【中医協総会】多職種連携の残薬対策評価‐処方箋様式変更には賛否/中央社会保険医療協議会

 中央社会保険医療協議会は19日に総会を開き、2026年度診療報酬改定に関する個別項目として残薬対策を議論した。厚生労働省は、残薬の発生抑制、残薬の確認、残薬の解消という三つの観点から、具体的な取り組みと報酬上の対応を整理し、薬剤師単独ではなく多職種連携による残薬対策を評価する方向性を示した。特に残薬の確認では残薬状況を薬剤服用歴に明記して継続的に管理することや、患者や家族の求めに応じて患家を訪問し残薬確認を行うことの評価を検討するよう提案した。

 残薬対策の報酬上の評価は、これまで「外来」「在宅」「調剤」の各テーマで議論されていたが、外来と在宅で分かれると患者に対する薬剤の一元的管理が難しくなるため、個別事項として包括的に議論することになった。財政影響が大きい残薬対策への評価は推進する方向にあり、薬剤師によるポリファーマシー対策は減薬などの成果を重視するアウトカム評価が行われてきたが、多職種連携を通じて適切に残薬対策が行われるようプロセス評価も検討していく。

 残薬発生の抑制については、調剤報酬のかかりつけ薬剤師指導料で包括的に評価する要件があり、かかりつけ薬剤師による一元管理のさらなる推進に向け、中医協で見直しが進められている。

 一方、残薬確認に関する対策では、残薬調整にかかる疑義照会などの業務に対し、外来・在宅それぞれで報酬上の評価が設けられているものの、薬の一元的把握に関する要件や評価項目は現状存在しない。

 在宅患者については、医師と薬剤師の同時訪問による残薬管理の事例があるほか、居宅訪問で残薬を発見する可能性がある事業の運営基準のうち、訪問看護などの指定訪問看護事業の人員・運営基準では服薬状況の情報提供について明記されていない場合もある。

 残薬の確認に関する論点として、薬局薬剤師が残薬状況を薬剤服用歴に明記して継続的に管理すること、患者や家族の求めに応じて患者宅を訪問し残薬確認を行うことへの評価が挙げられた。

 森昌平委員(日本薬剤師会副会長)は「残薬となった要因や患者への指導事項を薬歴に記載し、医師と連携して継続的に管理することが重要。こうした連携や取り組みが進むよう評価をお願いしたい」と述べた。また、「患者宅を訪問し薬剤を確認・整理しているが、現状では評価されていないので評価が必要」と訴えた。

 これに対し、支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は「残薬確認については既に様々な評価がある。要件や基準を見直す方が現実的」と述べた。

 残薬の解消に関する対策では、医療機関が処方箋の備考欄に「残薬調整後報告可」と記載し、薬局との連携で残薬調整に取り組む事例が紹介され、薬局で残薬を確認した際に医師が事前に円滑に指示できるよう処方箋様式の見直しが提起された。

 松本氏は「方向性に賛同する」とした一方、江澤和彦委員(日本医師会常任理事)は「医師が診察で症状が安定し、長期処方でも良いと判断して処方日数を調整した場合、薬局で処方日数を変更すると治療に影響が出る。敢えて処方箋様式を変える必要はない」と慎重な姿勢を示した。

2025.12.22