【文科省25年度概算要求】創薬人材養成へ調査研究‐来年度から最大3年間/文部科学省

文部科学省の2025年度予算概算要求では、大学の薬学分野において創薬に貢献する医療人材養成の強化につながる博士課程プログラムを構築するため、「薬学教育における創薬研究人材養成のための調査研究」の予算を新規計上する。27年度までの最大3年間で、調査1件に対し最大4000万円の規模となる見通し。厚生労働省の25年度概算要求で創薬力強化を推進するための事業が盛り込まれたが、薬学分野でも創薬研究人材を養成するための調査事業を手がける。

大学における医療人養成のあり方に関する調査研究として、前年度の3000万円から1億円に増額して要求。薬学教育における創薬研究人材養成のための調査研究を新たに実施する。
文科省は、創薬に関わる人材育成について「薬学分野では、創薬に貢献できる人材や現在の世界の主流となっている創薬手法に対応した医薬品開発につながる研究力を身に付けるカリキュラム等が不足し、薬学教育のカリキュラムの充実や基礎研究の強化、博士課程進学者の増加は喫緊の課題」と指摘。そのため、創薬研究に関する薬学教育の現状や課題を把握・分析した上で、創薬に貢献する医療人材養成の強化につながる博士課程プログラムを構築する。

政府の創薬構想会議の中間取りまとめを踏まえた政策目標では、アカデミアやスタートアップの絶え間ないシーズ創出に向け、薬学部・薬系大学院修了者のうち、創薬関連の仕事や研究に就く人を現状より増やす成果指標を示している。調査事業を通じて創薬研究人材養成に乗り出す。
また、実務実習指導薬剤師が抱える課題を解決するために、教育コンテンツを大学・病院・薬局へ普及させる調査研究も行う。「薬学部の臨床における実務実習の改善・充実に関する調査研究」では25~27年度の最大3年間、1件に1000万円を充てる。
文科省は「薬剤師業務の量的・質的な変化を背景に、学生の臨床にかかる実践的な能力の向上が求められており、追加の実習等を実施できるよう環境の整備が必要」との課題認識を示し、調査研究を通じて対応を検討していく考えだ。

2024.9.2