日本病院薬剤師会の武田泰生会長は4日の定例会見で、2026年度診療報酬改定の個別改定項目案について高く評価した。病棟薬剤業務実施加算では、薬剤総合評価調整加算・退院時薬剤情報管理指導料の算定回数が多い場合に、高い点数の算定が可能となる上位評価が新たに創設された。武田氏は「(病棟業務が)できている施設は、薬剤師の病棟活動がさらに活性化し、今後のニーズに向けて職能のあり方を追求していくことになる。今回、段階的な評価となり、さらに上を目指せる仕組みが示された点は良かった」と述べた。
今回の改定案では、退院時薬剤情報連携加算が廃止され、薬剤総合評価調整加算の要件に転院・退院時の施設間での文書による薬剤情報連携が追加され、手厚く評価されることとなった。
これにより、現行の退院時薬剤情報連携加算では薬局への情報提供で算定が可能であった一方、転院・転所の場合に算定できなかったものが、薬剤総合評価調整加算の枠組みで評価されるよう見直された。
さらに、病棟薬剤業務実施加算では、週20時間以上の病棟業務を要件とした現行の加算に加え、薬剤総合評価調整加算・退院時薬剤情報管理料の算定回数が多い場合に評価される上位区分が新設された。病棟薬剤業務実施加算の創設から14年が経過し、体制評価に加えてプロセスや実績に基づく評価が導入され、2段階評価となる。
日病薬は、中小病院が病棟薬剤業務実施加算を算定できるよう国に要望してきた。今回の改定案では、加算を算定している中核病院は上位評価の取得を目指す一方、薬剤師を病棟に十分配置できない中小病院は、薬局や他施設との情報連携を通じて薬剤総合評価調整加算を算定し、薬剤師確保を図りながら病棟薬剤業務実施加算の算定を目指す道筋が示されたとしている。
武田氏は「地域の医療連携を支える横の連携を進めるために、中小病院が薬剤総合評価調整加算を算定して薬剤師を増やすこと、中核病院が薬剤業務をさらに伸ばすこと、その両面を意識した評価になったのではないか」と述べた。
川上純一副会長も会見で、「大学病院や急性期病院よりも、中小病院や回復期、今後の包括期病棟などで薬剤総合評価調整加算の業務が行われていることも多い。薬剤管理サマリーを活用した情報連携により評価されるのであれば、病棟薬剤業務実施加算を取れているか否かに関わらず、頑張っている仲間を後押しする点数になる」と述べ、中小病院にとって薬剤総合評価調整加算が算定しやすい業務であるとの認識を示した。
一方、川上氏は診療報酬改定全体にも言及。「各病院は経営的に厳しく、欠員補充や定員増が止められていた施設も多かったと聞いている。しかし、賃上げに向けたベースアップ評価料や、賃上げを実施している医療機関に対する評価が短冊に示された。厳しい状況を踏まえると、一息つける改定になったのではないか」と述べた。
■ビジョン1年目に意欲‐3期目続投でコメント
また武田氏は、昨年12月に役員候補選挙の立候補が締め切られ、3期目の続投が確実になったことを踏まえコメントした。「70周年記念の時に出したミッション・ビジョン・バリューを、スタートする1年目として力を入れてやっていきたい。これまでやってきたことを全体として継続させていく流れになると思うし、その方向でますます夢中でやっていきたい」と抱負を語った。
その上で、「ブロック会議などで話を聞く中で、われわれが良かれと思って施策を進めても現場、各施設の薬剤師にしっかり届いていないと感じることもある。会員の皆さんの声に耳を傾け、考えている方向性や施策が合っているかを常に意識しながら進めていきたい」と語った。
なお、副会長候補として立候補したのは奥田真弘、川上純一、筒井由佳、眞野成康、室井延之の5氏で、全員が留任となる見込みである。
2026.02.09
