日本保険薬局協会(NPhA)は、薬局の麻薬廃棄金額が全国の薬局数に換算すると年間約8億円に上るとの調査結果を公表した。薬局間譲渡許可の届出率は41.6%、そのうち譲渡実績のある薬局は46%だった。制度に関して薬局の約9割が「譲渡できる薬局が事前に届出した薬局間にのみ限定されていること」を課題と認識しており、より柔軟な薬局間譲渡の制度改正を求める意見が上がった。
調査は麻薬小売業者免許を取得し、1年以上運営している正会員のうち5019薬局(24.1%)から回答を得たもの。その結果、麻薬小売業者免許を持つ薬局の1年間の麻薬廃棄金額平均は1店舗当たり2万3057円だが、回答のあった4903薬局の合計金額は年間約6800万円だった。全国で換算すると年間8億円規模の医療用麻薬が廃棄され、社会的な損失につながっている可能性がある。年間10万円を超える店舗は全体の8.6%だった。
無菌製剤処理加算の実績がある、麻薬加算の算定回数が高い、取扱麻薬在庫品目数が多い、麻薬の不動在庫品目が多い薬局ほど麻薬年間廃棄金額が高い傾向にあった。
一方、医療用麻薬における医薬品卸の配送状況について、94.3%の薬局は土曜日の麻薬配送がなく、日・祝日営業している薬局の96.1%は日・祝日の麻薬配送がないとの結果だった。医療用麻薬が医薬品卸から希望する日に配送されなかった場合の対応として「患者や家族との納品日調整」「他薬局への在庫確認・患者紹介」などが行われていた。
麻薬小売業者間譲渡許可申請について、医療用麻薬を麻薬譲受できる制度の認知度は約9割に上る。麻薬小売業者間譲渡許可の届出をしていない理由としては「届出申請や管理が手間になるため」と回答した薬局が33.5%と最多だった。
麻薬小売業者間譲渡に関して、対象薬局の91.7%が「譲渡できる薬局が事前に届出した薬局間にのみ限定されていること」を課題に挙げた。「申請書類の作成・申請に負担がある」と回答した薬局は34.9%、「卸売業者から譲受後90日以上経過していることを要件とされている点」に課題を感じている薬局は29.9%となり、制度要件や手続面における運用上の課題が認識されている状況が示された。
都道府県が個別に設ける許可申請品目により、53.1%の薬局が距離・時間・事業者数制限に関する課題があると回答した。
麻薬小売業者間譲渡は、2022年4月施行の麻薬・向精神病薬取締法施行規則の一部改正省令で、卸から納品した麻薬で90日以上譲渡譲受がない麻薬の店間移動が可能になった。
2026.02.20
