【医療保険部会】OTC類似薬は保険維持‐患者に別途負担求める/社会保障審議会医療保険部会

 社会保障審議会医療保険部会は11月27日、OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しについて、薬剤そのものを保険給付対象として維持しつつ、別途負担を求める方針を決めた。負担見直しで配慮が必要な人の具体的な範囲として、18歳以下、長期間にわたりOTC類似薬の利用が必要な人などとした。

 厚生労働省はこの日、薬剤そのものを保険給付の対象外とせず、患者の状況や負担に配慮した別途負担を求める案を示した。新たな負担を求めない人の範囲として18歳以下、公的支援を受けている人、長期間OTC類似薬の利用が必要な人、入院患者などとした。

 實松尊徳委員(全国後期高齢者医療広域連合協議会会長)は、「保険適用外にすると過度な負担増につながり、必要な治療や受診の抑制を招く恐れがある。薬剤は保険給付の対象内で維持すべき」とし、佐野雅宏委員(健康保険組合連合会会長代理)も「薬剤そのものを保険適用対象外としない前提で患者負担を検討するのは現実的な方向性」と述べるなど、厚労省案に反対する意見は出なかった。

 中村さやか委員(上智大学経済学部教授)も保険適用の維持に賛同しつつ、「配慮が必要な人の新たな負担は必ずしもゼロにせず、負担を小さくするものとしても良い」と提起。北川博康委員(全国健康保険協会理事長)も「完全に負担ゼロとするかについてはまだ議論が必要」と同調した。

 伊奈川秀和委員(国際医療福祉大学医療福祉学部教授)は「入院患者はOTC医薬品との代替性がなく、今回の議論に馴染まない。長期間特定の薬を使う人、アレルギー患者などへの配慮も必要」とし、「配慮が必要な人の範囲の線引きはガイドラインを含め、客観的で明確な基準が必要」との考えを示した。

 OTC類似薬の範囲に関しては、これまでの議論で成分が同一でも用法・用量、効能・効果等が異なり、単純に保険適用から除外することは難しい、OTC薬で代替可能なものは可能な限り広範囲を対象にすべきなどの声が上がっていた。

 この日の部会でも、佐野氏が「用法・用量や効能・効果等の違いを踏まえつつ、OTC薬で代替可能なものは可能な限り広い範囲を対象にすべき」と求め、北川氏も同調した。

 城守国斗委員(日本医師会常任理事)は「OTC薬の代替性を検討するにしても、範囲の基準を一概に判断することは困難。個々に代替性を検討する丁寧な議論が必要」と述べた。

2025.12.01