外務省の北村俊博外務報道官は16日の記者会見で、中国でスパイ罪で起訴されたアステラス製薬社員が同日、スパイ活動を行ったとして中国北京市第二中級人民法院から懲役3年6カ月の判決が言い渡されたと説明した。同社員に対して、「邦人保護の観点からできる限りの支援を行っていく」と政府の姿勢を示した。
北村氏は判決に対し「極めて遺憾」と表明した。判決公判は金杉駐中国大使、在中国日本大使館員が傍聴したという。判決内容について「中国側からは外に発表されていない」と述べた。
中国側には、▽当該邦人および他の拘束されている邦人の早期釈放▽拘留中の正当な権利の保障および人道的な取り扱い▽司法プロセスの透明性向上――を「強く申し入れた」という。
判決を受け、アステラスは本紙に対し、「判決の詳細は把握しておらず、判決に対するコメントは差し控えたい。われわれとしては社員の健康、安全を確保するためにできるサポートをしている。引き続き関係各所と連携し、適切に対応していく」とコメントした。
同社員は2023年3月に中国から帰国する直前に拘束された。
2025.7.23