として傾眠、便秘等が報告された。一般調査でも副作用53件79件が報告されたものの、重篤な副作用は報告されなかった。

2025.9.3