厚生労働省は、医療給付の受給者に関する調剤行為の内容などをまとめた2024年社会医療診療行為別統計の結果を公表した。薬局調剤では、1件当たり点数が4.7%増、受付1回当たり点数が4.0%増となった。調剤行為の大半を占めた薬剤料において、新型コロナウイルス感染症治療薬など化学療法剤が増加したことなどが背景にあると分析しており、薬剤料は調剤全体の72%を占めた。調剤技術料は増加した一方、薬剤師が患者に対して実施した業務を評価する薬学管理料は減少した。
同調査は、昨年8月審査分として審査決定された医療保険制度の診療報酬明細書と調剤報酬明細書のうち、匿名医療保険等関連情報データベース(NDB)に蓄積されている全数集計を対象としたもの。
集計対象となる保険薬局のレセプト件数は6221万2451件と、前年の5827万5906件から増加した。薬局における調剤行為の1件当たり点数総数は1115.4点で、同50.1点、4.7%増となった。受付1回当たり点数は925.6点と、同35.7点、4.0%増となった。
近年の薬局調剤の1件当たり点数と受付1回当たり点数は減少傾向が続いていたが、24年は前年より上昇した。その背景について厚労省は、各調剤行為の点数が前年より増加していることが影響したと分析している。
調剤行為別に見ると、「薬剤料」が670.2点で最も高く、同32.6点、5.1%増加した。構成割合は72.4%と0.8ポイント上昇した。次いで「調剤技術料」は133.8点で、5.2点、4.0%増加し、「薬学管理料」は120.2点で1.7点、1.4%減少した。
使用薬剤の薬剤点数について、薬効分類別の薬剤点数の構成割合を見ると、院外処方(薬局調剤)では、「その他の代謝性医薬品」が17.8%で最多となり、「循環器官用薬」11.3%、「中枢神経系用薬」11.1%の順となった。
医科の入院外における院外処方率は前年から1.2ポイント増の81.4%で、病院が1.1ポイント増の83.6%、診療所が1.3ポイント増の80.9%となった。
後発品の使用状況を見ると、薬剤種類数に占める後発品の種類数割合は総数で82.4%と、前年から2.4ポイント増加した。内訳を見ると、入院が2.6ポイント増の77.2%、院内処方が3.1ポイント増の70.8%、院外処方が2.1ポイント増の84.6%となった。
2025.6.30