医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、8月に開かれた第35回ジェネリック医薬品・バイオシミラー品質情報検討会の概要を公表した。11品目を対象とした溶出挙動試験の結果では、抗ウイルス化学療法剤の「アシクロビル顆粒40%」など計5品目12製品で医療用医薬品品質情報集(オレンジブック)の溶出挙動と類似の範囲になかった。
今回の品質評価対象となった品目は、昨年1月開催の第32回検討会で選定された11品目で、検討会の製剤試験作業部会が溶出挙動を確認した。いずれも品質に疑いがあるものではないが、品質を確認することで患者が安心して使用できるようにすることを目的に試験を行った。その結果、アシクロビル顆粒40%については、長生堂製薬の1製品で溶出が速く、オレンジブックの溶出曲線と類似の範囲になかった。
結果を踏まえた照会に対して、同社は品質再評価時に実施した標準製剤(先発品)の溶出挙動と類似で品質に問題なく、「有効性・安全性への影響は小さく、臨床上大きな問題を引き起こすものではない」と回答している。検討会では「説明が十分でなく、溶出が変動した原因等についても科学的根拠に基づく調査・説明を求めるべき」などの意見が上がった。
カルシウム拮抗剤のニフェジピン徐放L錠20mgでは、キョーリンリメディオ、日医工、鶴原製薬、全星薬品、東和薬品の計5製品がオレンジブック等と類似の範囲になかった。東和薬品は溶出挙動が変動した要因として、「製造方法のほかに原薬の粒子径が考えられ、影響の程度について引き続き確認し、必要に応じて適切な管理幅を設けることを検討する」と回答し、他社は「いずれも問題ない」との考えを示している。
抗てんかん剤のバルプロ酸ナトリウム錠200mg錠に関しては、協和キリン、住友ファーマ、共和薬品、藤永製薬の計4製品でオレンジブックと類似の範囲になかったが、いずれの製造販売業者も「問題ない」と回答した。
精神安定剤のジアゼパム錠2mgでは、大鵬薬品の1製品がオレンジブックと類似の範囲になかったが、同社は「ジアゼパム錠のバイオアベイラビリティは極めて高いため、pH4.0、6.8、水の試験液で溶出速度が速かったものの、同剤服用後の血漿中曝露に影響する懸念はない」などと回答している。
フェブキソスタット錠40mgについては、東和薬品の1製品で先発品と非類似だった。
2025.10.22
