戦略品を10製品に拡大‐フチバチニブなど候補/大塚ホールディングス

大塚ホールディングスの樋口達夫社長兼CEOは14日、2022年12月期決算説明会で、28年までを予定する次期中期経営計画の期間中に、医療関連事業の成長を牽引するグローバル戦略品を現在の4製品から10製品に増やす意向を表明した。

現中計は23年で終了する。グローバル戦略品は、同事業の売上約1兆円のうち6割強を占めるに至った。次期中計では、精神・神経領域からは▽抗精神病薬「レキサルティ」(販売中、アルツハイマー型認知症に伴うアジテーション:米申請中、日欧第III相、大うつ病:日欧第III相、PTSD:米第III相、統合失調症:中国申請中、統合失調症持続性注射剤:米第I相、統合失調症週1回投与製剤:第III相)▽抗精神病薬「エビリファイ2カ月持続注射剤」(米欧申請中)▽AVP-786(アルツハイマー型認知症に伴うアジテーション:米欧第III相、統合失調症陰性症状:米第II/III相)▽ユーロタロント(統合失調症:米第III相、日中第II/III相、大うつ病:米第II相/III相、全般性不安障害:日米第II/III相)▽センタナファジン(ADHD:米第III相、大うつ病:米第II相)――を候補に挙げた。

癌領域では、▽TAS6417(非小細胞肺癌:米欧第I/II相)▽フチバチニブ(肝内胆管癌:米承認、胆道癌:日申請中、胆管癌:欧申請中、乳癌:米欧第II相、FGFR異常癌:日米欧第II相、尿路上皮癌:米欧第II相)▽ASTX727(骨髄異形成症候群:日第I相、急性骨髄性白血病:欧申請中、米第II相)――を候補に挙げた。
腎・循環器領域では、▽超音波腎デナベーションシステム(コントロール不良高血圧:米申請中、日ピボタル試験実施中、欧限定販売中)▽VIS649(IgA腎症:日米欧第III相)――を候補とした。
この中で、超音波腎デナベーションシステムは、血圧に関与する腎交感神経を焼灼し、血圧を下げる低侵襲機器で、承認されれば世界初の医療機器となる。米国ではブレークスルーデバイスに指定されている。

樋口氏は「期待も大きいが、患者アクセスを容易にするため、数年間をかけて保険償還を含めて環境を整えることが非常に大切と考えている」と説明した。
同社の23年計画でグローバル戦略4製品の売上高は、中計目標を約1500億円上回る6365億円、医療関連事業全体では約870億円上回る1兆1670億円を計画した。
樋口氏は「この4年間で承認された製品、導入品、自社開発を新たに開始したプロジェクトの合計は37目になる。持続的な成長を成し遂げるためにも次世代の製品育成に注力し、社会変化にも対応しながら23年の業績計画達成だけではなく、将来を見据えた課題についても着実に取り組んでいく」との姿勢を示した。

2023.2.20